44.「必要なもの」
 「たいてい殺される立場のほうを考えるけどさ、やっぱり立ち向かわなきゃ、なんてね。
でも事件って、一瞬の間に、何の答えも出ない間に起こるじゃない?解決しようもない。
なのに、一生懸命考えるの。そしてそれに押しつぶされちゃう人間っていると思う。そ
れはやっぱり、一般常識ってことを、誰もが理解していくことというのを、理解せずに立
ち向かっていこうとするからじゃないかな。確かに必要なものって、一般常識よりも物事
の真実だけど、まず足元から固めていかなきゃいけないってことに気づかなきゃならな
い。ボクなんかが演っていることっていうのは、すべての人が理解してくれることじゃな
い。それで理解させるには、やはり相手を知らなきゃいけないだろうってこと」
「パチ・パチ」(1986/1/9) 20歳 04/05/01
 またまたすごく極端なたとえ話ですよね〜(笑)。でもそうですよね、たとえばフライパ
ンで調理していていきなり炎が上がったら、いくら日頃から「コンロのスイッチを切る」っ
てわかってはいても、いざその場になったらどうしていいかわからなくなっちゃう。でも
「まずはコンロのスイッチを切る」っていう”一般常識”を理解していなければ、その人
はもう炎に包まれるのを待つしかない(←こっちも負けず劣らず極端な例だね(笑))。
何かに立ち向かうには、まずはその”何か”について理解するっていうことが大事だと
彼は言おうとしていたんじゃないかなあ。磁石も持たずに山は登れないと同じように。
 
53.「人それぞれの音楽」
 「例えば、どんな音楽にしても聴き方を変えると、人それぞれのシチュエーションの
中で聴くとそれが深い意味を持ってしまうことってあるから、そういった意味では僕の
アルバムをトータルして聴いてみてその中心になるものがある枝葉を持っていて・・・」
「パチ・パチ」(1987/10/9) 21歳 04/05/10
 彼が「これはこうだ」っていう内容の歌詞を書いたとしても、受け取る側が100人い
たら、その受け取り方も100通りってことなんですよね。たとえば軽いポップな曲でも
ある人には重い意味を持ってしまう場合もあるだろうし、逆に悲しいバラード曲があ
る人には幸せな気分に感じたり・・・聴く側の置かれている状況によって、自分の音
楽には無限に広がる可能性があるってことを、彼は言いたかったんじゃないかなあ。
 
18.「評価」
 「やっぱり作品として評価されたり、歌としていいっていわれたりするのは、絵の見方
と似ているんじゃないかなあ。例えば、モナリザの絵を見て、あの時代とか、この女性
のことって今生きてる人は誰も知らないわけでしょ?なのに、これだけ多くの人に評価
され続け、感銘を与えてる。それと同じでね。ボクも、3歳から86歳の人が聴いてもわか
るような、涙するような、感動するような曲を作りたいとは思っているんだけど、そうい
う曲を永遠に作っていきたいって・・・」
「パチ・パチ」(1985/6/9) 19歳 02/05/12
 「歌に国境はない」って言葉を聞くんだけど、まさにその通りだと思います。歌詞の
意味がわからなくても、メロディーっていうのは万国共通っていうか、世界中で愛さ
れてる「ビートルズ」はその最たるものだと思います。彼の一アーティストとしての夢
は、老若男女すべての人を感動させるような音楽を作ることだったのかなあ。例え
ば『I LOVE YOU』は日本のミュージックシーンに残る名曲だと思うんだけど、彼は最
後まで納得してなかったようです。名曲ってのはそんな向上心によって、生み出され
るんだなあ・・・って思いましたね。

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