しかしなんてストレートなタイトルなんでしょう?(笑)三代目魚武濱田成夫氏によるド迫力な筆体同様、全体的にド迫力なボーカル& |
演奏に彩られたロックアルバムとなってます。TOKIOへ提供された「1.本日、未熟者」は、何をやってもスマートにはできない人々を歌っ |
た曲。だけどホントはそういう中にこそ人間らしさってあるんじゃないかな。こう言ってはなんですが、やはり長瀬くんの声より彼女の声 |
がしっくりくる。当たり前か(笑)。「2.顔のない街の中で」は、ふれあいが薄れていってる世の中を歌った曲。「見知らぬなら見知れ」って |
表現がメッセージ性をいっそう強くしてる。1、2曲目で思いっきりアッパーカットを喰らったあと、優しくキスされるような感覚に陥る(笑) |
「3.惜しみなく愛の言葉を」は、考えうる愛の言葉を一度にすべて放ってしまったらこの愛は置き去りにされるかしら、と歌うバラード曲。 |
この愛を終わりにしたくないから私はますます寡黙になる・・・彼女独特の悲しい表現ですね。「4.一期一会」は遠く離れてしまった愛する |
人に、私のことは忘れてしまってもあなた自身の笑顔を忘れないで・・・という、これまた悲しくもはかない想いを描いた作品。ラスト付近 |
のトーンが一段階あがるあたりでいつも涙腺がゆるみます(笑)。「5.サバイバル・ロード」で再びド迫力ボーカル・モード(笑)。2曲目同様 |
”街”をテーマにしながら、こちらでは無情で過酷な街の中を駆け抜けてゆけ!と鼓舞してくれてる気がします。みゆき風”拓郎テイスト” |
な「6.Nobody Is Right」は”正義”について考えさせられる曲。確かに自分だけが正しいのなら、自分以外の人間はみな間違いってこと |
になる。そう考えれば・・・本当に正しいものなんてこの世にはない方が幸せなのかもしれない。「7.アイス・フィッシュ」は凍るような冷た |
い世界観を体現した楽曲。彼女の曲が持つこういう感覚ってうまく言葉にできないけど好きなんですよね。生まれる前から知ってたかの |
ような、そんな不思議な感覚。「8.ボディ・トーク」は”言葉の無力さ”をテーマにした曲。言葉を暴力としてとらえればこんな強力な武器は |
ない。でも自分の本心をそのまま伝える手段としては、これほど弱いものもない。どんな言葉で彩ったとしても、命の鼓動の前に言葉は |
無力だ。本盤の”街三部作”(←勝手に命名(笑))最後の作品「9.背広の下のロックンロール」は、誰もが表情の裏に本当の素顔を隠し |
持っているはずってテーマを持つ曲。生きるには何かを譲って生きることも必要。でもすべて譲り諦めてしまったらいったい何が残るん |
だい?って問いかけにも聞こえる。自分に正直になる・・・これも時には必要なんだよね。「10.昔から雨が降ってくる」・・・なんとも不思議 |
でノスタルジックなタイトルですが、自分の正体を考える・・・走ってきた足を止め、そんなこと考えるのもまた生きてる意味を見つめるこ |
とになるんですよね。「11.I
Love You,答えてくれ」は渾身の力をこめたハードロック・バラード曲。「愛さずにいられない馬鹿もいる」と |
罵倒しながらも、そんな馬鹿を彼女は好きなのでしょう。もちろんボクも好きだ(笑)。何事もスマートに済ますのがいいとは思えない。不 |
恰好でも自分の意志を貫き通す・・・人間、最終的にはこれに尽きると思います。その中から大切なものって生まれる気がするし。この |
盤は、荒れ狂うような今のこの世を生き抜くすべての人にエールを送ってくれているかのような気がするアルバムです。聴き応えあり! |