「信じられん……」 日向教授は快感指数のMAXの表示にうわずった声をあげた。 「バストだけで三七五だなんて、そんなばかな……」 「若様にしてみれば考えられないことではございません」 あくまでも冷静な口調で真田は言い放った。 「三七五というのはいままでのなかで若様の最高の記録ですが、その前の二九五というの は、ほぼ平均的なデータです。若様はだいたいバストだけの愛撫で二七〇から二九〇前後 をお出しになっております」 「たしかにデータではそのとおりだったが、三七五とは……」 日向教授はうなった。 「パチニ放射だけではとうてい無理な数字だ。もちろん、手のひらによる愛撫というのも 考えられるが」 「それだけでは不足でしょう。ただ、べつのものが複合しているとすれば」 「べつのもの?」 「はい。胸部には、乳首に位置する乳中をはじめ、神封、乳根、天谿と多数のツボが集中 しております。プラーナ放射がそれに作用しているとすれば、説明はつきます」 「たしかにな。まだ完全ではないが、プラーナ放射とツボ刺激との関係があることは明ら かになってきている」 「もしプラーナ放射とツボに確実な相関関係があるとするならば、ツボの多い乳房に特に 熱反応が見られるのも、一応の説明はつきます」 「プラーナ放射とパチニ放射の複合作用か」 日向教授はモニターを眺めたまま、うなった。 「もしそうだとするなら、胸以外でもツボが集中しかつパチニ小体が集まっているところ ならば、同じような熱反応が見られるはずだ」