◆インターネットの陥穽 99.10.5



 
『iレディ』という小説がある。

 別に日生レディとは全然関係ない。ネットおかまを題材とした痛快なホラー小説である。

 作家は吉村達也さん。

 インターネットをされているのかはわからないが、すわ、慧眼! と思える断章があった。

 以下、抜粋。

 テレビや雑誌と違ってインターネットは、パソコンさえあれば、一般人が自分の意見を公の場にたやすく出せる。つまり、意見そのものの質を問われることなく、大きな流れを作ってしまうことがあるというわけです。意見を述べるトレーニングをじゅうぶんに積んでいない者が論理的な構築が未熟なまま、にわか評論家になって終結し、一大パワーを発揮する。そこに落とし穴があるというんです。

 落とし穴どころか、インターネットで最も危険な部分と言ったほうがいいかもしれない。

 「意見そのものの質を問われることなく」。

 確かにその通りだ。意見自体がめちゃめちゃだろうと、論としてまともでなかろうと、流通したもん勝ち。それがインターネットの一番いや〜なところなのだ。

 せめて何か言うときには、自分の言葉が他人に与える影響を考えたいものだ。

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