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「四谷快談」

03/04/27
週刊少年ジャンプ(昭和51年4月12日号)
 八百屋の二階に下宿していたマンガ家・手塚は「平公」という隻眼の少年から、有名なお化け「お岩さん」とは友達
だという話を聞く。しかし実はその「お岩さん」という女性のお化けは、以前平公が助けたヘビの化身だった。お岩さ
んは、戦争によって母親を目の前で亡くし、さらに戦災のために隻眼になってしまった彼の身の回りの世話をし絆を
深めてゆく。片目というハンデからいじめられないために平公はパチンコ玉を投げる練習し、パチンコ玉投げの名
人になるのだった。ところが戦時中のケガの後遺症のために、平公の残ったもう片方の目が見えなくなるとわかっ
たとき、お岩さんは・・・。有名な「四谷怪談」をモチーフにした痛快でお色気もあって最後にはシンミリするお話。で
も彼が立派な大人になってなんかすごく救われた気がしたなあ。
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「夜の声」

03/05/18
プレイコミック(昭和43年10月25日号)
 若さにものをいわせて自分の会社を超一流にしてしまった青年社長・我堀英一には誰にも知られていない趣味が
あった。それは変装をして日曜日の早朝から、一日中橋のたもとで乞食をやることだった。何もかもを犠牲にして
仕事に尽くしてきた英一にとって、それは人間をじっくり観察すると同時に、何よりの人生勉強となった。しかしある
夜、何者かに追われている女性を助けたことから、その女性と英一扮する乞食のおじさんは、奇妙な同居生活を送
るようになる。英一、つまり乞食のおじさんは彼女をしだいに愛するようになり、彼女を自分の会社に入れて結婚を
申し込むのだが・・・。英一は乞食のおじさんにばかり好意を寄せる彼女にヤキモキする。ホントの自分は社長であ
る英一なのに・・・。ウソと誤解が交錯する人間模様が展開され、ラストの悲劇を迎えることに・・・。
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「夜よさよなら アディオス・ノーチェス

03/07/04
週刊少年マガジン(昭和60年7月31日号)
 メキシコに住む日本人の父とインディオの母を持つ少年・岡崎タブロはある崖から馬ごと転落してしまった。馬は
即死してしまったが、タブロは奇跡的に一命をとりとめていた。そして彼はそこであるサボテンと出会う。そのサボテ
ンはなんとタブロの心に話しかけてきて、そのサボテンが彼の唯一の希望となった。昼間は灼熱の太陽に照りつけ
られ、しかも毒蛇やさまざまな危険な目に遭いながらも、身動きのとれないタブロは「ノーチェス」と名づけたサボテ
ンのおかげで生き延びた。そして奇跡的に発見されたタブロは、仕事で日本へ帰ることになった父親と共に、まだ
見たことのない祖国へと帰ることになるのだが・・・。ちょっと変わってる人を見ると寄ってたかって変人扱いする日
本人のもっとも醜い一面が垣間見えます。少年とサボテンとの友情の物語以上にそれが恥かしく思えますね。

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