ソロ 33thアルバム

「Mist」

2007年9月12日発売

1. 51     5. 窓     8. 賢者の贈り物
2. 赤い月     6. 都忘れ     9. 霧 -ミスト-
3. 眉山     7. 桜桜咲くラプソディ     10.かささぎ
4. 白雨            
 
 霧の中を彷徨い続けている・・・今のこの国の暮らしってそんな風な気がします。その彷徨う霧の中で、いったいいくつの
大切なものに出逢えるのか?・・・それがこの盤のテーマのような気もします。「1. 51」は米大リーグ選手・イチローの活躍
を絡めながら自国への憂いを歌う曲。本当に大切なことはどこにあるのか・・・おそらくこの国はその存在すら気づかない
んだろうな。これからもずっと。「2.赤い月」は壮大なバラード曲。いかに人間がちっぽけな存在かってことを思い知らされ
るような、そんな迫力があります。「3.眉山」は同名の舞台劇の主題歌。喜びや苦しみ、悲しみをあるがまま受け入れる・・・
残念ながらまだボクはそこまで肝は据わっていませんが(笑)きっとそれが生きることなんだろうな。「4.白雨」は失恋をテ
ーマにした曲。確かに男って不都合な記憶を美しい記憶にすりかえてしまうところってあるよね(笑)。忘れ去られるよりは
嫌われる方がマシ・・・なのかな?(笑)「5.窓」は矢野真紀さんへの提供曲。作曲は寺岡呼人氏。病気で入院している女性
が、心配そうに自分をのぞきこむ愛する人を逆に気遣うというシチュエーションが美しい。いや美しいっていう表現もヘンだ
な。うまく言葉にできないけど、とにかく優しい歌です。「6.都忘れ」は故郷から都会へ出て行った愛する人を想う女性の心
情を綴った曲。「案山子」の恋人バージョンと言えるかもしれないな(笑)。「7.桜桜咲くラプソディ」は、たとえ結果がダメでも
すべてが終わったわけじゃない。生きていればまたチャンスは必ず来る。だから元気ならそれでいいじゃん?とある種、生
きている以上何度もチャレンジする権利が与えられているんだよってメッセージを放ってる曲。落ち込んでいる時こそ聴き
たい曲ですね。「8.賢者の贈り物」は愛する人へのクリスマスソングではあるけど、高価なものや記念になるものだけがプレ
ゼントじゃない。君の笑顔を守ることこそが最高の贈り物じゃないか?・・・と、普通に言ったらただごまかしてるだけに聞こ
えてしまうかもしれないけど(笑)でも本当にその人との日々を続けてゆくことこそが、大切な賜物なんじゃないかなって思う
曲。主題曲「9.霧」は人の出会いとはいつも霧の中。みんながさまよいながら誰かと出会い、恋に落ち、物語が紡がれてゆ
くっていうことをテーマにした楽曲。もちろん、別れる時もふたたびその霧が待ち構えてるとは知らずに・・・。「10.かささぎ」
は、愛し合いながらも離ればなれになってしまった二人を描いた悲しいけれど優しい曲。以上全10曲、今の世の中に痛烈
なメッセージを放つ1曲目も含め、アルバム全体が大きな意味での人間愛あふれた優しいラブソング集となっています。

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