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「猫の血」

03/05/25
プレイコミック(昭和44年10月10日号)
 地方の興行師・須藤の仕事は映画館にフィルムを届ける仕事だった。今日もフィルムを届け、ある農家にやっ
かいになった。その農家の一人娘・妙との結婚話に胸躍らせる須藤。妙も須藤にまんざらではない様子。そして
二人は結婚する。ただ妙の一族は代々猫の血を引くものだと信じてこられた。だから一族の誰もが犬を嫌いだし
猫舌で熱いものを拒み、当然風呂も沸かさない。そんな妙の東京での結婚生活は彼女にとって非常に酷なもの
だった。須藤も妙のこの異常なほどの野生の行動に戸惑いを隠せず・・・。この話にはもちろん「ネコ」という存在
が一番のキーワードですが、非常にリアルな世界情勢が出てきます。現実もいつこのようになるかわからないと
思い、ゾッとしました。そしてこのラストシーン・・・まさに「猫の血」の意味するものがそこに・・・。

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