蔦温泉旅館(宿情報・感想)


2003/09

奥入瀬渓流と八甲田の途中、国道103号にある1件宿です。
<立地条件・雰囲気>
周りはとても美しいブナ林。駐車場の奥に渋い建物が見えます。入り口は土間のようになっていて、右手は「帳場」っていう感じのフロント・・?ハッピを来たオジサンが名前を確認し、部屋番号を告げると、下足札を持ったおじさんが脱いだ靴を棚に並べて、その上に下足札を置いてくれます。なんだか渋いな〜。きしむ廊下を踏みしめて本館を抜け、予約してある西館へ。大正7年建築の本館とその奥に別館、そしてもともと一番古かった西館が昭和63年に建て替えられたのが今一番新しい部屋です。エレベーター付きで廊下も広く立派!トイレ洗面所付きで10畳の和室にゆったりとした広縁。大き目の窓を開けると先ほどの本館入り口が見えます。ちなみに西館は2名で17,000円+税。
<散策>
早めにチェックインしたので宿の裏にある沼めぐりに出かけました。6つの沼をすべて周ると3キロ、時間が無かったので一番近い蔦沼までにしました。ここまでなら木道も整備され、アップダウン無くあるけますし、往復しても15分程度なので、朝夕の散策にはもってこいです。
<風呂>
一運動のあとにお楽しみの温泉。露天はなく温泉は3つ。2つは「泉響の湯」で男女それぞれ、1つは「久安の湯」で午前0時〜朝8時までが女性で他の時間帯は男性用になります。なのでまずは「泉響の湯」へ。脱衣籠というのはなくて仕切りだなが並んでいます、広くて綺麗。おもむろに風呂場の入り口を開けると眼下遠くに大きな湯船、左手に四角い池のような?上がり湯用の湯が溜まっている。右手は大きな瓶に水がはってあり、一つだけシャワーブースが。それだけです。上がり湯用の湯で身体を洗ってから湯船へ。熱い!ヒバ造りの浴槽の床から熱い湯が湧き出ていて、周囲にどんどんとあふれています。気持ちいい〜けど熱い。無色透明の湯で柔らかい肌触りのようです。部屋の洗面所にシャンプーのパックがおいてあったので、おそらく風呂場にはないな・・・と予想して持ってきました。がしかし、そういう話は論外。ここはゆっくりとお湯を楽しむところのようです。天井はビルの3階建てはありそうな高さ。だから湯舟から出ている部分は寒い・・・。湯に浸かっていた部分を真っ赤にしながら、お風呂を後にしました・・・(笑)。
<食事>
食事は部屋でいただきます。デザートまですべて並んでます。「終わったらフロントに電話ください」という係りの方の一声に「あ、あの〜ビールをいただきたいのですが〜・・・」と言ったら「冷蔵庫にありますから、それ以外のものはありません」・・・これはこれでさっぱりしていていいですね。天ぷら、帆立・ぼたん海老などのお造り、すいとんのような郷土料理(名前を忘れました)、牛肉の陶板焼き、しめじの土瓶蒸しなど。山の宿なのだし・・・と思って実は期待していませんでしたが、充分にいただきました。牛肉はちょっと・・・お味噌味は美味しかったけど・・・ね。デザートにりんごと葡萄をいただき、満足です。食後には冷水ポットの用意もありました。
夜の宿周辺は静寂に包まれ、満天の星・・・ただ残念なのは部屋の冷蔵庫の音が少々うるさい。思わず電源を抜いて・・・爆睡。
朝は「久安の湯」へ。こちらは脱衣所も狭く風呂場全体が小さめ。ヒバ造りは同じで上がり湯は小さな升目に湯が沸いています。昨日より湯温が低くなっていて、ちょうど良い感じ。こちらもドバドバと湯船から湯が溢れ出ています。はぁ〜極楽!
朝食はレストランでいただきます。納豆、しゃけ、温泉卵、とろろ、山菜の煮付け、そしてなぜかヤクルト風の乳酸飲料。適量で美味しくいただきました。宿のおばちゃんが沢山働いてくれて、「おかわりは?」とか「お茶は?」とかよく面倒みてくれました(笑)、気さくな感じでいいです。
<その他>
会計は帳場の中で。宿のおじさんにルームキーを渡すとノートブックPCをあやつり、後ろの方のプリンターから領収書が出てきます。渋い雰囲気とは不釣合いな光景が。宿を後にするころ、団体さんがバスで到着、立ち寄り湯のようです。湯と緑を楽しむのにはとてもいい宿。個人的には八甲田の酢ケ湯温泉より、はるかに気持ちいいと思います。(2003/09)


蔦温泉旅館本館と奥が別館。向かって左が西館で右が風呂場。手前は噴水のあるロータリーになっていて路線バス亭もある。 西館の室内。ガラス窓と障子の間にはロールスクリーンが設置され、朝でも太陽が遮断される。 同じく西館室内。到着時にお茶と共に出されるお菓子は落雁。係りの方のお話しによると、自宅に持って帰って熱湯をかけると葛湯のようになって美味しいとか?お茶は煎茶とほうじ茶が用意されている。 夕食。天ぷら(蟹・キス・ししとう・カボチャ)・岩魚・刺し身・ごま豆腐・ひっつみ(すいとんのような汁物)・山菜の煮物・陶板焼き・シメジの土瓶蒸しなど。ちなみに西館と他では料理内容が異なるらしい。
朝食。鮭・とろろ・温泉卵・いくら?・納豆(引き割りで上にとんぶりが乗っている)・豆腐と三つ葉の味噌汁。そしてなぜか乳酸飲料。
久々に飲んだ・・・ちょっと懐かしかったかも。
沼めぐりには2コースある。「沼めぐりの小路」2.8kと「野鳥の小路」2.2キロ。1つ目の蔦沼までは木道で、その後こんな感じの山道になる。ちゃんと道になっているので迷子にはならないけど、一人出歩くのはちょっと怖いかも。台風で折れた木が生々しく、自然の力を感じた。宿で「沼めぐり自然探勝コース」というちらしをもらいましょう。 2つ目の沼、「鏡沼」。少し曇っていたのが残念だけど、静寂に包まれた雰囲気は最高。


宿名 蔦温泉旅館
住所 青森県北上郡十和田湖町奥瀬蔦野湯1
電話 0176-74-2311
客室数 50
チェックアウト 10:00
食事場所 朝:レストラン 夕:部屋
その他
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