月のうさぎ(宿情報・感想)

2003/01

国道135号を富戸港方向に入り、普通の住宅が立ち並ぶ突き当りに、竹林に囲まれて佇んでいます。萱葺きの母屋に足を踏み入れると左に小さなフロントデスク、右側に掘りごたつ式の個室が並び、部屋ごとにチェックインします。夕朝食も同じ部屋になるとこのとで分かりやすいです。緑茶と修善寺から取り寄せたという黒米の一口サイズのお団子を炭火であぶり、味噌といりごまをかけていただきます。のっけから見せる演出〜。おまけにポプリサービスもあります。ローズ・レモン・ラベンダーの中から好きな香りを選び、それをお部屋に置いてくれる(実際には広い部屋の中では殆ど存在感なし)、それを帰りしなに袋に入れてお土産にしてくれます。
<部屋>
さて係りの方に案内されてお部屋へ。玉砂利の敷き詰められた竹林を抜けると指定して予約した「十三夜」に到着。2階建ての離れで1階は12畳程のリビング(ソファーとコタツ)洗面所・トイレ・檜の内風呂、そしてリビング正面に濡れ縁と大きな露天風呂、その向こうは海と彼方に大島。2階は8畳程のツインベッド(といっても木製の台に布団が敷いてある)と小さな椅子セット。リビングルームの大きな窓から望む景色はやはり圧巻。早速露天へ。湯船に浸かってこれまた感動。目線に水平線があってまるで海に浸かっているような感じ。5〜6人は入れそうな露天でゆったりのんびり・・・。聞こえるのは潮騒と鳥の声だけ。う〜ん、気持ちいいぞ!
<食事>
夕食は6時と決められているので、母屋の食事どころへ。食前酒(グレープフルーツのソルティードッグ)から始まって全13品。百合根のすり流しや地魚のお造り、海鮮の陶板焼きなど工夫を凝らした演出と器で目も楽しませてくれます。ボリュームは少なめ。男性には少し物足りないかも?それと野菜が少なめに感じました。味は演出の割に特筆すべき程でもなく、もちろん美味しかったですけど。お料理とは関係ないのですが「おしぼり」の香料がキツイのです・・・せっかくの美味しい臭いが消されてしまうくらいに。
部屋に戻る冷水と冷蔵庫にデザート(ごまのプリン)が用意されています。そして星降る夜空と大島の夜景を見ながらまたまた露天に。檜の内風呂(内湯も温泉。洗い場が少々狭い)も気持ちよいです。露天の中は寝湯が出来るように作られていて枕も付いてます。
早起きして日の出を拝むつもりが、目覚めた時にはお天道様は天高く・・・・。朝日を浴びながら露天に入り・・・顔が日焼けしそう。朝食は8時と8時半でセレクト(夕食時に「8時でいいですか?」と聞かれたので他の時間もあるのか尋ねたら8時半もあったのですが)。当然8時半に母屋に向かいます。金目鯛の兜煮、銀むつの西京焼き、卵焼き、湯豆腐、塩辛、シラス、サラダ、etc、朝からかなり豪華です。朝食の満足度は高いと思います。そして食後にエスプレッソかウィンナコーヒーを選択。
<その他>
チェックアウトが10時と早いのでもうお風呂は無理・・・と諦めて部屋を後にしました。チェックアウトの清算も食事処で、抹茶入り玄米茶とうさぎの形をした杏のゼリーをいただきながらになります。それにしてもプライベート性の高さはすごいです。最後まで他の宿泊客の声はすれども顔は殆ど見なかったのです。
全体には満足です。ただ平日で37000円休前日は4万を越える料金、確かに部屋は広いし露天風呂のロケーションは素晴らしい。でも浴衣が1枚しかないこと、羽織や紐のしわが目立ったこと、事前に予約金の振込みを余儀なくされること、キャンセルすると21日前でも2000円の事務手数料を取られること、チェックアウトが10時と早いこと、コーヒーを飲みたくても設備が無いこと(お酒は各部屋までルームサービスしてくれる)・・・など高い料金設定だからこそ望んでしまうことも沢山ありました。(2003/01)


お迎えのお菓子。黒米のお団子を炭火で
あぶり、味噌とすりごまをかけていただく。
「十三夜」のリビングやっぱり冬はコタツ? 「十三夜」のリビング。ゆったりとした二人
がけのソファーとテーブル。
檜の内風呂。椅子と桶は2セットあるけど、
洗い場は狭い。温泉なせいか湯の出が悪く
溜まるのに時間がかかります。
最高に気持ちよい露天風呂。隣室とも微妙に
目隠しされていて、安心して(?)裸になれます
2階の寝室。一段高くなった板の間に布団が
敷いてある。枕は何通りかに調整できるタイプ
夕食。前菜「波うさぎのお出迎え」と
名づけられている。
向付「地魚のお造り」。土佐醤油と大島で
取れる塩でいただく。こりこりの鮑、平目の
昆布じめが美味しかった。
山葵は修善寺から取り寄せたそうだ。
焼き物「月の都のかぐや姫」。タイトルの
意味は聞かないで下さいとのこと。
ホタテ・うに・手長海老・サザエの陶板焼き
「地鶏の宝焼き」アツアツの石に鳥(中にもち米が詰まっている)、その上はフォアグラ。レモンを絞っていただく。周囲に油が跳ねるハネル。 「変わり茶漬け」焼きおにぎりに山葵と水菜がのっていて、出し汁をかけていただく。 水菓子。柿とりんごのコンポートにカスタードソースが添えられている。かなりお酒が効いてます
離れの客室を結ぶ竹林の道。宿の年数と一緒でまだ若竹・・? 夕食後のデザートが部屋の冷蔵庫に用意されている。ラッピングもおしゃれ。ごまプリンは甘味も抑え目で何個でも食べられそう。 朝食:朝から金目鯛の兜煮。冷めていたのが残念 朝食後のエスプレッソコーヒー。ウィンナコーヒーとのセレクトというところがまたニクイ。金柑の甘露煮が沿えられている。皮が硬かった。


宿名 月のうさぎ
住所 静岡県伊東市富戸1299-3
電話 0557-52-0033
客室数 8(全室離れ)
チェックアウト 10:00
食事場所 朝夕とも個室食事処
その他 朝食後にコーヒーサービスあり
耳寄り


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