攻撃性
【読み】 こうげきせい
動物に備わっている本能的な機能の一つ。
(1)他の個体が接近して来たとき。
(2)他の個体によって生命の危険にさられたとき。
この2つの条件において発動する。ううむ、(2)なんて、SPTレイズナーのVMAXみたいだなあ。
さて、縄張り意識で話をしよう。
縄張りに見知らぬ野郎が近づいてきたとき、攻撃性は「威嚇」という形で出てくる。
重要なのは「威嚇」ってことね。
つまり、攻撃するふりをするだけで、実際相手を叩き殺さないのよ。抑制が利いてないと、みんな殺して気がつけば自分一人しかいなかったってことになっちゃうじゃん? そうすると、種の保存ができなくなる。だから、同族に対しては攻撃性の抑制ってのがちゃんと働くようになってる。
ところが。
人間は、この抑制システムが壊れている。だから、しょっちゅう人を殺してんだよな。これほど種の存続を考えずにひたすら攻撃しまくる動物っていないんじゃないか? 思い当たるのは、ハトぐらいか。あいつら、仲間でも殺しちまうんだよな。
弱いやつほど、攻撃性の抑制が利いてないってか。
武道と似てんな。
空手の黒帯の人とか、別に暴力的じゃないっつうもんな。殺し方知ってるから、逆に暴力を行使しない。知らないやつがかえって金属バットやら鉄パイプやらで人を襲って殺しちまったりする。まるでハトではないか。
人間って、動物の種族としては、とことん弱いんだなあ。弱いから武装してんだろうな。だからって日本が自衛隊を解体していいってことにはならんが。サバンナで自分のみを守る努力しないやついないでしょ。しないとしたら、ただのアホ。人呼んでそれを日本と言う。
攻撃性は、基本的に消えてなくなりはしない。性欲と同じ。
何かで発散させてやらなきゃいけない。
そのひとつがセックス。
そのひとつがスポーツ。
そして、そのひとつが格闘ゲームだったりする。日本の子って、すげえおとなしいのよ。基本的に。
でも、めちゃめちゃ格闘ゲームってある。結構やってたりする。これって、欧米にはない現象じゃないかしらん。
おとなしいってことは、普段攻撃性を発散させる機会が少ないってことだからさ、一番手に入れやすい経路、たとえばゲームとか行っちゃうんだろうな。
だからさ、よく新聞でナイフ事件を起こした子が「おとなしい」子だったって言うじゃん。で、世間は驚くんだけど、ば〜かって感じ。当たり前じゃん。おとなしいから、つまり、攻撃性を発散できていない子だから、抑制が利かなくて暴挙に出ちゃうんだよ。
日頃から攻撃性発散させてるやつが、ナイフ事件引き起こすかい。
もっと突っ込んで知りたい人は、コンラート・ローレンツ『攻撃』(みすず書房)をどうぞ。ぼくは浪人時代にこの本に会って衝撃受けました。
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