119.「闇の告白」
 「人間には明日っていう獲物がいるでしょう。いない人もいるかもしれないけど、
もし明日があるならその獲物を撃ち抜かなければいけないという気持ちがあった。
で、たったひとりぼっちで明日を撃ち抜くことを考えたとき、それが人間のただひ
とつある常識かもしれないと思った。やがて最後に撃ち抜くのは自分の老いた瞬
間、もしくは限界。自分の老いや限界を感じたときに、自分を撃ち抜くことに気づ
く。人間の汚れた部分をテーマにしているようであるけれど、芋虫が蝶になっては
ばたくこと、そういう風に人間が浄化して昇華していくという祈りも込めて作った曲」
「GB」(1992/7月号) 26歳 04/07/15
 明日が来てほしいと願う人と、明日なんか来てほしくないと願う人がいると思う
んですけど(ボクなんか休みの日には確実に後者です(笑))、彼が言う「人間の
ただひとつある常識」っていうのが「明日をひとりで撃ち抜く」ってことなんですよ
ね。その明日がやってくる状況で、自分が狩猟民族なのか農耕民族なのかって
ことでその人の未来や価値観っていうのは変わってくると思うんです。明日とか
そんな限定された時間じゃ稲も育たないよってタカをくくる農耕民族よりも、明日
獲物を仕留めなければ、自分はノタレ死んでしまうっていう狩猟民族でありつづ
けたいと彼は思っていたはずだし、ボクも仕事ではそういうスタンスでやっていま
す。だからこの曲に切なさを感じるんだけど輝きも感じてしまうんだろうなあ。

OZAKI's KEYWORD トップへ