岩の湯(宿情報・感想)

2002/9

予約が1年先まで一杯という人気の御宿。上信越道「須坂長野東IC」から20分ほど山に入った国号406号線に面したところにあります。本館9室、仙寿亭6室、仙山亭4室で構成されていて、仙山亭は離れ形式、その他の部屋は広さがいろいろなタイプがあります。予約時の人数によって振り分けられるようです。
<宿の雰囲気>
国道に面した駐車場に車をとめると、係りの方が走りよって荷物を持ってくれます。趣のある暖簾のかけられた門をくぐるとその先が川になっていて、橋を渡った向こう側に宿の入り口があります。橋の両側は秋明菊や紫式部、ほうずきなどが植えられ、周りも緑が一杯です。玄関を入ると右手にフロント、左手がロビー兼喫茶室?で、こちらでお迎えのお菓子(この日は柿の生菓子)とお抹茶が出されます。一服したらお部屋へ。荷物は係りの方が先に運んでくれているようで、案内してくれる人は手ぶら・・・・館内をテキパキと説明してくれます。山の斜面を利用して建てられている為に館内は階段が多く、ちょっと迷路のよう・・・特に仙寿亭はフロントから一番遠くなるので、方向音痴の人は迷うかも?。部屋につくまでの間に読書室や休憩室などがいくつかあり、パブリックスペースは充実している感じ。お部屋で和菓子とお茶を出してくれます。ちょっとお香の匂いがキツイ。
今回は仙寿亭の8畳和室で豪華な(?)ソファの置かれている広縁、トイレ・洗面・ミニキッチン付きの部屋。洗面所が少々狭い意外は満足。冷蔵庫は通常のものと冷えた麦茶だけで中身の入っていない小さいものと2つ設置されていて、後者は自由に物を入れられます。ミニキッチンにはお茶はもちろんインスタントコーヒーの袋やコーヒーカップも用意されていて、親切です。部屋の眺望は雑木林の中という感じで緑をたっぷり感じることができます。ただ時折、川を流れる水音に混じって、対岸を走る車やバイクの音がしてしまうのがとても残念。満室だったにもかかわらず、周囲の部屋の騒音は殆ど聞こえませんでした。
<風呂>
早速名物「仙人風呂」へ。男女それぞれの入り口から入り、そこは普通のお風呂。洗い場の横に「洞窟風呂入り口」があり、タオルを巻いて恐る恐る足を踏み入れる。何せココは混浴エリア。もうもうした蒸気の中(ミストサウナ風?)最初に普通の温度の小さい湯船があって、その先のつい立を進むと・・・右に見えるは男性風呂の入り口。最初は膝上くらいの深さが続き、奥へ行くと足の付け根より少し深いくらいで、そこは地面が小さいじゃりになっているのです。天井から電球がぶら下がり、一番奥はお湯が滝となって流れています。お湯は源泉そのままということで36度とぬるいのですが、蒸気のためか緊張のためかさほど寒くない。でも深さが違うエリアに入るのに大胆にまたがなくてはいけないので、ちょっと・・・・。いくらバスタオルを巻いていても胴長(長身)の人にとってはタオルがそれほど大きくないし、しかも濡れると重たいのです。20:00〜21:30が女性専用タイムなので、小心の女性にはその時間をおすすめします。ちなみに普通のお風呂場のカランにはシャワーがついていません。タオルが山のように積んでありますが、部屋にも大浴場にもシャワーキャップがないので、必要な人は持参しましょう。露天風呂はありません。
家族風呂が1つあります。予約制ではなく鍵が開いているときに自由に入れます。脱衣所は2人で一杯になるくらいの大きさで、湯船は石の大きな楕円形でジェットバス付き。2人でゆっくり入れる大きさです。洗い場はカラン一つですがこちらはシャワー付き。ちなみに私、ここで髪を洗いました。
<食事>
評判の高い食事は・・・今回2人ということで食事処をリクエストしたものの叶わず、部屋食になりました。先付けから始まり、デザートまで全13品が2〜3品ぐらいづつ運ばれてきます。どれも手をかけた美味しい地の物が並び、大満足。食後に夜食とフルーツの盛り合わせもついてくる・・超満腹です。(詳しくは写真をご参照ください)
朝食は食事処深山亭に8:00〜10:00の間にいつでも行くことが出来ます。和室の個室とレストラン風のダイニングスペースがあります。名物「蕎麦粥」と野菜たっぷりのヘルシーな朝ご飯。ボリュームもちょうどいいです。食後はコーヒーがポットサービスで出ます。
<その他>
館内のあちらこちらに鈴虫のカゴが置かれていて、どこからともなく「リーン、リーン」と鳴き声が聞こえてくる演出も。
コストパフォーマンスの高い宿だと思います。浴衣が上等な作りをしていたり、館内が草履で歩けたり、宿泊客が心地よく過ごせる状態を作ってくれている・・・そんな心を存分に感じることが出来るのです。そして従業員の皆さんの質の高さ。19室という規模の割にかなりの人数の従業員がいます。ただし普通のお宿に比べて1室あたりの客数が多い感じを受けるので、それなりに従業員数は必要と思われますが、それにしても多い。

