| 3.「教育方針」 |
| 「そのとき、そのときがおもしろければいいってシラケて生きてる人もいるけど、 |
| それじゃ悲しすぎると思うんです。知り合いがいい大学に行ったのに”就職した |
| ら、オレはしがないサラリーマンさ お前はいいよな、好きなことやって”って言 |
| うんです。そういう淋しいこという前に、どうしてチャレンジしなかったんだろう。そ |
| れは結局、中学、高校の教育方針がマズいんじゃないかな」 |
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| 「パチ・パチ」(1984/6/30) |
18歳 |
02/04/27 |
| 人生を生きていくにおいて、チャレンジするってのはすごく大切なことだと思う。 |
| でもこのボクもチャレンジしてきたとは胸を張っては言えないと思うな。高校生 |
| の時まで大人は絶対的な存在で、大人の言うことを聞いてれば、何とかなって |
| きたもんね。でもそれじゃ何も生まれないんだよね。この時代、何かにチャレン |
| ジするにはリスクは当然伴うけれども、それでもチャレンジしていかなければ何 |
| も生むことはできないんだよなあ(・・・と心ではわかってるんだけれども)。 |
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| 20.「共感」 |
| 「ボクは今は学生じゃないでしょ?で、働いている人を例にあげれば、働いて |
| いることがツライっていう漠然としたものはみんないっしょだと思うのね。でもその |
| 中でどれくらい同じものを共感していけるかっていうことは大切だと思うんです。 |
| それができないから疎外感を感じるんだと思うし。それが今のボクの課題・・・」 |
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| 「パチ・パチ」(1985/6/9) |
19歳 |
02/05/14 |
| 歌手、しかもシンガーソングライターが、「労働」についてリスナーに共感でき |
| るような歌を書くのは、とても難しい事だと思います。結局アーティストってどこか |
| 「汗水たらして働く」ってことをしてないんじゃないか?っていう疑問を持たれ、そ |
| れが「ウソっぽい歌」を作ってしまうおそれがあるから。彼もそこには危惧してい |
| たようです。最初の頃は自分の気持ちを素直に歌にすることで、作品として成立 |
| してきた。でも社会に出た今、同じ社会に働く人々の共感を得るにはどうしたら |
| いいのか・・・そんなことを考えてる彼がすごく身近に感じて、好きだなあ。 |
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| 67.「曲ができる時(1)」 |
| 「ある状態に追いこむってことも必要かもしれないですね。それは自虐的になる |
| ってことじゃなくて、自分の心を敏感な状態に戻すっていうか・・・。学生時代、本 |
| 当に誰にもわかってもらえないという時がすごく多くて、自分自身のなかでいろん |
| なものを見つけてゆくということを僕はずいぶんやってきたから。そうせざるを得な |
| かったというか」 |
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| 「GB」(1985/4月号) |
19歳 |
04/05/24 |
| デビューした後、彼の歌はさまざまな人の共感を呼ぶんですが、皮肉なことに |
| それが彼が楽曲を作る障害になってしまっているんじゃないかって思えるコメント |
| ですね。自分が思いを歌にするっていうのは、言いかえれば自分にしかわからな |
| い思いなんだと思います。それを大衆に伝えるためにはかなりの詞の修正をしな |
| ければならない。その過程で自分の言いたかったことが埋れてゆく・・・不器用な |
| 人です(笑)。でもその不器用さからあんなに素晴らしい歌が生まれたのだから、 |
| 難しい話ですよね。彼がもがけばもがくほどいい歌が生まれる・・・う〜ん複雑。 |
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| 68.「曲ができる時(2)」 |
| 「(自問自答して曲を作る)状況のなかに身を置くということが少なくなってきてい |
| るので、いいのか悪いのか・・・。人とうまくやってゆくとか、そういうことができるよう |
| になっているなかでやっぱり思うのは、自分が他人に”こう思う”って言ったときに |
| そうだね、という答えが返ってくると、普通はそこで終わっちゃうけれど、自分の中 |
| で何度も何度も疑問を投げかけていたいって。誰もなんとも言わないけれど、や |
| はり何か違うんじゃないかって、そう思っていたいです」 |
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| 「GB」(1985/4月号) |
19歳 |
04/05/25 |
| 彼のようなシンガーソングライターは、疑問を持たないようになったらそこです |
| ごく困難な状況になってしまうんですよね。つまり疑問に持つことに対してどうや |
| って改善していくのかってことをエネルギーに変えて歌を作るわけだから。”しあ |
| わせになりたい”・・・でも実際にしあわせになってしまったら、そこで作る歌がなく |
| なってしまう。う〜む、まさに身を削って曲を作る、因果な商売なんですよね。 |
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| 136.「虚像」 |
| 「尾崎豊が嘘っぽく見えるという部分は、作品と現実との差みたいなものに気づ |
| いたときにそう感じるんでしょうね。日常というのはもっと混沌としていて、たとえば |
| ひとつの『愛してる』って文句を言うためにも、自分の抱えてる問題だとか、彼女の |
| 抱えてる問題とか、親のこととか、周りの人たちのこととか、様々な事柄が押しかか |
| ってきて、素直に愛してるって言うのにはてらいがありますよね。なのに、僕はなん |
| のてらいもないかのように、愛してるって言おうとしてるわけですから」 |
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| 「ロッキング・オン」(1985/5月号) |
19歳 |
06/05/23 |
| 確かに彼の作品に出てくる日常と、現実に自分たちが目にしている日常には大 |
| きな隔たりがあるわけです。そんなことは当たり前というか、しょうがないことなん |
| ですけど。聴く人が100人いれば、100通りの状況の違いがあるわけで、当然彼ひ |
| とりが作った歌が100%聴く人間に当てはまるはずもない。そして尾崎豊自身も、 |
| 彼の歌に出てくるほどそんなに生真面目なはずがあるわけがないし・・・歌やライ |
| ブだけで自分という個性を固定されかねないってことを考えると・・・アーティストっ |
| てやっぱり大変な職業なのね。ただ、そんな流されやすい状況の中でも、そういう |
| 風に自分の伝えようとしてるメッセージを分析してる彼はやっぱりすごいと思うな。 |
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