15thアルバム
「中島みゆき」

1988年3月16日発売

1. 湾岸24時   6. 黄色い犬
2. 御機嫌如何   7. 仮面
3. 土用波   8. クレンジング クリーム
4. 泥は降りしきる   9. ローリング
5. ミュージシャン    
 
 「はじめまして」「miss M」「36.5℃」と、今までのスタイルからの脱皮を試みた3枚のアルバムの集大成を感じる
アルバムである。かといって「すご〜くロック」でもなく、言葉を選べば「ニューミュージック時代の名盤」といった
ところかな?「1.湾岸24時」は彼女のオリジナル曲ではヒジョーに珍しい、他人の作曲ではあるが(作曲・椎名和
夫氏はこのアルバムのプロデューサー)、見事に彼女の色になっている。シンガーとして勝負した一曲であり、ボ
クのお気に入りである。「2.御機嫌如何」はミディアムテンポのシングル曲。別れた男に「御機嫌如何ですか〜」と
語りかける女性の、明るめの曲調の中のさみしさがいい。「3.土用波」は一転ロックチューンの一曲。「愛の重さ
を〜」のところのメロディーが何とも言えずよい。「4.泥は降りしきる」「春までなんぼ」を思い起こさせる舌ったら
ずなボーカルが、さらに感情移入させる哀しい曲。ひとりだけその気になってしまった恋って、これほど恥ずかし
くてさびしいものはないんだよねえ(妙に意味深!(笑))。「5.ミュージシャン」はポップな曲。名曲「おまえの家」
思い起こさせる歌詞。逆パターンだけどね。とても希望を感じさせるメロディ&歌詞。好きですね、この曲。「6.黄
色い犬」は、悪いのですがちょっとメロディー的に崩れたなあと、このアルバムを聴くといつも思ってしまう。「7.仮
面」は甲斐よしひろ作曲のミディアムテンポなシングル曲。この曲でもやはり他人の曲でのボーカリストとしての
挑戦が見える。「8.クレンジング クリーム」は何度もリフレインされる「クレンジング クリーム ひと塗り〜」が独特
な世界をかもし出している。ラストを飾る「9.ローリング」は彼女の全楽曲から見ても、かなり上位にくる曲。「時代」
にも匹敵するような存在感がある。試行錯誤を続けてきた第2期「中島みゆき」の幕を下ろすアルバムだと思う。

 

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