『 巨乳学園 』



 オーガズムの波が行ったあとも、るり子は夢彦に激しく抱きついていた。

 髪はほどよく濡れ、全身はうっすらとしっとりとした汗をかいていた。

「鏡君って……」

 るり子はなにか言おうとしたが、オーガズムのショックが激しくてそれ以上口が利けな

かった。

 夢彦も激しいオーガズムの波にゆさぶられ、強烈な喜悦のあとの満足と虚脱感に襲われ

ていたが、やさしくるり子を抱きしめ、額に接吻してやった。

 るり子はやさしい笑みを浮かべ、夢彦を見上げた。

「痛くなかった?」

 と夢彦は尋ねた。

 るり子は首を振った。

「凄かった……こんなに凄いなんて全然思ってなかった……」

「とってもよかったよ。おっぱいも気持ちよかったし、あそこもよかったし……最後凄か

ったね」

 るり子は首を振った。

「鏡君のほうこそ……わたし本気でイッちゃった」

 夢彦は微笑んでるり子に接吻した。

「ごめんね、鏡君」

 と素直な声になってるり子は言った。

「わたし、試してみるつもりだったの。弥生が鏡君として気持ちよかったって話を聞いて

」

「弥生ちゃんから?」

 るり子はこくりとうなずいた。

「真紀先生以外はだれも知らないけれど、わたしと弥生、ずっとレズだったの。一時期わ

たしに彼がいた頃には途絶えたこともあったけど、放課後の図書室で裸になってお互いを

さわりあっこしたりしてたの。そのときに、二人で処女を破り合ったんだけど」

 それで痛がらなかったのだと夢彦は納得した。

「正直言うとね」

 とるり子は話をつづけた。

「鏡君のこと、からかい半分だったの。家元のお孫さんがどんなのか、一度覗いてやろう

って感じで……。いまは、ばかだったなあって思ってるけど、ほんとうにごめんね」

「いいよ」

 と夢彦は言った。

「だいたいおれは知らなかったんだし、知ったとしても、べつに気にしてないよ。望むと

望むまいと、じいさんの孫に生まれちまったんだし。でも、なんだか弥生ちゃんに悪い気

がするな。せっかくアイスを買ってもらいに行ってるのに」

「弥生はいいの。知ってるから。わたしが鏡君とさせてって頼んだの」

「おれを試してみたかったから?」

「それもあるけど、ほんと言うと、前付き合っていた人が全然うまくなかったの。だから

、もう男の人とはしたくないって思ってたんだけど」

 とるり子は言った。

「るり子ちゃんは、セックス嫌いじゃないの?」

「わたしは好きよ。だって、すっごく気持ちいいんだもの。今日、鏡君としたからますま

す好きになっちゃった。鏡君もセックスは好きでしょう?」

「好きだよ。それとも、大好きって答えたほうが真実に迫るかな」

 二人は笑い合った。

「弥生ちゃんも帰ってくるかもしれないから、そろそろ抜くよ。でないと出ちゃうかもし

れないから」

 るり子はうなずいた。

「ねえ、鏡君」

 夢彦が抜こうとすると、るり子は声をかけた。

「なに?」

「また……今度は二人だけで会ってくれる?」

「いいけど……それって、弥生ちゃんに悪くないかな」

「でも、鏡君も真紀先生としてるんでしょう?」

「どうして知ってるの」

「先生に聞いたの。先生、ずっとわたしたち二人の相談に乗ってくれていたから」

 弥生の話していた相談というのは、そういうことだったのかと夢彦は得心した。

「わたしじゃ、だめ?」

「そんなことないけど」

「でも、だめなんでしょう?」

 るり子は切なげな視線を向けた。

「だったら、お願いっ、もう一度して」

「るり子ちゃん」

「オーガズム感じたの、わたし、生まれてはじめてなの。弥生と二人でしてるときも、わ

たしが弥生をいじめてばかりで……弥生はすっごく感じるけど、わたし、全然感じないの

。少しは感じるんだけど、弥生みたいに何度もイクってことがなかったから、わたし、自

分が不感症じゃないかって思ってたの。真紀先生にもしてもらったんだけど、弥生は何回

もイッちゃうのに、わたしは一度もいかないの、だから」

 夢彦はるり子の唇を塞いだ。

 るり子は目を大きく開け、夢彦を見た。

 夢彦はゆっくりと口を離すと、微笑んだ。

「るり子ちゃんは不感症じゃないよ。ちゃんと二回感じてたじゃない」

「でも、それは鏡君だったから」

「だれでもたぶん同じだよ。よっぽど下手糞な男じゃないかぎり」

「でも、もうしてくれないんでしょう?」

「どうして? そんなこと、いつおれが言った? おれは弥生ちゃんのことを話しただけ

だよ」

 るり子は驚いて夢彦を見上げた。

「じゃあ、してくれるの?」

「弥生ちゃんにちゃんと話してからだよ」

「話したら、二人きりで会ってくれる?」

 夢彦はうなずいた。

「正直言うと、るり子ちゃんのおっぱい、気に入っちゃったんだ」

 るり子は微笑みで顔をいっぱいにあふれさせると、夢彦の首根っこに抱きついた。

 るり子はふるえていた。

 肩が小刻みにゆれていた。

 夢彦はそっと背中に手を当てると、静かに撫でてやった。

 そのときだった。

 ごとりとなにかが床に落ちる音がした。

(以下、つづく)


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