スウェ−デン
    カルマル市の環境・高齢者福祉・住宅政策
  4月22日

カルマル市表敬訪問(市長室にて)  9:00〜

 ロ−カルアジェンダ21に代表されるように、環境技術政策では先端をいっている。
 ビジョンの実現は強力なリ−ダ−シップだった。バイオマスによる地域暖房をはじめ、住宅リニュ−アルもすべて環境共生型。高齢者施策も持続可能な社会の一側面として、生活の質の向上を目標としている。
 キエルヘンリクソン市長の対話を重要視しながら都市機能の活力を維持し、世代をこえた持続可能性を追求、施策を展開する姿は見事。

環境にやさしい都市  9:30〜 

 会議室でBO リンドホルム アジェンダ担当部長のレクチャ−

1.カルマルグ−ム プロジェクト
 排水に含まれる窒素酸化物を人工湿地で浄化
2.インスペクト−レン プロジェクト
 1950年代 市営アパ−ト160戸を環境共生型リフォ−ム。
 ゴミを出さず伝統的な芸術性を生かし、人々の住みたい意欲を引き出す。
3.ドラ−ケン 木質バイオマス利用の集中暖房
4.手つかずの自然をそのまま残した
 太陽と風の島 ―エ−ランド島
 (ニルス少年がガンの群と一緒に到着した島は今も、渡り鳥の通り道です)
5.「カルマルのロ−カルアジェンダ」は市長のリ−ダ−シップ。
 ○将来進むべき方向を把握し、他に先駆けて先導的プロジェクトを実行する
 ○基本的思想を実行に移す強力な指導力と財政力をもつ
 ○意識向上と市民参加、環境政策と教育政策、地域振興と雇用創出を一体的に行う

ドラ−ゲン木質バイオマスによる地域暖房センタ−を視察  11:00〜

1982年より稼働
ハンストリックス所長、集中暖房の経緯、供給状況についてレクチャ−。

福祉施設視察 TIC−huset コミュニティセンタ−  13:00〜

予防を大切にするこの国の高齢施設は、まず地域ごとにコミュニティセンタ−をつくり、生涯自宅で生活できるように支援するため、自由時間を仲間と共に過ごすための場として提供している。

午前8時〜午後5時まで自費で食べたり飲んだり、情報交換、合唱、図書貸し出し、ピクニックなどさまざまなサ−ビスがある。
市の社会福祉局が運営しているが4人の職員の他60人のボランティアによって支えられている。
ボランティアの仕事は話し相手、病院への付き添い、コ−ヒ−タイムの世話、買い物、手芸等の活動の他、ニ−ズに応じてボランティアが対応。途中からコミセンに来ることが出来なくなった人のためのホ−ムヘルプや地域診療所への連絡、図書館サ−ビスのお手伝いもする。

★高齢者福祉の三原則
 @生活環境の持続性・住みなれた生活環境を続けること
 A自己決定権
 B自己資源の活用

SMEDBY GARD 高齢者住宅  14:00〜

2階建ての1階は食堂、集会室、アクティビティル−ム、ショ−トスティなどがあり、8人が個室に住んでいる。30u/室
別棟には市所有のアパ−ト群があり(若い世帯も住む)30人の高齢者も混じっている。
食事等はセンタ−も利用してもよく、家族と同居の高齢者には最長3ヶ月のショ−トスティも利用できる。

環境共生型住宅群”インセプト−レ”  15:00〜

説明者マリ−クリスチャン カルマルヘム社員
1950年代建設の市営住宅
グリ−ンの材料による改造という点に価値をおく。20年間住むことを前提に改造費を家賃に上乗せする。それぞれの居住者・建築家・政治関係者が安価・環境を考慮し、相談しながら決定するという。入居者の希望を最大限尊重。最も個性的なリフォ−ム3戸の室内に入れていただいた。


A.節約型アパ−ト 四季を通して室温は21度、リフォ−ム時ゴミ最小規格を選択。
B.バルコニ−をガラス張りにし屋根をつけ温室効果、戸外の騒音を避け台所と寝室の位置を交換。
C.冷蔵庫は外気温8度の保存庫で代替、水の鉢を室内に並べ水を流し自然と共生を演出等々。 
 それぞれの居住者は満足して生活しており、高齢者だけでなく若い世帯の利用申込も増えている。

 汚水処理、下水道などインフラは循環システム、草花に水をやるための雨水収集タンクもある。
室内は清潔で、テ−ブル・ソファ−・ベット・家具など美しく磨かれている。
刺繍テ−ブルクロス・リネン類、写真、カ−テン、シャンデリアなど、どの部屋も個性的で”環境に配慮した暮らしが日常化している。


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