112.「大人」 |
「僕も社会的な拘束やルールやしがらみを大人になればなるほど積み重ねて |
覚えてくるでしょ?少年、少女時代っていうのは漠然とした大人というものに憧れ |
たりっていうこと。それらすべての真実を経て、最終的に残っていくのは純粋であ |
ろうとする心だと思う。けれどやがてそれらは歪曲されていく・・・そのときに気づ |
いた自分の悲しみがある。けれどそれによってもっと自分を励まさなくてはいけな |
いと思う希望も生まれる。今、そのことを強く感じている」 |
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「GB」(1992/5月号) |
26歳 |
04/07/08 |
一見、彼は少年少女時代っていうのはある意味「井の中の蛙」で、何にも縛ら |
れていないように思える大人に憧れる・・・と、「若いからわからないんだ」的な発 |
言をしていますが、それはそう思うことを決して否定しているんではなくて、そう思 |
う純粋さを社会に出てねじ曲げられた時に、その社会に負けないように自分を |
励まさなきゃいけないよって言ってるんだと思います。じゃなければ、この直前の |
『BIRTH』ツアーで、あれほど10代の頃の曲を数多く歌ってはいないと思います。 |
20代も半ばにさしかかった彼のこの発言は、ホント興味深いものですね〜。 |
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87.「折り合い(1)」 |
「大人になっていけばいくほど、人間との不調和みたいなモノと折り合いをつけて |
いくことを覚えていくでしょ?10代の頃の僕はそういった折り合いなど考えなかった |
もの。考えなかったし、もっともっと人間のことを信用しようとしてたみたい。(折り合 |
いをつけるってことは)自分を殺して丸く収めたり、ある種ウソも方便じゃないけど、 |
そういうふうに生きていくことでしょ?(そういう年をとることによって身につきがちな「 |
ウソも方便」的なものを)問題として抱えそしてもっと前向きに解決しようと思ってる」 |
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「GB」(1990/12月号) |
24歳 |
04/06/13 |
ここでも「必要悪」の話をしてる。ある部分から見ると大人になりきれていない |
んじゃないかという意見があるかもしれない。だけど「ウソも方便」っていうこと |
自体を問題としてとらえられなくなる方が問題なんじゃないかっていう彼の意見 |
にはかなり賛成なんですけどね。かくいうボクもその「ウソも方便」的な世の中で |
生きてるわけなんだけど、みんなが「それが当たり前」と思ってしまうことに彼は |
危惧していたんでしょうね。できることならすべての人を信じていたいもんなあ。 |
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88.「折り合い(2)」 |
「たまたま僕は表現する立場にいて、僕が考えたことが歌になって、そのレコー |
ドを何万人もの人が買ってくれるから、わりと”(折り合いをつけるという)問題”は |
僕一人にふりかかるシビアな問題に受け取られてしまいがちだけど、僕から見る |
と”問題”は結局多くの人にもあるんじゃないかと思う。僕をバカにすることもでき |
るし否定することもできるけど、きっとその人が抱えきれないほどの悩みは消えや |
しないだろうって、いつも思ってる」 |
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「GB」(1990/12月号) |
24歳 |
04/06/14 |
自分の歌ったことをどこかで一線引いて「わかるなあ。でも自分のことじゃない |
んだから」と聴かれることがすごく苦しかったんじゃないかなあ。ましてや彼の歌う |
内容を「ダサイ」とか「クサイ」とか「カタイ」なんて評価をする人がいて、それはそ |
れでいいんだけど、だからその人が彼とは別の方法でそういう問題の解決に取り |
組んでるかといえば・・・どちらかっていえば回避してる人が多いんじゃないかな。 |
ある意味彼が歌うことは、ある人たちにとっては厄介なことだと思われるかもしれ |
ない。でも何もしないで逃げてるよりも、それを問題にして、できるかわかんない |
けど解決しようとしてる彼をきっと好きなんだな、ボクは。たとえ不器用でも。 |
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124.「オリジナル作品」 |
「うーん、なんていうか、僕の言いたいこととか歌いたいことって、ある部分みん |
なに敬遠されるとこがあって、かえってこんなところで俺がそうしたことを歌うこと |
によって、勘違いされるんじゃないか、伝わらないんじゃないかという気持ちがあ |
ったんです。またバンドのメンバーにそうしたことを伝えていく作業も難しかった |
し。一度だけオリジナルをやろうとみんなに聴かせたら、暗いとか、フォークとロ |
ックがごっちゃだね、とかわけわかんないこと言われて(笑)」 |
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「ロッキング・オン」(1984/8月号) |
18歳 |
06/05/11 |
彼はデビュー前に組んでいたバンドで、自分のオリジナル曲をほとんど演奏し |
なかったことについて、こう答えています。確かに彼の作る音楽って彼独特の感 |
性によるところが大きかっただろうし、ごく個人的な感情を綴ったものも多いか |
ら、それをメンバーに理解させるってのは難しかったでしょうね。年齢も年齢だし |
ねえ(笑)。バンドという団体形式で発表するには、彼の詞はあまりにも生真面 |
目すぎたものだったのかも。ワイワイ歌うようなものじゃないものね(笑)。 |
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