『 巨乳学園 』




「夢ちゃん……凄い……こんなに凄いなんて……」

 ゆいはベッドにうつ伏せになったまま、吐息をもらした。

 ゆいは全身にうっすらと汗をかいていた。

「こんなに感じたの……ゆい……はじめて」

「おれもだよ」

 と夢彦は後ろからやさしく抱きすくめ、首筋にキスをやった。

「ゆいって、かわいい声出すんだね」

「やん、恥ずかしい」

「なにも恥ずかしくないよ。いいことだよ。感じたらんな声を出すんだから」

「わたし、気持ちよかった?」

「うん、とっても。最後すっごく締めつけるんだもん」

「夢ちゃんが激しいんだもん……わたしすっごく感じちゃって」

「かわいかったよ」

 夢彦は耳にキスをしてやった。

「あまりなかに入れてるともれちゃうかもしれないから、抜くよ」

 ゆいはうなずいた。

 夢彦はそうっと腰を引いた。

 そして、コンドームを手にしたとたん、心臓がドキッと鳴った。

 冷や汗が背中を駆け抜けた。

 コンドームは鮮血で赤く染まっていたのだ。

「ゆい、おまえ……」

 夢彦は激しいショックに呆然としてゆいを見た。

「はじめてだったのか……」

 ゆいはうなずいた。

「どうしておまえ」

「ずっと夢ちゃんだって決めてたの。夢ちゃんにあげるんだって」

「なんでそんなこと……おれたち」

「わかってるの。そんなことぐらい。十分わかってるもん。でも、でも、やっぱり好きな

んだもん」

 ゆいはまっすぐ夢彦を見つめた。

 真剣な顔だった。

 女の子が一生に一度ぐらいしかできそうにない顔だった。

 真剣な瞳がゆらぎ、なにかが光ったかと思うと、涙が頬に流れ落ちた。

 ゆいは夢彦に抱きついた。

 夢彦は腕を開いてゆいを抱きとめた。

「ばかだなあ、おまえは」

 夢彦はゆいの髪を撫でながら言った。

「なんで言わないんだよ」

「だって、だって」

「自分でばかり思い詰めてたってしかたないだろう」

「でも、夢ちゃんにそんなこと言えるわけないじゃない」

「おれにはなんでも言っていいんだよ。いとこなんだから。そうだろう?」

「でも」

 ゆいは顔をあげ、なにか言おうとしたが、涙をあふれさせ夢彦に泣きついた。

「痛くなかったか?」

 夢彦はゆいの髪を撫でながら言った。

「うん」

「ごめんな、全然気づかなくて」

「いいの」

「うなったりするからなんだかおかしいって思ってたんだけど」

「いいの、夢ちゃんやさしかったもん」

 夢彦は髪をかき撫でながらゆいの額にキスをしてやった。

「ねえ、夢ちゃん」

 ゆいは涙目のまま顔をあげた。

「なに?」

「また、来ていい?」

 夢彦は微笑んだ。

「おばさんには内緒だぞ」

 ゆいは大きくうなずいて、夢彦の胸に頭を預けた。

(以下、つづく)


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