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「夜はいろいろな顔を持っている。その顔をひとつひとつのぞいていく男がいる」
「その名をミッドナイト」
こんなくだりではじまる痛快活劇短編集! *中でもとくにボクの心に残ったエピソードには印がかぶせてあります。
真夜中しか客を乗せないタクシードライバー三戸真也。 *「これから読む」という方のためにある程度ストーリーをぼかしていますが、
今夜はどんな夜の顔を覗くのか。 わかってしまったらごめんなさい。
 
ACT.13
 ボクサーを目指して東京へ行ったマサオを追って故郷から出てきたサリーは、待ち
あわせの駅で彼と再会した。ミッドナイトの車に乗り込んだふたりは話を始めるが、彼
には彼女に話せない秘密があるようだ。ラストの彼女のセリフが妙に色っぽい・・・?
ACT.14
 真夜中に乗せた男は、「地所の山林に宝物を埋めた」と書かれていた死んだ父親の
遺書を持っていた。掘り出すのを手伝ったミッドナイトだったが・・・。こう考えると、ミッド
ナイトも大変なお人好しである。
ACT.15
 真夜中に女を乗せたミッドナイト。しかし女は後部座席のシートに、なんと赤ん坊を置
き去りにして逃げてしまった。この赤ん坊をどうにかしようと駆けずり回るミッドナイトだ
が・・・偶然が偶然を呼び、偶然がラストを飾る。
ACT.16
 真夜中の都会のど真ん中でタヌキを見つけたミッドナイト。その後すぐに「私はタヌキ
だ」と名乗る婦人を乗せるのだが・・・。かなり漫画的なエピソードだが、ラストも結局タ
ヌキにばかされる。
ACT.17
 真夜中の公園を走っている女性に興味を持ったミッドナイトは、彼女がマラソンの選
手で、近く海外のマラソンレースに出るという話を聞く。ところがその後・・。事態は急転
直下!!ちょっと話のつくり方が乱暴過ぎるのでは・・・?
ACT.18
 花火師・奥沢君平を乗せたミッドナイトは、花火談義に花を咲かせるが、彼はなんと
失明していた。目的地には若い頃からの花火師仲間の三田村剛蔵とその息子達が待
っていたのだが・・・。奥が深いエピソード。ラストもミッドナイトの機転が利いている。
ACT.19
 「植物状態のマリの容態が急変した」という知らせを受け病院へ来たミッドナイトは、
来日中のアメリカのリーゼンバーグ博士なら脳死判定が出きるが、大金がかかると医
師から聞き・・・。ミッドナイトとその愛車の深いつながりがクローズアップされる。
ACT.20
 前回の続きで、リーゼンバーグ博士を訪ねたミッドナイトは、彼がなぜか日本人を憎
んでいる事を知り、彼の憎しみを払拭するために走り回る。リーゼンバーグは、日本人
よりも日本人らしい仁義に厚い男だった。
ACT.21
 リーゼンバーグ3部作完結編。マリの容態を診に来たリーゼンバーグだったが、その
影で彼の行動をつけ回す男がいた・・・。誠意ある行動からは想像もできない過去が彼
には隠されていた。 戦争の悲劇を、作者はここでも描いている・・・。
ACT.22
 中国にいる養母の最期を看取ろうと乗り込んできた女性のため、成田空港までミッド
ナイトは今夜もぶっ飛ばす。午前6時以降は出演できません・・・(笑)。
ACT.23
 真夜中に乗せた客は、なんとミッドナイト本人だった。父親を憎んでいた彼は、彼の分
身とともに故郷へ行き、父親の死の真相を知ったとき・・・。ミッドナイトの少年時代がこ
こではじめて明かされる。 なるほど三戸 真也=ミッドナイトか・・。
ACT.24
 真夜中にふろしき包みを抱えた老人を乗せたミッドナイトは、老人から質屋へ向かっ
てくれと頼まれるが・・・。だんだんサービス精神が旺盛になってきたミッドナイトである。
それにしてもアトムよ、大きくなったなあ。
ACT.25
 カササギ運輸のトラックと追い越し合戦をするハメになったミッドナイトだったが、する
りとかわされてしまった。そのトラックがドライブインに停まっているのに気づいたミッド
ナイトは、運転手を見つけるが・・・。 ずいぶん長いヒモですね・・・。

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