歓喜の渦が回っていた。 法悦の余韻が頭のなかでぶんぶんとうなっていた。 気を失っていたのか、いなかったのかわからなかった。 頭のなかが真っ白になったのまでは覚えていたが、それからなにも見えなくなり、音も 聞こえなくなってしまって、あとは記憶がなかった いや、完全に記憶がないわけではなかった。 真っ白い光のなかに、なにかが見えたような気だけは残っていた。 それは、深い闇のようだった。 それは光のなかで、深い紺色にかすんでいた。 だが、闇ではないようだった。 闇でもなく光でもなく、もっと広大で深遠なもの――。 あれは、いったいなんだったのだろう。 あの紺色のなかの無数の輝き、光の渦――。ひょっとして、もしや――。 あたたかい手がやさしく髪をかき撫でてきた。 額にやわらかい唇が触れた。 律子は自分を覗き込んでいる瞳を見た。 夢彦だった。 だが、夢彦を見るのはずいぶんと久しぶりのような気がした。 「鏡君……わたし、なんだか……」 「たいじょうぶ? 少し気を失っていたみたいだったけど」 「わたし、変なのを見たの」 「変なの?」 「そう、光の渦があって、輝いていて」 「それ、宇宙じゃないの?」 「わからない」 「それ、きっと宇宙だよ」 夢彦は興奮した口調で言った。 「律子さん、コズミック・オーガズムに達したんだ」 「コズミック・オーガズム?」 「うん。ふつうのオーガズムよりもっと凄いオーガズムなんだ。そのときだけオメガ波っ ていう脳波が表れて、宗教的な法悦に似た体験をするんだって。鏡流の初代の春彦ってじ いさんが考えだしたんだ。きっとそれだよ。律子さんの目、なんだか違うものを見ていた 感じだったもの」 「違うもの?」 「うん。別世界のものを見ている感じだった。きっと、コズミック・オーガズムにイッた んだよ」 「胸だけでわたし、凄くイッちゃったのね」 「そうだよ、律子さんほんとに凄いよ」 律子は微笑んで夢彦の首に腕を回した。 「とっても気持ちよかった……気持ちいいってものじゃなかった……凄かったわ……ミル クも思い切り出しちゃったし……」 「律子さんのミルクおいしかったよ。たっぷり飲んじゃった」 「わたしって特異体質なのかな……妊娠してもいないのにミルク出しちゃうなんて」 「かもしれないけど、ぼくはそのほうが好きだよ。思いっきりイッたのがわかるし、それ に、律子さんのミルクが飲めるもん」 「でも、今日はもう出ないわ。鏡君が思い切りしぼっちゃったもの」 「まだ呑みたいな」 「だめよ、これ以上イッたらほんとに気が狂っちゃうわ」 「律子さん」 夢彦は律子の乳房に頬をこすりつけた。 「ンフン、だめよ、そんなことしたらくすぐったいわ」 「律子さんのおっぱい気持ちよすぎるよ」 「アン、そんなふうに乳首に鼻をこすりつけないで」 「じゃあ、胸の谷間を舐めるなんてどう」 「アハン、鏡君」 「すそ野なんかは」 「アハン、アン、鏡君っ」 「ほんと律子さんって感じやすいの」 「だって、鏡君が、アアンッ、よしてっ」 「じゃあ、これは」 夢彦は、ツンと乳首を舌先でつついた。それだけで律子はビクンと身体をふるわせた。 「ほんと、かわいらしい乳首」 「鏡君、やめて」 「じゃあ、おしゃぶりしてくれる?」 「お乳もみもみしないって約束してくれたら、してあげるわ」 「じゃあ、おしゃぶりして」 律子はすぐさま夢彦のものにしゃぶりついた。 口のなかにすっぽり包み込み、唇をすぼめたりゆるめたりしながら巧みに締めつけてく る。そして、舌でカリをねぶりまわし、性感を引き出していく。 「ああっ……いいよ、律子さん……」 夢彦は律子の髪の毛を撫でてやった。 律子はロングヘアをゆらして、夢彦のものをくわえこんだままぐるぐると振り回した。 