『 巨乳学園 』



「先輩……」

 歓喜にうっとりとした目で悦子は夢彦を見た。

「わたし……とうとう……」

 夢彦はうなずいて額に接吻をした。

「イッたんだよ」

 夢彦は悦子を抱き起こして座位の状態で抱きすくめた。

 悦子はしっとりとした汗で薄く濡れた体を夢彦に押しつけ、じっとそのままにしていた。

 お互いの心臓はどくどくと鳴り響いていた。

「先輩、心臓がこんなに……」

「いい音してるだろう」

 と夢彦は言った。

「悦子ちゃんと同じ音だよ」

 悦子は思わず微笑んだ。

「先輩もイッたんですね」

「うん、おれもイッたよ」

「あの、よかったですか」

「よかったよ。悦子ちゃんかわいかったし」

 悦子はうれしそうな笑みを浮かべた。

「もう痛くない?」

「もう平気です。先輩がやさしくしてくれたから」

 悦子は少し恥ずかしそうに夢彦を見た。

 夢彦は頭に手をおき、やさしく撫でてやった。

 精液が出ちゃうかもしれないからと断って夢彦はコンドームに手を据えたまま、自分の

ものを抜いた。

 血はついていなかった。

 ゆいと違って出血はなかったようだった。

 夢彦がズボンをはき直したころには、悦子もレオタードを着なおしていた。

 二人はこっそりと倉庫を出た。

 悦子は一旦新体操部の部室に入ると、セーラー服に着替えて出てきた。

「セーラー服もかわいいんだね」

 と夢彦は言った。

 悦子は幸せそうに微笑んでこたえた。

 二人は歩きだした。

「先輩、なにか飲みませんか」

 と悦子は言った。

「わたし、なんだか喉が乾いちゃった。緊張しちゃったからかな」

「イッちゃったからだよ」

 と夢彦は言った。

「いやだ、先輩ったら」

「ほんとだよ。イクと人間って結構汗をかくんだ。うっすらとした汗なんだけど、量にす

るとかなりあるらしいんだ。それでいいセックスをしたあとは水を飲みたくなるんだって

。そう色道の教科書に書いてあったよ」

「色道って勉強するんですか」

「勉強するよ。セックスって勉強が必要なんだから」

「先輩も勉強したんですか」

「もちろん。でも、自分を好きな子を見抜く勉強はちょっとしてなかったかな」

 悦子はくすっと笑った。

「わたしも勉強します」

「なんの勉強」

「それは、いろいろです」

 とうつむきながら悦子は言った。

「だから、教えてくださいね」

 悦子は夢彦に体をこすりつけた。

 二人は校門を出てまっすぐ通りを歩いていった。

 その後ろ姿を、あるひとりの女がじっと見送っていた。

(以下、つづく)


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