2ndアルバム
「春夏秋冬」

1987年1月21日発売

1. 抱いてくれ   7. 春夏秋冬
2. 楽しみといえば   8. バック・ストリート
3. ダーリン   9. このままが
4. ハングリー・ナイト   10.やるせない夜
5. 12月   11.レストレス・ナイト
6. ハード・レイン   12.クロージング・タイム
 
 1stアルバム発表から約半年後に発売された2ndアルバム。自主制作盤に収められた「12.クロージング・タイム」、1stに
収録された「6.ハード・レイン」「11.レストレス・ナイト」の別バージョンと、あの泉谷しげるの名曲「7.春夏秋冬」のカバーを含
む全12曲収録。「1.抱いてくれ」は情事のワンシーンを描いたロックチューンなんですけど、しょっぱなからすごく破滅的な
感じがするなあ(笑)。「2.楽しみといえば」は軽い曲調で歌われたポップな一曲。男の頭はグリーンでおまけにボサボサ、
顔にはメイク。そんなカッコで彼女の親に挨拶に行ってママは玄関先でぶっ倒れた。おまけにオヤジに「娘のためを思うな
ら二度と近づくな」と言われ・・・実話なのかな?これ(笑)「3.ダーリン」は街によってズタボロにされた女性の、それでも愛
する人に振り向いてほしいと願う女性の淡い想いを綴った楽曲。「4.ハングリー・ナイト」は、愛しいお前が横にいて、うまい
酒がそこにあるのに、本当にもうしぶんのない夜のはずなのに、何かが足りない・・・そんな男の心の飢えを歌った一曲。
「5. 12月」は、生きていくってことがいったい何を目指しているのかわからなくなった男のつぶやきが描かれています。「今
日一番の宝は明日屑かもしんねえ」・・・世の中を何事もなくうまく渡ってきた人間には吐けない言葉だな。季節が流れ12月
になれば街には思い出したようにジョンの声・・・騒がしい街とは対照的な男の心情が染みてきます。「7.春夏秋冬」は”今
日までそして明日から”な楽曲。泉谷氏本人も彼のカバーに負けないよう意識してセルフカバーしたという逸話を残すほど
SION独特の楽曲となっています。「8.バック・ストリート」は、文字通り裏通りを歌った楽曲。そこには秩序も何もない。ただ
必死に生きる奴らのふきだまりだった・・・。「9.このままが」は眠ってる愛しい人の横で、いつまでもこうして一緒にこのまま
でいたい・・・と願う男の寂しさにも似た感情が歌われているバラード曲。すごく純粋な気持ちになれる一曲です。「10.やる
せない夜」は、女と別れなくてはならなくなった夜の男の動揺が描かれています。ここら辺の男の弱い部分を描けるのも彼
の個性だよな。このアルバムは1stよりも、街とそれをとりまく人間たちの心の傷のもっと深い部分を歌ってる気がします。
 

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