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「ロロの旅路」

03/05/05
週刊少年ジャンプ(昭和48年3月19日号)
 北海道の北見台地で一匹のエゾオオカミがハンターによって撃たれた。ところがそのエゾオオカミにはエサを
待っている三匹の子供がいた。剥製にされた母親を追っていく三匹だが、途中で弟と妹が死んでしまう。独りぼ
っちになってしまったロロはそれでも北海道から九州まで母親を追っていくのだが・・・。手塚治虫が描いた動物
もののエピソードの中での最高傑作だと思います。母親を追うロロのひたむきさ、そして彼を唯一理解した犯罪
者「風通しのベン」のさびしさがこころにしみる。剥製にされてもまだ母親が生きていると信じている三匹が意地
らしいし、本当に涙が出てきます。この作品を見て泣くことができるうちは、ボクもまだまだ大丈夫だと思います
(笑)。ラストシーンではもう涙と鼻水で紙面が濡れてしまいそうなほど切なく、そして温かくなれます。

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