ソロ 23thアルバム

「夢唄」

1997年11月21日発売

1. 夢街道     5. 煌めいて     9. 若葉は限りなく生まれつづけて
2. 君は穏やかに春を語れ     6. 幸せブギ     10.ゆ・ら・ぎ
3. 夢一色     7. Dream 〜愛を忘れない〜     11.夢唄
4. 教室のドン・キホーテ     8. やすらぎ橋     12.流星雨
 
 全編「春」をイメージしてしまう一枚。春、それは新しい何かが始まる時期。彼は当時”これからのひと”にメッセージを贈ることが今自分が歌に
すべきことなんだと感じていたんでしょうね。「1.夢街道」にはすべての人の人生の喜怒哀楽の中にきっと夢に通じる道はあるんだよってメッセー
ジを感じる。うれしいことも悲しいことも、きっと夢に通じてる。だから生きていこうよっていう力をくれる曲。「2.君は穏やかに春を語れ」では男女
の失恋感の違いが美しくも儚く描かれている。確かに男って終わった恋を思い返すけど、女性はもう次を見てるんじゃないか?っていうのがボク
の失恋感(笑)。そんなイメージを持ってしまうやさしくも切ない曲です。「3.夢一色」はどうせたった一度の生命ならば、夢に一途に生きてみたっ
ていいんじゃない?ってテーマを持つ曲。「信じる=愛する」ではないんだよね。お互いが切磋琢磨してこそ、お互いがお互いを必要とする理由
が生まれる気がする。「4.教室のドン・キホーテ」では卒業した生徒と先生のやりとりの中で「時代は弱きものを生け贄にする」と歌われている。
考えてみれば罪を犯すも犯さぬのも表裏一体なんだ。いい人が罪を犯す、悪い人がいいことをするなんて場合もある。だから人生ってひとくちに
説明できるほど簡単なものじゃないんだよね。「5.煌めいて」はスピード感あふれるメロディーにのせて歌われた愛の賛歌。確かに今日まだ生ま
れていなくても、夢は明日生まれるのかもしれない。いつ生まれるかわからないその夢を追うことが、煌めくことなのかもしれないね。「6.幸せブ
ギ」はコミカルなんだけど、聴いた後にシリアスにこの国のことを考えちゃうような歌。一生懸命生きてる人がバカを見る世の中・・・こんな世がい
つまでも続くはずがないよ、という願いがこめられた曲。確かに一大革命でも起きないかぎり、この国はこのまま転覆してしまいそう。「7.Dream」
は長野冬季五輪の公式テーマソングとなったシングル曲。でも五輪に対してだけでなく、生きているすべての人に歌われてる気がする壮大な愛
の歌。「8.やすらぎ橋」は母から子へ、人生とはこんなものなんだよっていうのを伝えるように歌われた母性を感じる曲。気まぐれな風の吹き方や
日差しの照りようで人生が揺らぐこともあるけど、自分を見失わないように・・・そう言われてる気がしました。「9.若葉は限りなく〜」では、本当の
愛とは言葉にはできないものなんだよ、と歌われている。そして希望は若葉のように限りなく生まれ続けてゆく・・・信じること、忘れちゃいけない
よね。「10.ゆ・ら・ぎ」は人の心のもろさを歌った曲。何かに裏切られても決して恨まない。それは自分のせいなのだから。だから強い自分になり
たい・・・そうは思っても人はそう簡単に強くはなれない。でも悲しみを重ねるたびに以前よりちょっとでも強くなっていたら・・・それでいいんじゃな
い?「11.夢唄」は演歌調とも思えるアレンジで歌われた曲。人は孤独だ。親がいくら子の面倒をみようと親は子よりも先に死ぬ。だから親は「俺
の屍を越えて行け」ぐらいの気概が必要なんじゃないか?って言われてる気がした力強い唄。「12.流星雨」は”君”にもしもう一度出会えたら僕
が片時も忘れずに思い続けていたことを告げよう、と歌われたラブソング。この”君”ってもしかして幼い日にみた”夢”をさしてるんじゃないかなと
も思う。”永遠”は架空のもののように思われてるけれど、実は人の想いの中にこそ”永遠”があるのかもしれないなってことを教えられた曲。

さだまさし TOPページへ