『 巨乳学園 』



 新体操部の外で夢彦はずっと悦子を待っていたが、悦子はなかなか出てこなかった。

 夢彦の知らない顔ばかりは次から次へとドアから出てきたが、肝心の悦子は姿を現さな

かった。

 いったい、どうしたのだろうと夢彦は考えだした。

 待っていてくださいねと言いながらいないなんて、ひょっとして帰ったんだろうか。

「先輩」

 そう考えだしたとき、ふいにかわいらしい女の子の声がした。

 だれも出てこなくなったドアから、青いレオタードを着たショートヘアの子が顔を見せ

ていた。

 悦子だった。

「先輩、こっちです」

 悦子は手招きした。

 夢彦が練習場に入ると悦子はドアを締めた。

「いったいどうしたの? 服も着替えないてないし、なにかあったの? なかなか出てこ

ないから帰っちゃったかと思ったよ」

 悦子はくすっと笑って振り向いた。

「やっと二人きりになれましたね」

 悦子は頬いっぱいに微笑みを浮かべて近寄った。

 夢彦に腕をまわし、ぴったりと体をひっつけてきた。

 弾力に富んだ豊かな胸が夢彦の胸に押しつけられた。

「わたし、ずっと待ってたんです」

「へえ、なにを」

「知ってるくせに。先輩ったら意地悪なんだから」

 夢彦は笑った。

「また、したくなったの?」

「先輩が火をつけたんです。昼間にあんなことするから」

「だって、悦子ちゃんってとってもかわいいんだもん」

 悦子はうれしそうに夢彦を見上げた。

 やっぱり悦子ちゃんはかわいいや、と夢彦は思った。

 優香ちゃんも気持ちよかったけど、やっぱり悦子ちゃんはかわいいもんな。

 凄く一途なところもあるし、純粋だし。

「あの、先輩」

 と悦子は言った。

「なに?」

「昨日のこと、またしてくださいって言ったら、だめですか?」

「だめだって言うと思う?」

 悦子はにっこりと微笑むと、夢彦にますます抱きついてきた。

「先輩、抱いて」

「ここじゃまずいよ」

「どうして?」

「わかっちゃうよ。悦子ちゃん、結構声あげるから」

「だって、先輩上手なんだもん」

「悦子ちゃんが感じやすいんだよ」

 夢彦は軽く悦子と唇を重ね合わせた。

「先輩のキス、好き」

「おれも悦子ちゃんの唇好き」

「先輩もっとキスして」

「場所を変えてからね」

「いやだ、ここでして」

「そういうわがままを言うと、しないよ」

「だって」

「更衣室は空いてる?」

 悦子はくすっと笑った。

「さっきまでわたししかいなかったんです」

「ってことはいまはだれもいないんだね」

 悦子はうなずいた。

「でも、すぐ二人に増えることになるね」

 悦子の顔が悦びの予感にぱっと輝いた。

「先に行ってて待ってるんだよ」

 夢彦は悦子のヒップを撫でると悦子を送りだした。

(以下、つづく)


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