なにせ1グループの人数が多いので2人で行くと圧倒されてしまうところもありますが、逆にパブリックスペースなどは空いていますし、部屋に入ってしまえばゆっくりできるのでおすすめです。ただし、予約は11ヶ月前の1日に、その付き1カ月分を電話で申し込みます。あきらめずに頑張りましょう。(2002/9)


駐車場横にある暖簾のかかった門。目立った看板は一つもない。 門をくぐると眼下には川。鉄分が多いのか赤茶色になっている。 門をくぐってこの橋を渡ると玄関。 宿の正面玄関。こじんまりとしていていい。
館内のいたるところに自然素材を使った器に山草花が活けられている。どうだんつつじ、すすき、つる梅もどき、りんどう、菊、ケイトウ、など等。 パブリックスペースの一つ。4畳半ほどのフローリングにゆったりと座れる椅子がニ脚。三方向が折畳式の窓で開放的。前は竹林で静かにクラシック音楽が流れている。 仙寿亭「飯綱」という部屋の広縁にあるソファ。こんな大きなものをどうやってこの部屋に入れたのだろう・・・?と思えるくらいの大きさ。ゆったりと座れる。 夕食の先付けと前菜。栗・きのこなど季節感あり。すすきでテーブルコーディネートされている。
強肴の信州牛の石枕ステーキ。アツアツの石の上に軽く火を通してあるステーキが乗せられてくる。ウェルダムがよければ右の石に乗せてもっと焼くのもよし。白い部分は塩。大根おろし醤油だれでいただく。美味しい・・・。 強肴は選択可能。上記のステーキ以外にこの杉の香焼きがある。二種のさかなと野菜を棒葉味噌で焼いたもの。杉の葉の下にステーキ同様の焼き石が入っていて、味噌を混ぜながら食べると美味しい。 箸休めのぜんざい(左)と蒸し物の長芋と鴨のつみれ(右)、鉢肴の南瓜と百合根の茶巾。ぜんざいはあっさりタイプ。蒸し物はあんかけで鴨の風味が美味しい。鉢はかぼちゃのとろりとした感じと百合根のホクホク、そして周りのグリンピースの裏ごししたものがよく合っていて美味。女性好みかも? デザートのフルーツ入りアイスクリーム、ブルーベリーソース入り。
夜食!左はジャガイモの甘辛煮と茄子漬けの握りずし(?)、右はフルーツの盛り合わせ。メロン・マンゴー・パイナップル・りんご・ぶどう。お腹一杯でも果物は胃に入ってしまうのです。 朝食。蕎麦粥、魚の粕漬け、卵焼き、野菜の煮物(冷たかったのが残念)、大豆まで入っているサラダ、胡麻豆腐、胡麻和え、ジュース。食後にコーヒー 食事処「深山亭」のレストランにテラスがあり、そこで朝食を取った。川の音をバックに森林浴しながらの(?)朝食。たまに対岸を車が走り抜ける音が残念・・・でも都会では味わえない贅沢な時間。


