学会長・副学会長からのご挨拶

テーマ 「個々人の主体性を尊重する支援環境の整備~社会医学の次の発展に向けて~」

学会長   星 旦二(首都大学東京・都市システム科学域)
副学会長 櫻井尚子(東京慈恵会医科大学・地域連携保健学分野)

星旦二 櫻井尚子

2013年7月6日から7日にかけて、第54回 日本社会医学学会学術大会を、首都大学東京にて開催させていただくこと、光栄に思っています。

 我が国は、世界的に見ても、自殺や過労死がきわめて多く、都市間、都市内部での健康較差、つまり平均寿命や要介護割合の較差が大きく、特有の健康課題を抱えています。事実、都市部の健康度は相対的に低下しています。

 基調講演は、前学会理事長の上畑先生をお迎えして、ライフワークとして取り組まれてこられた、「過労死」に関する総括的な話題提供を依頼しています。また、屋内外の環境と健康との関連に関する学際的な研究を、体系的に研究されてこられた、前建築研究所所長でいらっしゃいました村上周三先生にお願いしています。
 また、都市部の健康水準、健康較差、大災害を含む健康支援に関する学際的取り組みに注目し、特別講演、シンポジウムを行ないたいと思っています。以下その概要です。

 2012年の日本公衆衛生学会・シンポジウムで取り上げたテーマ「わが国の健康課題と社会医学からのアプローチ」 を踏襲し、ここでのシンポジストに再度、内容をさらに進化させてお願いする予定です。
 東日本大震災に関する健康支援を続けておられる先生方に、健康支援の現状とその成果と今後の課題についてのシンポジウムも企画しています。
 都市の健康水準を明確にされてこられた東京都の保健所長経験者らにお願いし、健康寿命の指標作成プロセスと、その活用についても展望したいと思っています。さらに、教育講演として、共分散構造分析、自主グループ支援活動、ヘルスプロモーション活動について、公的責任を踏まえて議論を深めていきたいと思います。

  交通の便利さもあり、多くの方の参画を期待しています。会員、非会員を含めて、多数のご参加をお待ちしております。

© 2013 第54回 日本社会医学会総会