悦子は別館まで歩いていった。 「ずいぶん遠くまで行くんだね」 と夢彦は少しからかってみた。 「なにをするつもり?」 「先輩が考えていることじゃないです」 笑いながら悦子は答えた。 「ただ、どうせ話すなら二人きりのほうがいいと思って。冷やかす人もいないし」 「冷やかされた?」 「すっごく冷やかされました。友達に朝からなにやってんのよって。いつから結婚したの とか結構むちゃくちゃに言われましたけど」 「みんなおれのこと知ってるの?」 「そんなに知らないと思います。先輩、転校してきたばかりだから。でも、先輩の名前だ けは結構知ってるみたいです。色道の家元のお孫さんが入ったらしいってことだけは、み んなどこかで聞いているみたいで」 「困るな、有名人は」 悦子はくすくすと笑った。 「だから、友達もいやらしい質問ばかりしてくるんです。もうやった、とか、あれってう まい、とか。あそこの大きさはどうだったのとか露骨なこと聞いてくるんです」 「なんだ、みんな覗き趣味なんだな」 「そうなんです、みんな変態なんです。だから、そんなに知りたかったら自分で見ればい いでしょうって答えてやったんですけど」 「ほんとうに覗かれたらどうしよう。おれ、覗くのは慣れていても覗かれるのは慣れてな いんだ」 悦子はぷっと吹き出した。夢彦も笑った。 「先輩ほんとうに覗きしたんですか」 「しないよ」 「でも、いま慣れているって言いましたよ」 「言っただけ。覗いたことないもん」 「うそ。先輩だったら見つかっても女の子怒らないでしょう」 「だれに覗かれたって女の子は怒るよ。かっこいい人に覗かれたら恥ずかしがるとは思う けど、おれ、向こうじゃそんなに人気なかったもん。みんなに結構変に見られてたしね。 半分セックスの代名詞だったから」 「そうなんですか?」 「そう。おじいさんがおじいさんだから」 「わたし全然気にしないですけど。逆にわたしはうれしいくらい」 「どうして」 「だって、あのときに安心できるでしょう?」 夢彦は悦子がかわいらしくなって頭を抱きよせた。 悦子は微笑んで夢彦の肩に頭をつけた。 二人はLL教室の前でしばらくそのままにしていたが、やがて、 「ねえ先輩」 「なに?」 「キスして」 悦子は顔をあげ夢彦の顔を見つめた。 「お願い」 悦子は顎をあげ、目を閉じた。 夢彦は悦子の肩を抱きよせ、唇を合わせた。 悦子の唇は、安らぎの味がした。 「先輩好き」 唇を放すとうっとりとした表情で悦子は言った。 「キスのほうが好き、それともおれのほうが好き?」 「いやだ、先輩ったら。もちろん先輩です」 「ほんと?」 夢彦はまた唇を近づけた。 「ほんとです。先輩は、わたしのこと好きですか?」 「嫌いじゃないよ」 「そんなのいやです。好きか嫌いかはっきり言ってください」 「好きだよ」 悦子の顔がぱっと明るくなった。 「先輩大好き」 悦子は夢彦の首に腕を回し、唇を押しつけてきた。 ぐにゅっと豊かなふくらみが胸に押しつけられた。 夢彦は悦子の唇をすっぽりと包み込み、舌を差し入れた。 悦子はごく自然に口を開いて夢彦の舌を受け入れた。 そして、夢彦のなすがままに舌を吸われた。 「先輩……」 うっとりとして悦子は夢彦を見た。 「抱いて」 夢彦はぎゅうっと悦子を抱いた。 セーラー服越しにすばらしいふくらみが押しつけられた。 夢彦は背中をまさぐり、ヒップを撫でまわした。 悦子は吐息をもらした。 ほんとうにすばらしいボインだと夢彦は思った。 でかいし、張りもある。 抱きしめると気持ちがいいくらい胸のなかではずむ。 なんて凄いボインボインなんだろう。 これじゃあ、抱くたびにさわりたくなってしまう。 夢彦はたまらなくなってスカートのなかに手を忍び込ませた。 割れ目を撫でた瞬間、悦子はアンと声をあげてのけぞった。 夢彦はその隙に胸のふくらみを揉みつかんだ。 