『 巨乳学園 』



「大学に来るのははじめてでしょう」

 眼鏡の女子大生は微笑みかけた。

「おっきいからびっくりした」

「う、うん」

「わたしたちもね、一年生のときは迷ったりしたの。いまはそんなことはないけど、自転

車がないと移動するのはつらいわ」

 眼鏡の女子大生はすぐ隣の部屋の前で立ち止まった。

 表札はかかっていなかった。

「この部屋おもしろいのよ。ちょっと入ってみる?」

 夢彦はうなずいた。

 二人は後ろの入口から入った。

 なかには肌色の壁が広がっていた。

 ラブホテルにあるようなベッドが置いてあって、赤い絨毯が敷かれていた。

 夢彦は面食らった。

 国内でもトップを争う海陵大学医学部のなかに、知性の世界とはかけ離れた欲望の部屋

があるとは思ってもみなかったのだ。

「うちは性医学研究室だから、こういう施設があるの」

 眼鏡の女子大生は先にベッドに腰を下ろした。

「ずいぶん遠慮がちなのね」

 夢彦が腰を下ろすと、女子大生は体を近づけてきた。

 心臓が異常な音を立てた。

 女とはいえ、相手は天下の海陵大学の医学部生だ。

 高度の知性と教養を備えた、選び抜かれたエリートである。

 連立方程式や二次方程式のあたりをうろついている中学生の夢彦にしてみれば、神々し

い存在ですらある。

 いわば学問の女神といってもいい。

 その豊かな知性と教養を備えた学問の女神が、やさしい微笑みを浮かべて親しげに体を

くっつけてきたのだ。

「どうしたの、緊張しちゃって。人見知りするタイプなの?」

「そうじゃないけど」

「わたしのことは律子さんって呼んでくれていいわ。はじめてだから抵抗があるかもしれ

ないけど。わたしは、鏡君っで呼んでいい?」

「若様じゃなかったらなんでもいいです」

「それじゃあ、鏡君って呼ばせてもらうわね。鏡君って、いま中学生よね」

「はい」

「何年生」

「三年生です」

「それじゃあ、女の人の体に興味が湧く頃ね。それとも、もうしちゃったからいまさら女

の人の体に湧かないかしら」

 理知的な顔に淫靡な笑みが浮かんでいた。

 夢彦は軽い衝撃に見舞われた。

 淫乱といった言葉とは無縁のはずのトップエリートが、唇を艶っぽく輝かせて性的な、

俗なことを聞いてきたのだ。

「いろいろ鏡君の話を聞いたの。鏡君っておっきい胸が好きなんだってね」

「え、うん」

「わたしも結構あるほうなの。白衣を着ているからちょっとわからないかもしれないけど、

見たい?」

 律子は微笑んだ。

 理知的な瞳の奥に、秘められた欲望の光がきらめいた。

 その妖しい光に吸い込まれるように、夢彦はうなずいた。

 律子は白衣を脱いだ。

 その下は鮮やかなオレンジ色のTシャツだった。

 胸が豊かに迫り出していた。

 でかい。

 九十センチは優にある。

 Fカップは確実にありそうだ。

 だが、そんなものですむだろうか?

「おっきいでしょう」

「うん……」

「さわってみたいって思わない」

「え?」

 眼鏡の奥底が妖しく輝いた。

「いいのよ。どうせ教授とかは向こうの部屋で勝手なことをしゃべっているんだから」

 律子の手が夢彦の腕をつかんだ。

「ほら、遠慮しなくていいのよ」

 ゆっくりとふくらみの上に触れさせた。

 夢彦は手のひらいっぱいに包んだ。

 だが、包みきれなかった。

 揉みしだいた手からふくらみは豊かにあふれだした。

 夢彦は驚愕した。

 なんてことだ。

 手におさまりきらないなんて、いったい……。

「ね、おっきいでしょう? どのくらいあると思う?」

「わからない」

「もっとさわればわかるわ」

 あふれるようなその豊かさ、手にあまりあるその大きさに戦きながら夢彦は律子のバス

トを揉みしだいた。

 でかい。

 ほんとうにでかい。

 Tシャツいっぱいに張りつめて豊かにふくらみきっている。

 なんてでかい胸なんだ。

「もっとさわりたい?」

 夢彦はこくりとうなずいた。

(以下、つづく)


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