| 一流のタイコ打ちの孫・三兵は、タイコの材料になったヒノキの精のためにも三兵を一流のタイコ打ちにしたい |
| 祖父の思いをよそに、お国のために兵隊になりたいと思っていた。ところがの夢に出てきたヒノキの精にすすめら |
| れ、タイコをたたくことになった三兵は、徐々にうまくなっていき、またタイコをたたくことに自分の生きがいを見い出 |
| してゆく。しかしそんな矢先、出征を知らせる赤紙が送られてきた三兵は泣く泣くヒノキタイコに別れを告げ、戦場 |
| へと送り出されてゆくのだが、この時二度とタイコがたたけなくなるということに三兵は気づくはずもなく・・・。すべて |
| の夢を打ち砕いた戦争。しかし伝える魂までは砕けなかったというのがこの短編の見どころじゃないかなって思い |
| ます。ラストの、海を越えて異国の地で鳴り響く太鼓の音色が、いつまでも余韻を残します。 |