三水館(宿情報・感想)

2003/11

鹿教湯温泉の旅館街から少し離れたところ、一番奥にあります。松本ICと東部湯の丸ICの中間あたりになります。一見普通のお宅。道路沿いの駐車場に車を止めて、砂利路の階段を数段上ると、古民家風の風流な玄関があります。障子張りの木戸を開けると土間、右手にフロントがあり、そちらでチェックインします。奥の土間には木製の椅子セットと暖炉、上を見上げると広い吹き抜けに空調用の羽根がゆっくりとまわっていて・・・・すごくいい感じです。靴を脱ぎ(スリッパなし)館内の案内を聞きます。落ち着いた色目のフローリングに民芸家具風の椅子やテーブルが配されたロビー(サロン?)はクラッシック音楽が流れ、床暖房が設備されています。階段を上がると吹き抜けを囲む形で四方に部屋の扉が見えます。
<部屋>
予約したのは洋室スウィート「山入」。ドアを開けるとレトロなサイドボード、奥にはミニキッチンと洗面所、トイレ。ガラス格子の引き戸を開けると絨毯敷きになり、セミダブルサイズベッドが2つ、その奥はテーブル(冬はコタツ)と椅子セット。部屋自体が出っ張っているため、3方向に窓があって広々としています。ベージュやこげ茶のインテリアも落ち着きますね。残念なのは眺望で、窓の1つは「蔵」の部屋、1つは駐車場、1つは畑の向うに隣りの宿なこと。でも窓を開けて深呼吸すると、山の匂いがして、すごく気持ちがいい!
宿の方(皆さんくすんだピンク色の絞り風?作務衣を着ていらっしゃる)
が、お茶を入れてくださり、自家製の焼き菓子が出されます。夕食は6時ごろで準備が出来たら連絡を入れてくださるとのこと。時間が早かったので歩いて15分ほどの温泉街中心にある文殊堂に行きました。趣のある木橋を渡っていくのですが、お時間のある方、お薦めです。
<風呂>
散歩のあとはお風呂です。ピンクベージュの浴衣にうぐいす色の羽織(絞り風で軽くて温かい)、タビックス・バスキャップも揃っています。タオルを持って別棟の湯殿へ。サロンを通り抜け、一度草履を履いて行きます。20時で男女入れ替えですが、大きさ、仕様ともにさほど変わりません。1つは内湯が木製・外湯が石造り、もう一つハその逆です。脱衣所にも床暖房があり、洗面所にはドライヤー(部屋にもあります)。洗い場はシャワー付きのカランが4つ。湯船に注ぐ湯量はたっぷりで、湯に浸かるとドーっとお湯があふれて気持ちいい・・・のですが、残念なのはボイラーがすぐ横にあるため、音と油の燃える臭いが少しきついこと。露天は4人ほどで一杯になる大きさで、囲い付きですが、屋根無しなので天気がよければ気持ちよく入れます。でもね・・・リンスインシャンプーが変わった臭いが・・塩素っていうか、消毒くさいのです。次に行く時はシャンプー持参しよう!と思いました。
<食事>
6時過ぎに部屋の電話が鳴り、1階食事処に向かいます。掘りごたつ風になっているテーブルが1つと簡単に仕切られた部屋が1つ、あとは大きめのテーブルが3つ。ここも床暖房付き。桶にきのこ鍋の具があり、地鶏と鳥挽肉。前菜、野菜の煮物、おひたし、馬刺し、岩魚塩焼き、ごま豆腐、そしてなぜかサラダ・・・・もう、ほんっとにお腹一杯!それでもご飯をお雑炊にしていただきましたけど。山里のお料理と言う感じで、気取ったものはないけれど身体に優しく美味しくいただけました。食後はサロンでデザート、この日はコーヒーゼリーをいただきました。
翌朝は秋晴れの中の露天を楽しみ、8時半から(全員一斉にいただく)の朝食です。豆腐・卵・野菜のおひたし・切干大根・ししゃもとはたはたの丸干し・りんごに柿。こちらは美味しくいただけるちょうど良い量。食後にサロンでコーヒーをいただけます。(おかわり出来る!)
<その他>
これだけの内容で洋室スウィートで休前日2万円。コストパフォーマンスはかなり高いかと思います。派手なものは何一つありませんが、さっぱりとしたインテリアに趣味の良さを感じます。過剰なサービスもありませんが、必要と思うものはすべて揃っています。全8室ならではのこじんまりとした落ち着きが、美味しい山の空気とマッチして、とても気に入りました。(2003/11)


三水館の母屋全景。木造2階建ての1階はほとんどがパブリックスペース。2階が客室になる。蔵造りの部屋は母屋から一度外に出てから行く。紅葉の真っ最中。紅葉やどうだんつつじが綺麗でした。 母屋の入り口。入り口横に立てかけられている看板は昔の三水館のものと思われる。左手にはサロンから出られるデッキチェア・テーブルセットが置かれている。 「山入」ベッドルーム。民芸家具のベッドに羽毛布団が2枚もかかり温かい。ただ、ベッドの端に腰掛けると、淵のあるベッドなので痛いです。枕は高め。 「山入」リビングルーム。室内はダウンライトで、調光付き。ベッドルームとリビングルームの扉はないが、それぞれの部屋に空調が設置されている。
「山入」ミニキッチン。冷水ポット、紅茶・砂糖・ミルク、ティーカップと用意されている。下には冷蔵庫。 部屋で供されたお茶&焼き菓子。サクサクのパイに山葡萄ジャム(?)が入って、甘酸っぱくて美味しい。 大浴場。ガラス窓の向うが露天。 夕食。きのこ鍋の具が桶に入っている。これに地鶏と鳥挽肉が付く。2人分ですよ〜。醤油ベースのおだしでいただきます。
前菜。右から椎茸のガーリックグラタン風?、焼き鳥、出し巻き卵、春菊の胡麻和え、サツマイモ、煮豆、ニシンの佃煮 里芋ときのこの煮物。緑色の葉は「葉唐」。苦いけど美味しい。 ごま豆腐・・・だと思う。豆腐というよりか、葛のような食感。ごまの風味は生きてる。 岩魚の塩焼き。ちょっとピンぼけ・・・ごめんなさい。
このあとに、ご飯と漬物。雑炊にしていただくことも出来る。卵も付けてくださいました。
朝食。ししゃも&ハタハタの丸干し、水菜?のおひたし、豆腐、切干大根の煮物、温泉卵、りんご&柿、漬物、大根とお揚げの味噌汁。完食できるちょうど良い量です。サロンでコーヒー。 サロン(右側)から外に出るとこんな感じ。季節がよかったので、ここでぼーっとしながら食後のコーヒーをいただいた。鳥の声と美味しい空気が心地よい。奥に見える屋根は、湯屋への渡り廊下。 宿から徒歩10〜15分で行ける五台橋。ここから文殊堂へ。眼下に川が流れ、いい感じ。 萱葺き屋根の薬師堂。五台橋から石段をあがると見えてくる。


宿名 三水館
住所 長野県小県郡丸子町西内1866-2
電話 0268-44-2731
客室数 8
チェックアウト 10:30
食事場所 朝夕:ダイニング
その他 朝食後はコーヒーサービスあり
耳寄り 車で20分ほどの前山寺の「くるみおはぎ

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