真紀先生は夢彦に対してまったく顔色を変えなかった。ふつうに測定して、ふつうの声 で目盛りを読み上げただけだった。 夢彦は少しがっかりした。なにかあるのじゃないかと思っていたのだ。 教室に戻ってくると、女の子たちがおしゃべりをしていた。 嶋田も仲間の女の子たちの間に入ってしゃべっていた。 「おまえら、どのくらいになったんだよ」 そんなことを嶋田は聞いていた。女の子たちは「知らない」と答えながらも、嶋田の露 骨な冗談に黄色い声をあげていた。 ゆり子は友達と熱心に話し込んでいた。昨日見たテレビの話らしい。流行りの歌番組だ。 だが――その時間、夢彦は真田さんについて色道の勉強をしていた。『カーマスートラ』 をずっと読んでいたのだ。 つまらなくなって、夢彦は教室を出た。 おもしろくなかった。 なぜだか知らないが、おもしろくなかった。怒りにも悔しさにも似た気持ちがふつふつ と湧き上がって、ますますつまらなくなった。ふてくされたい気分になって、夢彦は廊下 を歩いていった。 なにが不満なのだろう、と夢彦は思った。 おれはなにに対して怒っているのだろう。まるで子供みたいにぶすっとしているのだろ う。 夢彦は歩きながら考えた。 ふいに真紀先生のことが思い浮かんだ。 《ほんと、青木君は高いわね》 真紀先生の言葉が蘇った。 《結構いい体格してるのね。筋肉質でかっこいいじゃない》 つづいて、愛想のない無表情でメジャーを夢彦に回す真紀先生の姿が表れた。 真紀先生の機械的な声が静かに響いた。 「きゃっ」 女の子の悲鳴に、夢彦は回想から覚まされた。 肩がどんとぶつかった。 「ごめん」 夢彦は女の子を見て、口をあけた。 女の子も夢彦を見て、目を見開いた。 「海野さん……」 弥生だった。 「ごめん、ちょっとぼうっとしてたんだ。怪我はない?」 「ううん、平気」 と弥生は言った。 「授業はどうしたの」 「休みなの」 と弥生は答えた。 「鏡君は」 「身体測定が終わったところ。海野さんは、もう終わったよね」 弥生はこくりとうなずいた。 「一時間目だったの?」 「うん」 「真紀先生になにか言われなかった?」 「ううん、なにも。鏡君は?」 「クラスの友達が言われてた。胸おっきいんですねっって言って、当たり前のことを言う んじゃないのって、背中叩かれてた。思いっきり手跡残ってたよ」 弥生はくすくすと笑った。 「図書室に行ってたの?」 「え?」 「本持ってるからさ」 「あ、これは違うの。職員室に行って鍵を取ってきたところなの」 「じゃあ、これから返しに行くわけ?」 弥生はうなずいた。 そして、上目遣いに、控えめに尋ねた。 「鏡君も、来る?」 「ぼくも? そうだな、退屈していたところだからちょっと覗いてみるかな。実はまだ行 ったことがないんだ」 弥生はにっこりと微笑んだ。 図書室はしんと静まり返っていた。 薄暗く、周りを本が取り囲んでいた。 弥生は慣れた手つきで電気をつけた。 丸テーブルと、ソファが浮かび上がった。 「この間さあ」 と夢彦は言った。 「真紀先生のところに行った?」 「ううん。でも、どうして」 「いやあ、この間、ソファが濡れてたっていって、結構からかわれたから」 弥生はカーッと赤くなった。 「海野さんは、からかわれた?」 「う、うん」 「なんて」 「身体測定のときに、だれかにさわってもらったからこんなにおっきくなったのかしらっ て」 「相変わらず意地が悪いな。あの先生、サドなんじゃないかな。サドって知ってる?」 「うん」 「マゾと反対のやつね。人をいじめて歓びを得るって変な人間。なんか、あの先生サドっ ぽいよな。でも、おれはなんだろうな。サドかな、マゾかな。海野さんは、おれはどっち だと思う」 「ううん……」 「正直に言っていいよ」 「じゃあ……サドかな」 「そうか。おれは両方あるような気がしてたんだけど、この間、変な危ない心理テストっ てのやったら、ホモだって出てた」 弥生はくすくすと笑った。 「おれって、ホモなところあるのかな。どう思う?」 「わかんない」 「ってことは、少しはあるのかな。いやだな」 弥生はますます笑った。 「でも、弥生ちゃんは、マゾだよね」 「え?」 弥生は驚いて夢彦を見た。 「違う? 結構いじめられるの好きじゃない?」 「う、うん……違うと思う」 「ほんと?」 弥生はこくりとうなずいた。 「じゃ、ちょっと実験やってみようか」 「実験?」 「うん」 「すぐ終わるから、ちょっと目を閉じてくれる?」 