やわらかい唇が締めつけてきて心地よい。 やがて律子はカリをしゃぶりにかかった。細い舌先をツンと立てて、ちろりちろりと舐 めまわしていく。敏感なカリの部分に唾液のたっぷりついた舌先が触れてなんともくすぐ ったく、心地よい。 「ああっ……律子さん、たまらないよ……」 フフ、と律子は笑い、カリの裏側の部分を舐めまわしてきた。 カリの付け根から尿道口にかけて、細くちろちろと舌がはい上がってくる。そのたびに むず痒い衝動が走り、夢彦はうめき声をもらす。 「うっ……律子さん、そろそろイキそうだよ……」 「まだイかせないから」 律子は唇でぎゅうっと締めつけた。 それから、またちろちろとカリを舐めあげた。 たまらない痺れが全身に走った。 まったく、なんてうまいんだ いくら色道に入ったからといって、これほどうまくはならない。本人の努力と素質がな ければ、ここまで磨き上げられないはずだ。 律子は真面目な顔をして淫乱にしゃぶり立ててきた。 それだけでもイキそうなのに、その顔を見ているだけでも夢彦はますますイキそうにな ってきた。 律子はカリを唇で締めつけ、尿道口をねぶりまわしてきた。ちろり、ちろりと舐めまわ しては、ちゅっちゅっと吸ってくる。 「うっ……ううっ……」 夢彦は声をもらした。 律子はさらに強くカリを吸ってきた。 「うっ……ああっ……ううっ……」 律子は舌を巻きつけ、尿道口に押し当てて強くしゃぶりついてくる。 「あっ、あうっ……だめだよ、律子さん、イッちゃう……」 律子は夢彦の腰をしっかり捕まえてぴちゃぴちゃとカリを舌先で打ちながらしゃぶりあ げていく。 「うっ……あうっ……ああっ律子さんったら……」 「もっと強くしゃぶってほしい?」 「うっ……あううっ……いいよ……ああっ……」 律子はくちゅううっと激しく音を立てて強く吸い上げてきた。 「うああっ……だめだよ、律子さんっ、ほんとにイッちゃうっ……」 「イッていいのよ、何度もイカせてあげるから」 律子は喉の奥深くにくわえこみ、唇で強く締めつけた。舌先をぴったりカリに吸いつか せ、激しくしゃぶりあげた。 ちゅぼおおおっ! ちゅうううっ、くちゅっ、 ちゅぼおおおおおっ! ぴちゃぴちゃと舌先を動かし、激しく吸いついてくる。 「うおおっ……おっおっ……だめだって律子さんっ……おおっ……」 夢彦は喘いだ。 律子を悶えさせていた自分が、今度は悶える番になっていた。 「いますぐ昇天させてあげるわ」 律子は喉の奥まで夢彦のものくわえこんだ。そして、もの凄い力で吸引をはじめた。 凄まじい音が起こった 口のなかのなまあたたかい肉が夢彦のものに吸いつき、締めつけた。 「おおおおっ……」 夢彦はうなった。 身体中の快感が吸い上げられるような感じであった。 夢彦は天を仰ぎ、悶えた。 律子はさらに激しい音を立てて夢彦のものをきつく吸い上げた。 夢彦はおううっ、と声をもらした。 我慢の限界が来ていた。 それでも、夢彦は耐えた。 その臨界点で、律子は最終手段に出た。アヌスに指をつっこませてきたのだ。 ぬちゅぬちゅと妖しく指が蠢いた。 舌が激しく夢彦のものに巻きつき、裏側をしゃぶりあげた。 先端の疼きが激しくなり、凄まじい快感がほとばしった。 その瞬間、律子はカリの部分をたっぷりと口に含み、激しくしゃぶりまわした。強く吸 い上げ、唇で締めつけた。 「オオオオオオオッ――――!」 夢彦の咆哮が響いた。 腰がひくついた。 律子は夢彦の腰をしっかりつかみ、引き寄せた。 喉の奥まで呑み込み、激しく吸い上げた。口のなか全体で締めつけた。 夢彦は最後の唸り声をあげると、もの凄い勢いで歓喜の洪水を打ち放っていった。