37.「愛すること」
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「ボクは、自分の命っていうものと引きかえに人を愛すということを覚えたというのを |
言いたかったんだけど、それがすごく偉そうに見えるっていう人がいる。ボクもわか |
るんだ。ボクも昔言ったことがある。何の脈絡もなく、そういうことをアーティストが言 |
えば、やっぱり”なんだこいつ”って思うかもしれない」 |
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「パチ・パチ」(1986/1/9) |
20歳 |
02/06/01 |
彼の「命をはる」という発言は、確かに「彼」というアーティストを知らなければ、「 |
何言ってんだ?こいつ」と思われても仕方がないことなのかもしれない。でも、彼 |
は以前から「大衆音楽を作るつもりはない」と公言してるし、彼の楽曲を聴けば、 |
(相手が男女を問わず)人を愛するということを知らなかった少年が、「人を愛する |
」という喜びを知ったその思いからの発言であることはわかると思うんだけどね。 |
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99.「愛すること=孤独」
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「人間を愛し続けていくと、結局、孤独にならない?人間って。一人っきりにしか |
なれない。一人きりの寂しさに疲れ、やがて恋に落ちて、事実の中で帰っていった |
自分がいるってことを明らかに表現したかった。人間ってやっぱり愛していくと、本 |
当に僕は一人になるような気がする。抱きしめてぬくもりを感じたときに、それが自 |
分のぬくもりじゃなくて相手のぬくもりであるってことを感じて、やっぱり別の個体な |
んだっていうことを認識するものね」 |
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「GB」(1991/1月号) |
25歳 |
04/06/25 |
う〜む、だんだん彼の発言が深くなるというか、本当に芯の芯に向かってる感じ |
がしますねえ。愛すること=孤独・・・もしかしたらそうかもしれない。誰かを愛する |
っていう行為は、自分の中の足りない部分を、その誰かの心の温もりで埋めてゆ |
くってことのようにも思えます。自分ひとりですべてが満たされているとしたら、誰か |
の心を包みたいとか、誰かに優しくしたいなんて考えないですもんね。まあこれは |
極端な話になってしまうんですけどね(笑)。それにしてもやっぱり深いなあ・・・。 |
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128.「愛するということ」 |
「たとえば5人の女性とつきあっていたときも、愛しているという言葉だけでは信用し |
てもらえなかったですからね、どの女性も(笑)。愛という形にしてもたくさんあるし、す |
ごく不確かで抽象なものだから。巷ではその不確かなものをしっかりと確立されたも |
のとして扱っているけど、僕のなかでは、あるいはつきあっていたそれぞれの女性と |
の間ではそうではなかった。だからどうして愛なんだろうって思うわけです。安らぎこ |
そがそうだとも思うし、また男と女やることはひとつみたいなところもあったし(笑)」 |
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「ロッキング・オン」(1984/8月号)) |
18歳 |
06/05/15 |
ある24時間チャリティ番組で「愛は地球を救う」という主題を掲げてるけどあの”愛 |
”っていうものも曖昧なところがありますよね。確かに”愛=誰もが持つべき正しいも |
の”って風潮があるけど、じゃ具体的に愛って何だ?って聞かれたら、やっぱり曖昧 |
な答えしかできないだろうな。確かに何でこの世で”愛”が一番大事だとされるんだ |
ろう?何でもかんでもひっくるめて、それを”愛”だとするならば都合がよすぎる気も |
するし。でも”安らぎ”ってのは確かに愛に近いものかもしれないね。心を許すことが |
できるっていうのも愛のひとつのように思えるし。そう考えると”愛すること”をこれだ |
!って限定するのって難しい。ただ最後の一文は・・・若いね、やっぱり(笑)。 |
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126.「アウトサイダー」 |
「授業中に授業があまりにもつまらなかったんで、さっと手を挙げて『先生はどうい |
うポリシーで授業をやっているんだ、いったい僕に何を伝えたいんだ』と言ったら、 |
みんなシラーッとしちゃって、浮くだけ浮いちゃって(笑)。まずい、こりゃ生徒に訴え |
なくちゃと思って『お前ら、この授業がおもしろいのか』と言ったら余計シラーッとして |
そういうのの積み重ねで浮いてきましたね」 |
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「ロッキング・オン」(1984/8月号) |
18歳 |
06/05/13 |
ボクがもしその場に生徒としていたら・・・彼を「要領の悪いヤツだなあ」って思って |
しまう側かもしれないな、正直なところ。ただやっぱり「この先生ホント教科書なぞっ |
てるだけで、何のポリシーも持ってねえなあ」って先生はいました。そんなつまらな |
い授業も、でも今にして思えばもしかしたら「忍耐」っていう訓練だったようにも思え |
るんです。社会に出りゃ自分がこらえなきゃいけない状況なんて山ほどあるし。その |
我慢がいいものか悪いものかは別にしてもね(笑)。 |