「アン、やだ、先輩ったらっ、アアンッ」 丹念に割れ目をなぞれて悦子は声をあげた。 夢彦は首筋にキスを這わせながらおっぱいを揉みしだいた。 「ほんと、悦子ちゃんのおっぱいって気持ちいいね」 「だめです、先輩、こんなとこじゃ見つかっちゃう」 「そのときは勉強中ですって答えるよ」 「冗談言ってる場合じゃないですってばあ、先輩、アアンッ」 夢彦は指はパンティのなかに入ってきた。 そしてきゅっ、きゅっ、とクリトリスをつまんできた。 悦子はああんとのけぞった。 「だめだよ、そんなに声を出したら」 「たって、先輩が、ひうううっ」 ぐにゅぐにゅとクリトリスをつまみまわされて悦子はまた声をあげ、のけぞった。 ほんとうに感じやすい子だと夢彦は思った。 おっぱいが感じるって言ってたけど、この子はクリちゃんも結構感じるんだな。 夢彦は指の腹でクリトリスをこすりまくった。 悦子は懸命に声を出すまいとしたが、たえきれず声をもらした。 夢彦はヒップを撫でさすりながら唇を覆った。 そして、膣のなかに指を突っ込み、アヌスを撫で、ボウリング・ホールドをはじめた。 悦子は激しくくぐもった声をあげた。 体をふるわせ、悶えまくった。 声をあげようとしたが、夢彦に塞がれていてあげられなかった。 悦子はたまらずいっそう悶えふるえまくった。 夢彦の指が激しく膣とアヌスをかきまわした。 悦子はくぐもった悲鳴をあげると、オーガズムに達した。 ぐったりとなって倒れかかった体を夢彦は抱きしめてやった。 「先輩のいじわる……」 悦子は小さな声で言った。 「話ってこれじゃなかったの」 悦子は弱々しく夢彦の肩を叩いた。 夢彦は笑いながら、 「ほんとうの話ってなんだったの」 「ただ先輩に会いたくなったんです」 「それだけ?」 夢彦は悦子の目を覗き込んだ。 「それだけです」 くすっと笑って悦子は答えた。 「悦子ちゃんって、クリちゃんのほうが感じるみたいだね」 と夢彦は言った。 「いやだ、先輩ったら」 「おっぱいよりクリちゃんいじめられるほうが気持ちいいだろう?」 「おっぱいも気持ちいいけど、あっちは痺れる感じ。先輩はおっぱいのほうが好きなんで すよね?」 「どうかな。おっぱいじゃおれのもの入らないから」 「やだ、もう先輩ったら」 悦子は夢彦を叩いた。 「ほんとにやらしいんだから」 「悦子ちゃんみたいな子を相手にしたらだれだってやらしくなるよ」 「でも、先輩いきなりするんだもん」 「じゃあ、これからは断ってしようか。本日は晴天にしてまことによい天気であらせられ ます。つきましては、願わくは我が一物と欲望を交えたき候とか言って」 悦子はけたけたと笑った。 「それ、時代劇の見すぎですよ」 「おれ、結構好きだよ。悦子ちゃんは嫌い?」 「ときどき見ますけど」 「おれ、ほとんどの時代劇の主題歌覚えてるもん。なんだか話を聞くと、子供のときに大 いばりで水戸黄門の歌を歌ってたんだって。だから、あだ名がご老公で、そう呼ばれると よろこんでたらしいよ」 悦子はけたけたと笑った。 「全然知らなかった」 「でも、色道と合ってるだろう」 「全然違うような気がするけど」 「おれも違うような気がする」 二人は笑い合った。 休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴った。 二人は天井を見上げ、周りを見回した。 「もう時間になっちゃいましたね」 と悦子は言った。 「そうだね」 「そろそろわたし帰らなくちゃ」 「じゃあ、放課後ね」 「はい」 悦子は一旦走りかけたが、すぐ戻ってきた。 「どうしたの」 「先輩、もう一度キスしてくれます?」 「どこがいい?」 「どこでもいいです。先輩の好きなところに」 「そうなるとおっぱいになっちゃうよ」 「やだ、先輩ったら」 夢彦は笑って、額に軽く接吻をした。 「じゃあ、また放課後」 悦子は手を振ると、元気に駆けていった。