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「鈴が鳴った」

03/06/27
「ザ・クレーター」シリーズ 少年チャンピオン(昭和44年11月19日号)
 人間は誰もが何か心にとがめるものを持っている。このお話では「鈴」に対してとがを持つ3人が登場する。ある
レーサーの青年は若い頃暴走行為を繰り返し、誤って少女を轢いてしまった。その少女の服についていた鈴の音
が忘れられない。ある初老の男は第二次大戦時に東南アジアの戦場となったある村で、若い女とその幼子を誤っ
て殺した。その時に鳴った鈴の音が忘れられない。ある女は病気の夫を抱えていたため、台風が来て洪水警報が
鳴る中でも家を離れることができなかった。そのために逃げ遅れた夫は死に、その手には風鈴の鈴がつかまれて
いたのだった。その3人が同じ温泉場で、あるはずもない鈴の音を聞いたことから・・・。この話のオチにはちょっと
首をヒネってしまうが、人には忘れたくても忘れられないことは誰にでもあるってことを言いたかったのかなあ?
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「すっぽん物語」

03/05/08
漫画讀本(昭和45年2月号)
 主人公は二人の子を持つごく平凡なサラリーマン。ある休日に家で留守番をしていると、なんと鼻をすっぽんに
かまれたままの男が転がり込んできた。よく事情の飲み込めないうちにその男に頭をゴッツンされ、すっぽんは
主人公の鼻へと移り変わった。「こんな変な鼻じゃ近所にも笑われてしまうわ!」と帰ってきた奥さんからなじられ
病院に行っても鼻を切るしかないといわれ、どんな方法をとってもすっぽんは離れない。仕方がないので顔を包
帯でぐるぐる巻きにして出勤。その姿を上司に見られ、さんざん怒られた挙句、上司と頭をゴッツンしてすっぽん
は今度は上司の鼻に。その上司はそのまた上の上司とゴッツン!そしてついにすっぽんは一国の総理大臣の
鼻に(笑)。国民の声もこうやって伝わっていけばいいのにね(笑)。

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