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10.「アクシデント」
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「ボクね、夏になると必ずアクシデントがあるんですよ。考えてみれば、年々、その |
状況がひどくなってきていることに気づいて、まわりのみんなに”あ、お前そのうち死 |
ぬな”なんていわれてますよ(笑)」 |
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「パチ・パチ」(1984/9/5) |
18歳 |
02/05/04 |
彼はよく停学になっている(笑)。しかも必ず夏に停学になって(夏休みにいろんな |
ことしてたんだろうな(笑))秋から冬にかけて謹慎するというパターンだったらしい。 |
彼はこの時、まさか自分が近いうちに”死ぬ”とは思いもしなかったろうし、しかも彼 |
の命日は、悲しくも何かが必ず起こるであろう夏の手前である4月25日だった・・・。 |
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50.「与えたいもの」
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「自分の守りたいものがそこにあって、それが僕を強くしたり勇気づけるものならば |
それを守りながら、僕もまたそれを与えてあげたいっていう気持ちが原点になってい |
る。ものすごくこっち側からそういう風にしたいんだ・・・って思いつつも、逆にそれが” |
いやそこまですることは逆に、かえって良くないな”って思うこともね。あったりとかさ」 |
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「パチ・パチ」(1987/10/9) |
21歳 |
04/05/07 |
”ここまではいいけど、ここから先は・・・”彼は人生を重ねていくうちにすべてをす |
べて自分から発信することに疑問を感じるようになります。たとえば職人さんが若 |
者を育てる時「教わるんじゃなくて目で盗め」って言いますよね。おそらく自分の発 |
信することがすべてなんじゃなくて、そこから少しでもいいから何かをつかんでほし |
いっていう思いがあるんじゃないかなって思いました。 |
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108.「あの頃と今」
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「人生とか芸術とか文化とか生命とか、そんな大きなコンセプトを持った言葉が空 |
々しく聞こえる。平和や理想、ましてや愛というと、言葉の持つ意味性が古びてカ |
ビの生えてしまった骨董品っていう感じがする。たとえば子どもの頃に住んでいた |
団地の光景を思い浮かべてみても、それと同じ風景を見つけることが難しくなって |
いるみたいに、10代の頃に感じたニュアンスを同じ言葉で綴るのは、少し難しいよ |
うに思える」 |
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「GB」(1992/4月号) |
25歳 |
04/07/04 |
この時点での彼のこの発言は、すごくすさんでいるように思えます。でも彼がそ |
う感じるのはあながちウソでもないんですよね。人はこれらの言葉を口にすどこ |
ろか、まるで昔の青春ドラマを見るかのようにこれらの言葉に恥ずかしさを覚え |
てしまう。もちろんボクもその中に含まれているんですけどね。これは世の中が |
素直ではなくなったことを指し示す証拠なのかもしれない。単純明快・・・そんな |
世の中だった頃、人々はまだ生き生きと暮らしていた。でも今は・・・この時の彼 |
の想いにはそんな迷いが生じていたのかもしれないな。 |
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2.「あやつり人形」
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「あやつり人形じゃ、ボクには学校にいる意味も卒業する意味もないと思ったん |
です。いい高校、いい大学を出てエリートになるよりも、この社会でどれだけ自分 |
で強く生きていくかってことの方が大切だと思ったんです。ところが学校は、ただ |
のエリート製造機。臭いものにフタをすれば、はみだし者は停学とかの処分をす |
れば、それでいいと思ってる。そういう教育の仕方っておかしい。」 |
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「パチ・パチ」(1984/6/30) |
18歳 |
02/04/26 |
彼は青山学院高等部というエスカレーター式で大学へ行ける高校へ通っていた |
が、停学が解けて復学したとたんに先生と衝突。毎日「反省日記」を書けという女 |
性教師。「これじゃ僕はあなたのあやつり人形じゃないですか」の問いに、その教 |
師は「そうだ」と答えた。これが彼に退学を決意させた最大のきっかけだったとい |
う。大人の言うことをよく聞く子供を育てることは、大人にとっては好都合。しかし |
それが、現代の不況を招く原因となったのではないだろうか。応用力のない勉強 |
しか出来ない子供たち。この子供たちがこの国を背負って立つ頃、いったいこの |
国はどうなっているのだろう?(←当然ボクもその一員なんですけど(苦笑)) |
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