2003/01

<再度宿泊>
またまた行って参りました。1月は流石に寒くて、朝の気温が−6℃!でもすごくりっぱなつららや屋根にこんもりと積もった雪は風情たっぷりです。新しく喫茶室兼食事処が出来上がり、そちらでの夕食になりました。個室に仕切られたフローリングの部屋は、すべて違う作りのようで床暖房も入り快適そのもの。天井のBOSEスピーカーからクラシックが流れてきます。食前酒は竹筒に入った濁り酒、やや甘口で口当たりがよくついつい・・・。最後のご飯が蕎麦・うどん・白飯からセレクトできたち、夜食が小さなにぎ寿司になっていたり、流石にリピーターの多い宿だけあって毎回楽しませてくださいます。またこの喫茶室入り口ににケーキが並んでいて、かなりそそられる・・・結局食べられませんでしたが。食事の後半でお茶をリクエストした際に、熱いほうじ茶意外に冷たい緑茶も持ってきてくれたり、相変わらず気の効くサービスには頭が下がります。
大浴場のカランにシャワー付きが一つできました。朝食内容は同じでしたが、食後のコーヒーサービスがなくなってしまいました。(2003/01)


地面まで届いているりっぱなつらら 宿のエントランスに続く道は藁が敷かれ、歩きやすい 夕闇の中、灯りがともされて、屋根に積もった雪が美しく映える。 新しくできた喫茶室&食事処の入り口。全体にウッディな雰囲気で渓谷沿いにカウンター席もある。次回は絶対ケーキを食べるぞ!
食事処。部屋によって広さもいろいろ。暖簾だけで扉はついていないが、落ち着いてゆっくりと食事を楽しめる。床暖房のフローリングにひざ掛けも用意されている。 食前酒。濁り酒は口当たりもよく飲みやすい。竹製のおちょこに7〜8杯は入っていた。 夜食。茄子と椎茸のにぎり寿司に長芋(だと思う)の照り焼き?


2010/06 再訪

久々にいってまいりました。「仙郷亭」を全面改装したとのことで、12畳の和室にリビング、広々した洗面所、トイレ、シャワールーム、ミニキッチン(なぜが電子レンジ付)もあり、ベランダ付でした。
テレビは和室にありますが、やはりリビングでくつろぐことになるので少々不便? その代わりリビングにはBOSEのコンパクトステレオとヒーリング系のCDが3枚あり、いい感じにゆったりとはできました。ソファーやカーテンはみょ〜にアールデコ調なのですけどね。
リニューアルしたという名物「洞窟風呂」は湯量を増やし、専用の入浴着(ショートパンツと巻き布)を着て入ります。湯量が増えたためか、ちょっとしたミストサウナ状態。個人的にはやっぱり露天の方が気持ちいいかな。
平日2名利用で¥36,850(休前日は2,000増し) 決して安くない。予約時(相変わらず1年前から予約しないと取れません)に、一方的にこの部屋で・・・と言われたので、有無を言わさず状態。ソフト面はレベルが下がっているとは思いませんが、夕食時に何回か催促してやっとお茶が出てきたり、貸切露天のバスマットがビチョビチョだったり、残念な部分も。お布団も薄くて少々固め。しかもそば枕。4-5名で行けば28,000円程度なので、そのほうが満足度は高いかもしれません。

12畳の和室は広い。4人でも十分に対応できますね。 和室と続きでフローリングのリビング。 同じくリビング。ミニキッチンとBOSEのステレオ
相変わらず2つの冷蔵庫
ベランダはロッキングチェアもあり、気持ちよい空間
貸切風呂は窓を開放した内風呂と露天風呂の組み合わせで3箇所。すべて見ましたがそれほど差はないです。内風呂はジャグジースイッチあります。 貸切風呂の露天。ややぬるめかな。遠くに車の音はしますが、それなりの開放感はあります。 貸切風呂近くに休み処。飲み物の用意もありました。 夕食はメインの肉・魚料理は以前と同じ。山菜料理が追加ででました。(二人分)美味しかったけど、もう少し少なくていいかな。
山里のお造り:鯉・馬刺し・鱒など。これで一人前!特に鯉は最後のほうで飽きてしまいました。 デザート。美味しかったです お夜食。プリンとブドウ。プリンはすんごく濃厚。お夜食にしては少々ヘビーなお味でした。美味しかったけど・・・


宿名 仙仁温泉 岩の湯
住所 長野県須坂市仁礼3159
電話 026-245-2453
客室数 19
チェックアウト 11:00
食事場所 夕:食事処・部屋 朝:食事処
その他 夕食はメインを選択
耳寄り 信州おすすめのお店はこちら

温泉宿楽