人間は誰もが何か心にとがめるものを持っている。このお話では「鈴」に対してとがを持つ3人が登場する。ある |
レーサーの青年は若い頃暴走行為を繰り返し、誤って少女を轢いてしまった。その少女の服についていた鈴の音 |
が忘れられない。ある初老の男は第二次大戦時に東南アジアの戦場となったある村で、若い女とその幼子を誤っ |
て殺した。その時に鳴った鈴の音が忘れられない。ある女は病気の夫を抱えていたため、台風が来て洪水警報が |
鳴る中でも家を離れることができなかった。そのために逃げ遅れた夫は死に、その手には風鈴の鈴がつかまれて |
いたのだった。その3人が同じ温泉場で、あるはずもない鈴の音を聞いたことから・・・。この話のオチにはちょっと |
首をヒネってしまうが、人には忘れたくても忘れられないことは誰にでもあるってことを言いたかったのかなあ? |