『母親の死』のところでも触れたんですけど、やはり彼にとって母親の存在とい |
うのはすごく大きなものだったんですよね。これは人間にとってすごく悲しくて切な |
いことなんだけれど、その人の存在の大きさというのは、その人がいなくなってか |
らでなければ本当にはわからないということ。そしてその人がいなくなってからが |
人間としての本当の勝負なのかもしれない。だから親がいない人っていうのは、 |
それだけでボクにとってはすごく強い人なんだって思えるんですよ。それがいいか |
悪いかではなくて、そういう支えなく生きてきた人っていうのは、ボクにとってすご |
いって思えるんです。ボクもいつかはそんな立場に立たされるわけですが、その |
時、彼のように「人間って結局ひとりなんだ」とはっきり思えるのだろうか・・・? |