「う、うん」 弥生は言われるままに目を閉じた。 「すぐ終わるから、目を開けたらだめだよ」 夢彦は気配を殺してそうっと背後に忍び寄った。そして、いきなり後ろから弥生のおっ ぱいを鷲掴みにした。 ぐいっ、ぐいぐいぐいっ! 十本の指が若々しいふくらみを蹂躪しまくった。 「アン、アハアンッ!」 弥生はビクンとふるえあがった。 もみもみもみいっ! 夢彦は充実しきったふくらみをめちゃくちゃに揉みしだいた。 「いやあっ、アアンアアッアッ、アアアッ!」 弥生は激しく胸をゆさぶって悶えた。 夢彦はますますもみもみいっと揉みしだいた。弥生は夢彦の腕をつかみ、髪を振り乱し て喘いだ。 「これでもマゾじゃないって言う?」 「わたし、マゾじゃないもん」 「ほんと?」 きゅうっ! 夢彦は強く揉みしだいた。 「アンッ!」 弥生は顎をあげた。きれいに切りそろえた髪がはね上がった。 「これでも?」 「だって、マゾじゃない……アアンアアッアッ、アアアアンッ」 夢彦の激しい指遣いに弥生は胸をゆさぶった。 「こうしておっぱいいじめられるの、好きだろう」 「好きじゃないもん」 「うそ」 「ほんとだもん、やあっ、アッ、アウウアアッアアッ、いやあああっ」 夢彦が容赦なく乳房を揉みたてた。 弥生は激しくいやいやをしながら嘆願した。 「お願いっ……おっぱいやめてえっ……」 「じゃあ、ここはいいの?」 夢彦はパンティの割れ目をくちゅっと撫でた。 弥生は、あはんっと声をあげた。 「ほんと、弥生ちゃんってかわいいね。すっごくおっぱい感じるし」 「だって、鏡君がいじめるんだもん」 「うそ、弥生ちゃんが感じやすいからだよ」 夢彦は軽くもみもみした。 それだけで弥生は声をもらした。 「ほんと、感じやすいんだね」 「鏡君のいじわる」 「ぼくは意地悪だよ。だから、弥生ちゃんのおっぱいいじめちゃうもん」 「いやあっ、いじめないでえっ」 「ほんとにいじめないほうがいい?」 夢彦は弥生の顔を覗き込んだ。 弥生は一旦視線を外したが、静かに首を振った。 「でも、服の上はやめて……ぐしゃぐしゃになっちゃう」 弥生は夢彦の手から離れると、セーラー服を脱いだ。 純白のブラウスが表れた。 さらにボタンを外していくと、鮮烈な肌色が覗いた。 弥生はブラウスを脱いだ。 その下は、真っ白のブラだけだった。 夢彦は弥生の額にそっと接吻をした。 「ほんと、弥生ちゃんの裸ってきれいだね」 弥生はうれしそうに、幸せに満ちた目で夢彦を見上げた。 「あんまりいじめないでね」 夢彦はやさしくブラの上から充実しきったふくらみを包み込んだ。 そして、ゆっくりと乳房を揉みほぐしはじめた。 弥生は甘い吐息をもらした。 夢彦は丹念に乳房を揉みほぐすと、ブラを外し、乳首を剥き出しにした。 すでに乳首は立っていた。 夢彦はおっぱいをつかみ、たっぷりと乳首をしゃぶりまくった。 弥生は激しく声をあげ、夢彦を乳房に押しつけた。 夢彦はますます激しくしゃぶりたてた。 弥生は髪を振り乱し、狂乱した声をあげた。 夢彦は片方の乳首もクニュクニュとつまんでやった。 「アハアッアッ、アアアアアッ!」 弥生は髪を振り乱し、乳房を押しつけた。 夢彦はたっぷとおっぱいを味わいながら、グリグリと乳首を舐めまわした。 「ヒアアアアアッ!」 弥生は顎をあげ、反り返った。夢彦はパンティのなかに指をつっこんだ。するりと割れ 目に指をすべりこませ、クリトリスをつまんだ。弥生はビクンと腰をひくつかせた。夢彦 はクチュクチュと指を動かした。「やあっ、ひやああっ」弥生はかわいいヒップをゆさぶ った。そして夢彦の手から逃れようとした。だが、夢彦の手は激しく絡みついてくる。し かも、舌はねっとりと乳首に絡みついてチュウチュウと激しく吸い立ててくるのだ。クリ トリスと乳首のステレオ効果に、弥生はたまらなくなった。頭のなかが熱で真っ白になり 、太腿のあいだは炎と化した。弥生は喘ぎ、のたうち回った。そのとき、夢彦は激しく乳 首を舐め転がした。グリグリグリイッ! おっぱいのなかで一番敏感な突起を、鋭利な舌 の先端が激しく舐めまわした。「やああっ、やあああああああああっ!」弥生は夢彦の頭 をひっつかみ乳房に押しつけ、首を振りまくった。小さなヒップをひくつかせた。身体中 に電流が走り、弥生はビクビクウッと全身をふるわせた。そして顎を上げ激しく反り返る と、ぐっしょりと太腿の間を濡らしたまま、喜悦のなかに溶け込んでいった。