| 105.「路上に掲げた旗を見よ」 |
| 「街を歩いていて僕に気づいても、あまり反応はないんだよね。それはたぶん、 |
| みんな僕の中に自分と同じものを感じているからなんだと思う。同じものを持って |
| る、同じ悲しみを持ってる、そんなお前はいったい何なんだってことさ。それが |
| 僕の掲げた旗なんだ。『お前は何なんだ』って言ってる、目に見えないものに向 |
| かって指さしてる、そこに旗がある。その人の気持ちが旗なんだよね。象徴して |
| いるものではなく、路上の旗が僕自身であり、みんななんだ。目には見えない心 |
| の旗なんだ」 |
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| 「GB」(1991/6月号) |
25歳 |
04/07/01 |
| 彼を好きだっていう人は、たとえば街中で彼を見かけたとしても、駆け寄って話 |
| したりサインを求めたりってことをしないように思えるんです。言うなればミーハー |
| なファンは彼の歌を真剣に聴くファンの中にはいないように思えます。それは彼が |
| 歌う悲しみや苦悩、挫折に共感したからであり、またうまく世間を渡り歩いていこう |
| としてる自分に疑問を持ちながら人生を歩き続けてるからなんじゃないかな。そん |
| なファンを彼も誇りに思ってる。「路上に掲げた旗」・・・それは顔も名前も知らない |
| けれど、彼のメッセージに共感した仲間たちの心にささっている旗なんだろうな。 |
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| 102.「ROCK'N' ROLL」 |
| 「『ROCK'N'
ROLLは最大のパフォーマンスである』と僕は思ってるんだけどさ、 |
| それは以前のツアーのときは見えなかった。今はビートとか、感触とか、それを伝 |
| えるためにステージ上でパフォーマンスする。見ている彼らの心を揺さぶるんだ。 |
| それこそがROCK'N'
ROLLだよ。それに僕の一番やりたいことだと思う。リハーサ |
| ルに入ってさ、初めてギターで音を出した瞬間に、なんだかその先にこの音が届 |
| く場所があるって気がした。ひとつの音が遠くまで届いている。そんな気がした」 |
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| 「GB」(1991/6月号) |
25歳 |
04/06/28 |
| 自分の思っていることを「歌」として発信することが彼のスタート地点だったとす |
| れば、ライブパフォーマンスを通じて観衆ひとりひとりの心を揺さぶっていくことが |
| 実はアーティストとしてのゴール地点だったといえるのかもしれない。それを繰り |
| 返すことでアーティストとしての本質が磨かれてゆくのだとするならば彼の死はど |
| んなに考えたって早すぎるものだったと、このコメントを読んでそう思います・・・。 |
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| 149.「ロマンティスト」 |
| 「本当にほとんどが体験に基づいた歌なんですよ。自分も友達も、いろんな事 |
| 件とか体験をへてきましたから。不幸なケースが多いんですけどね。(そういう体 |
| 験に出会ったとき)まず、その人を慰めてあげたい、と思いますね。そしてそうい |
| う状況のなかでロマンティストになりたいという気持ちがありますね」 |
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| 「ロッキング・オン」(1986/2月号) |
20歳 |
06/06/05 |
| ホントに若いころからすごい体験ばかり繰り返してきたんだなって気がします |
| (笑)。ただたとえば”ダンスホール”っていう曲ではとてつもない不幸を経験して |
| きた少女が描かれているんだけど、もしあの曲にモデルがいるのだとしたら「余 |
| 計なお世話よ!」って本人に言われかねないかもな、とか心配してしまったりも |
| するんです(笑)。まあなにせボク自身ネガティブなので(笑)。ただたとえお節介 |
| だと思われたとしても慰めてあげたいっていう彼の気持ちはすごく優しいものに |
| 感じる。だからボクは尾崎豊という人間を愛おしく感じるんだろうな。 |
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