52

「ボンバ!」

03/06/14
別冊少年マガジン(昭和45年9月号〜12月号)
 男谷哲少年はいつからかどこからともなく馬の足音が聞えるようになっていた。彼は唯一話を信じてくれた女性
教師・水島礼子を愛するようになっていった。しかし彼女に言い寄る男性教師・鬼頭や、仲の悪い両親にその想い
を邪魔される。「あいつらを殺してくれ」と哲が願ったその時、どこからともなく現れた暴れ馬・ボンバが、鬼頭、そし
て両親を次々と惨殺してゆく。高校生になっても、哲は礼子に想いを寄せていた。ところが東京に転勤になってい
た礼子が駅のホームで将棋倒しの下敷きになり今しがた亡くなったという知らせが哲のもとに届く。怒り狂った哲
はボンバを東京に向かわせ、そこで凄惨ともいうべき列車事故を起こさせるのだが・・・。『鉄の旋律』同様、この物
語には人間の心の暗闇が映し出されている。彼はこの先もたくさんの十字架を背負って生きてゆくのだろうな・・・。

手塚ページへ   フェイバリット・コミックへ