稲葉浩志がはじめて手がけたソロ作品。全編作詞作曲を自身で手がけているが、やはりどこか |
B'zの作品とはちょっと違う趣がありますなあ(笑)。「1.冷血」は2分台の楽曲ながら、彼の暗闇の世 |
界を十二分に表してる。パンチのある「2.くちびる」、ベース音を強調した「3.そのswitch〜」と続き、 |
屈指の名バラード「4.波」へとたどり着く。この浮遊感の中の孤独感みたいなものがたまらなく好き |
なんですよね〜。「5.眠れないのは〜」は、こんな平和な世の中なのに、何でオレは眠れないんだ? |
と歌ってる。身に染みます(笑)。「6.Soul Station」は安らぎを感じるスローナンバー。何気ない日常 |
こそが自分の魂の駅なんだって歌ってる。「7.arizona」は「シャララララ♪」っていうスキャットが印象 |
的な楽曲。「8.風船」は二人が一緒にいるってことは、二人の間にある風船を割らないように暮らし |
ていくってことだと歌う静かなバラード曲。「9.台風でも〜」はまさに嵐でも来たかのような曲だが、こ |
こに登場する主人公も嵐みたいなヤツだ(笑)。「10.灼熱の人」はタイトル曲。今こそ内に秘めている |
灼熱を開放する時だ!と歌ってるロックチューン。「11.なにもないまち」は少しボサノバ入った楽曲 |
だ。思わず舌を噛む(笑)。「12.Chopsticks」はインスト。何か”マグマ”を想像させるなあ。「13.Jealous |
Dog」は他人の恋路に何とか入りこもうとする主人公。「14.愛なき道」は、”愛”っていうのはたいそう |
なものじゃなくって、もっと気楽に考えていけるもんだ!って歌ってる。ラスト「15.Little Flower」は彼 |
のウィスパーボイスがこだまする、しっとりとしたバラード曲。こうやってみると、やっぱりB'zとはちょ |
っと違うなあ。彼がデビューしてからずっと行ってきた松本さんとのコラボレーションの中で、自分自 |
身の内側から噴出してきたマグマ(個性)を集めた、集大成的なアルバムと言えるでしょうね。 |