ずっと前にこんな番組があった。
言ってしまえば、3日間でカップルを作っちゃいましょう計画。
見知らぬ男と見知らぬ女が、ある目標を目指してトレーニングを積むのだ。たとえば、空中ブランコをみごとなし遂げて100万円ゲット、とか。
めちゃくちゃな目標である。
そのめちゃくちゃな目標をクリアーするべく、初めての臨時カップルは、3日間、二人きりでプレハブで寝泊まりをする。午前中は同じ仕事場でバイトをしながら、午後からはトレーニング。
徹底的に、お互いの身体的距離を詰めてしまってカップルをにわかに醸成しようというわけだ。
自分が見ていたときは、ある元アイドルの子と、付き合いだしてもすぐふられてしまうという男の子の二人が、プロテニスプレイヤーの雉牟田に挑むというものだった。
元アイドルというだけに女の子はかわいい。変な習慣を強要するのは困ったチャンだが、それでもかわいい。二人とも共通のものを持っていたりとシンクロ率も高め。なかなかいいスタートだ。
だが、3日間で即席にテニスがうまくなるわけがない。
男のほうは上達しているのに、自分は全然体が動かない。あまりの不甲斐なさに、3日目の最終日、女の子はとうとう練習をやめて泣きだしてしまった。
さあ、女の子が泣いてるぞ。君ならどうする?
番組の男は、悲しいことにこんなことをしちゃいました。
「がんばろうよ」
そばに立って、ただそう優しく声をかけちゃったんです。
オ〜〜マイゴ〜〜〜〜ッド!
違うんだ、違うんだ。言葉だけじゃ駄目なんだ。
女の子、めちゃめちゃツライわけでしょ? 自分が情けなくて仕方ないわけでしょ? 泣くほどつらいわけでしょ? そんな精神状態の子に向かって「がんばろうよ」って言うだけで、メッセージ伝わる? 泣いちゃってるときに、言葉だけじゃ滑っちゃうよ。女の子のハートに残んないよ。
抱き締めてやって、「泣いちまいな、思い切り泣いちまいな」って言ってやりながら背中撫でてやったほうが、全然女の子のハートに残るよ。で、だんだん落ち着いてきたら、「がんばろう」って耳元でささやいてやったほうが、全然いいじゃん。言葉だけじゃ残らないかもしれないけど、その子のために抱き締めてやったその手の感触、体のぬくもりはその子の記憶に刻み込まれるでしょ?
女の子は、相手が男だから惚れるのです。
ある女の子を彼女にしようとするのなら、男はその子に対して男っぷりを見せてやらねばならんのです。つまり、この人なら自分を包んでくれるって、感じさせることね。
女の子が崩れた瞬間、弱みを見せた瞬間は、まさにそう感じさせる絶好のチャンスでした。しかし、男はそれが出来なかった。
結果はその時点で見えていました。
最後の審判で、男は交際を望みましたが、女は拒否。理由を聞かれて「異性として意識出来なかった」。
強烈なアッパーカット。
言葉だけで慰めてしまった結果、男っぷりを見せられなかったんです。つまり、異性として意識させることに失敗しちゃったんです。
彼女が出来ない人の第一段階は、
異性に対して物理的距離があることです。
第二段階は、いい人で終わってしまうことです。つまり、異性として意識させられない。友達以上恋人未満で終わってしまう。男として見てもらえないんです。
そうならないためにはどうするか。
ボディタッチを使うことです。言葉だけで慰めるのではなく、体に触れる。抱き締めることです。「かわいそうにな」と言葉で言うのではなく、頭を抱き寄せてやる。
あなたが心配している気持ち、思いやりを、声帯を使って表現するのではなく、あなたの腕と体で示すのです。
女を口説く奴は、
ボディタッチを効果的に使っています。