83.「LIVE CORE」
 「久しぶりというのは気にならないけど、それより体力でしょうね(笑)。今ね、週3
回くらい家の近くを走ってるんですよ。ま、日本のニュージャージー(NYに対する
ニュージャージーは、東京に対する埼玉)で鍛えてますから(笑)。もう、牛を追い
越し、あぜ道を走って、川に向かって叫ぶという世界ですよ。ステージに立った時
に、微妙な音のズレとか音がどうのとか(BIG EGGは広すぎて音が最後席に届くま
で3秒かかるという)といったものを越えて、情熱や汗がいちばんうしろのお客さん
にまで届くくらい激しい、そして精いっぱいのものが伝わるようなライブにしたい」
「GB」(1988/10月号) 22歳 04/06/09
 どうなんでしょう?彼のこのNY仕込みのアメリカンジョークは(笑)。でも心配や
迷惑をかけた人たちに対して、音響とか会場とか以上に素晴らしいコンサートで
おかえししたいっていう情熱が伝わってきますね。事実、この東京ドームのコン
サートは、残された映像からもわかるように彼の全身全霊が傾けられたものに
なっています。演奏的にはちょっとおとなしいものになってますが、それも彼の10
代のイメージからの脱皮と考えれば、納得できるような気もしますね。
 
104.「ライブ・パフォーマンス」
 「たとえば映画とかTVだと何台もカメラがあって、いちばんいい角度だけ狙って
いけばいいわけだよね。でもライブ・パフォーマンスはそういうわけにはいかない。
全体像をいかに起伏に富んで見せられるかが大事なんだ。顔だけ見たいから顔
だけ見せるっていうわけにいかないんだから。だから、どういう声で、どういう表現
で、どういう姿勢で、っていうようなことがすべて、自分の中でぎりぎりの、崖っぷち
レースと同じになる。常に一つ一つの瞬間に、自分の中でそういうレースを続けら
れるかどうか。それが僕にとってのパフォーマンスのような気がするね」
「GB」(1991/6月号) 25歳 04/06/30
 確かにライブ・パフォーマンスって、360℃常にいろんな角度から多くの人々に
観られてるってことなんだよなあ。「自分は右側の顔だけ自信があるから、顔の
右側だけ観てくれ」ってわけにはいかないんです!(笑)そして全体的に飽きさせ
ないステージにするための起伏っていうバランス感覚って、きっと相当難しいんだ
ろうなあ。2時間なら2時間、3時間なら3時間、常に動員数を誇るアーティストって
いう人たちは、この「起伏」ってところに一番気を遣ってるのかも。大変だなあ。
 
84.「LOVE WAY(1)」
 「LOVEは流れの中にあるんです。再始動するにあたって、特別強く掲げよう、こ
だわろうとしたんじゃなしに、逆にLOVEを具象化していくことによって、愛という言
葉を使わずに愛の姿を描きたかったということかもしれません」
「GB」(1990/12月号) 24歳 04/06/10
 この『LOVE WAY』という曲は、久しぶりの、しかも2枚組20曲入りのアルバムの
スタート曲というには難解かつすごく緊張に満ちた歌なんですけど、でも聴き終え
た後にまるで台風の去った後のような、そんな印象を受けるとにかくすごい曲なん
です。愛っていうわからないものをわかるように表現するには、やはり具体的なこ
とに置きかえるのが一番!・・・でも彼の具体的な展開はやはり難解過ぎる(笑)。
 
85.「LOVE WAY(2)」
 「やっぱり、愛って何なのかって、永遠に、人生なり人間なり、生き物なり宇宙なり
すべての価値観において永遠の謎でしょう?愛という名を借りたいろんなカタチが
ある。だから”愛って何だかわからない”っていうよりも、(ニュートンが木からリンゴ
が落ちたことで万有引力の法則を発見したように)自分の中の問題を(具体的に)
考えていったんです」
「GB」(1990/12月号) 24歳 04/06/11
 この曲の詞が、彼なりに消化してる愛の姿なのだとしたら、しあわせだと感じる
中に愛はないのだろう。もしかしたら悲しみ、苦しみの中にこそ愛があると歌って
いるのかもしれない。そして愛を追いつづけていって愛というものを知ろうとする
んじゃなくて、日常のささいなことの中にこそ愛はある。だけどその反対側には罪
もある、と歌ってるんじゃないか。う〜む、この曲について語るとどうしても頭の中
が混乱してしまいますね〜。まあその混乱も彼にとっちゃ愛のひとつなのかも。
 
94.「LOVE WAY(3)」
 「あの曲を作ってからの反応で、やっぱり難しいっていう反応があったというのは
、僕も救われた気がした。あの世界で本当にみんなが生きていて、100%納得して
泣きましたというようなことがもしリスナー全員にあったとしたら、それも異常現象発
生って気がする。だからほっとした部分もあったんだけど、逆にそのぶんだけ補足
していかなきゃいけない部分もあって。一つの真理みたいなものを知って、人生の
1から100までわかりきっちゃったら、その人は何をする必要もないわけじゃない?」
「GB」(1991/1月号) 25歳 04/06/20
 完成した楽曲をレコーディングしてCDとして発表する・・・当たり前のことなんだ
けど、そこではまだアーティストの仕事としては半分が終わったにすぎないんです
よね。その楽曲がリスナーに届いてそれをどう感じるか?そこまで行って初めて
アーティストが楽曲をリリースするっていう作業は終わるのかもしれない。彼は全
体的に混沌とした、ある意味賛否両論がはっきりわかれるであろうこの曲につい
てこう語っています。あの曲が100%理解されたら逆にコワイ・・・確かに!(笑)あ
の曲を聴いて「こういう生き方もあるんだな」って感じで聴いてもらうのがいちばん
いいんじゃないかっていうのが、彼の思いだったのかもしれませんね。
 
6.「ラブ・ソング」
「そういうラブ・ソングをきいてても、フラれた自分がよけいにダメになるだけなんで
す。もうそんな歌はうんざりだと思った。こんなラブソングじゃいけないって、疑問
を感じたんです」
「パチ・パチ」(1984/6/30) 18歳 02/04/30
 彼は中2の頃からラブソングばかりを書いていたそうですが、高校に上がって
すぐに、恋した女の子との別れがあり、その時”悲しいから泣きました”のたぐい
のラブソングがいかにウソっぽいものかを、実体験から感じ取ったそうです。失
恋のことならオイラに聞きなさ〜い!(笑)彼の楽曲にはたとえ失恋の歌であった
にしても、何かそれ以上に深いものを感じますね。ボクなんかは悲しい歌聴いて
「ああ、ボク以上に悲しい失恋した人もいるんだなあ」って慰めてましたけど(笑)。

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