19.「ワガママ」
「2枚目のアルバムを出すまでは、自分がこの世界に入った位置の中で、何を
やるかっていうのを考えていたような気がするんです。でも今は、1個の人間と
してどういう作品を作ろうかってことしかないです。とりあえず作品を作るところ
までは、ホントに自分のいわゆるワガママっていうか、自分独自の考えだけで
「こうしたい!」って思ったこと以外は考えなくていいような気がしてるんです」
「パチ・パチ」(1985/6/9) 19歳 02/05/13
 アーティスト、それも個人ひとりきりで活動している、いわゆる「ソロ・アーティ
スト」の方々って、バンドで活動してる方々よりも大変だなあ、と思う時がありま
す。独りよがりで、自分のいいと思ったものをそのまま作品として世に出せる、
という利点がある反面、それが大衆に受け入れられれば、それが「個人」のイ
メージとして定着してしまうという危険性も持っている。彼の場合、この後その
イメージとのギャップに苦しむことになるのですが・・・。
 
48.「若者たちへ(1)」
 「若い連中が来て、何か熱狂的に熱くなって、あの頃の、僕がすごく、ものすごくセ
ンチメンタルだったその気持ちを、同じように持った目をしてくれたら・・・きっと彼ら
の中にも同じものがあって、大人になっていくっていうか、年をとっていく過程の中で
今僕の歌を聴くだけでは理解できないことが彼らにふりかかったとき、”僕はこういう
風に思った”と言ってたことを思い出してくれて・・・それによって逆に僕以上に他のも
の、色んなものがみんなに見えてくれればなあと感じてる」
「パチ・パチ」(1987/10/9) 21歳 04/05/05
 今まで同世代が中心だった彼のリスナー層は徐々に自分より年下になっていきま
す。彼は歌うことで今までは自分がある一定の枠から脱出したいって気持ちを打ち
出してきましたが、これぐらいの時期から”自分はこうだったけど、君はいったいどう
するの?”っていう姿勢へと変わってきます。そして自分は見つけられなかったもの
を若い人たちには見つけてもらいたい・・・歌う目的が微妙に変化してますよね。
 
49.「若者たちへ(2)」
 「色んなことの切り抜け方ってその人間その人間の切り抜け方があると思うけど。ま
あ特に一番ベストなのが、真似をしてみたい人間、反発してみたい人間が、自分の
近くに、目に見えるようにしているってことがいいような気がする。皆が”俺も尾崎み
たいになる!”っていう事とは多分違うと思うんだ。正反対のことでもいいんじゃない
かって気がする。”俺は尾崎にはならない!”でも」
「パチ・パチ」(1987/10/9) 21歳 04/05/06
 自分を反面教師にしてみるのもいいんじゃないかっていうのは、今までにはなかっ
た発言ですよね。だけど反発心っていうのは、時に従順なことよりも力を発揮するこ
とがあるんです。今まで自分でも思っても見なかった力が涌き出てくることがある。ど
ちらかというとボクも他人のフリ見て我がフリ直してるようなところがあるんですよね。

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