石亭(宿情報・感想)

2003/03

宮島の西の端を望む高台に位置するお宿。宮島口からお願いした送迎車を降りると、色とりどりの和服姿の仲居さんが5〜6人お出迎えしてくださいます(苦手〜)。中は重厚な作り、黒光りした床に天井。靴を脱いだらいきなりお風呂の説明が始まり、こちらです・・とお部屋に案内されます。
<部屋>
「抱月」というお部屋です。この宿は日本庭園を中心にこの字型に離れの部屋が並び、山の傾斜を利用しているので各部屋が段々畑状態になってます。「抱月」は部屋から宮島と海が望めます。古い建物のようですが、細部にわたって手が入れられていて、海側に半円形のテーブルと高さのある座椅子・庭園側にマッサージチェアのある広縁、、部屋の外には後付けされた濡縁にデッキチェア、檜の部屋風呂は小さいながら海に面し、いい香りを放っています。10畳の和室は床暖房入り、トイレは温風ヒーター、浴衣二組に丹前・羽織・ドテラまで揃っています。
お迎えのお茶は緑茶と栗入り寒天にアイスクリーム添え。美味しい・・・・。
<風呂>
一通り説明を受けて、早速大浴場へ。10部屋といっても大きな部屋もあってどうやら大勢さんでお越しのグループも多い。女性グループがどっと押し寄せると、大浴場といえど急に狭く感じます。カランは9個、木の内風呂と石造りの露天。どちらも循環ですが湯温もちょうど良く、屋根なし露天は開放感もまあまあ。これで宮島や海が望めたら言うこと無いけど、周囲には普通の民家も多いのでそうはいきませんね。お風呂を出る時は脱衣所に一人だったんのでよく観察してみたら、なにやらいろいろ書いてあるのもが貼ってあるぞ・・・「石鹸でよく洗ってからご入浴ください」「腰掛箪笥の中に浴衣があります」「朝食後にエスプレッソコーヒーをどうぞ」などなど・・・脱衣籠の棚にはミニコンポ、耳を澄ませばクラシックが流れてる。さっきはドライヤーのがーがーいう音で気が付きもしなかったのですけど。
湯上りにサロンによると利き酒用にたくさんのミニ徳利が氷に浸かってます。湯冷ましにそのまま中庭を散歩しました。枝垂れ梅が満開、池には鯉、手入れの行き届いた庭園は美しく、宿の名にふさわしい気がしました。
<食事>
夕食は部屋でいただきます。食前酒は桃花酒、甘くて美味しい。そのあと次々に出されるお料理は噂にたがわずどれも美味しく大満足。器の美しさ、味のバリエーション、豊富な食材に美味ですから、言う事なしです。食後にサロンでお汁粉の用意があると聞き、これ以上食べられない!と思いつつ何故か足は勝手にサロンへ・・・・係りの方に「ほんの一口ですからどうぞ」と言われてついつい、ぺろり!床下サロン(サロンの階下にあって庭から入る)でいただきたい、とわがままを申し上げたら運んでくださり、ワインもお持ちしましょうか?とか言って下さる・・・ありがたくご遠慮しましたが。床下サロンは今のご亭主の上野さんが作られたとか。アンティークな椅子にジャズが流れています。コーヒーがあったら言う事無いな〜なんて・・・。
<その他>
部屋に戻るとお布団が敷かれていました。特注のマットレスとかで分厚いのに硬くて身体が沈みません。冷たいお水とジャスミンティーもあります。いままで降りていた障子が開いていてそこにはミニコンポ。なんだ・・・部屋にも付いていたんだ・・・棚の引出しを開けるとMDが10枚くらい入ってます。クラッシックを中心にキース・ジャレットやエンヤなど。離れだから隣りを気にせずに音楽がかけられますね。
夜は部屋風呂を楽しみました。一人サイズですがやっぱり檜のお風呂は気持ちいい。風呂上りにマッサージチェアに揺られながら、音楽を聞き、ジャスミンティーを飲み・・・なんだかいいなあ〜。
朝は大浴場に行き、湯上りにサロンでコーヒーを飲みました。コーヒー以外にもフレーバーティーが3種類、りんごジュース、日本茶もありました。部屋に戻ると布団が上げられて朝食の用意が出来ていました。朝からご馳走です。部屋にもりんごジュースが届けられていて、これがまた美味しい。甘味と酸味のバランスが良くて今まで飲んだりんごジュースの中で最高かも?食後に片付けしていただいている間に庭を散歩。あずまやにもクラシックが流れて面白い形の椅子が置いてありました。椅子がお好きなご主人なんでしょうか?
そうこうしているうちに10時、もう少しゆっくりなチェックアウトならいいのに。10分前くらいに係りの方が顔を出され「荷物があったら引き取ります」と言ってくださいましたが、その時の私の格好はまだ浴衣にバスキャップで化粧中・・・そうなんです、すごく親切で気配りのあるお宿なんですが、プライベート性というのがあまり無いのです。せめて朝食だけでも食事処にしていただけたらな〜と。食事の準備、片付けと何度も出入りがあるのはどうも気疲れします。シャネルの化粧品貸し出しや有料ですが作務衣の用意もある。構われないサービスがあったら言う事無いのですけど。
<あなごめし>
宮島名物「うえののあなごめし」は同じ経営とのこと。「うえの」さんで荷物を預かってくれるだけでなく、「石亭」で「あなごめし」のお弁当を予約できます。チェックアウトの時に渡していただけるお弁当はほんのり温かくていい匂い。冷めてもちょっと辛めのたれともちもちご飯が良く絡まって美味ですよ。包装紙が復刻版で昔の雰囲気が伝わってくるのもいいです。(2003/3)


「抱月」 10畳の和室。部屋の鍵はしゃもじに付けられている。 部屋のマッサージチェア。窓の外は中庭が望める。この左側に半円形のテーブルと高めの座椅子。 和室から出たところの濡縁。海が見えて特等席? お迎えのお菓子。栗入りの寒天(葛かも?)にアイスクリーム。美味しい。
夕食。前菜。穴子のテリーヌ・ホタテ。ゆりね、蛍烏賊、海老、鯛など 石焼。右:牡蠣のクリームソース和え 左:タコの木の芽ソース和え
アツアツでほくほくの牡蠣は流石に広島?
お造り(二人分)。平目・さより。 吸い物。ワラビ豆腐、油目葛打ち
少し冷めていたのが残念
お凌ぎ。穴子のおこわ笹寿司。せいろ蒸しで出される。おこわに焼き穴子、椎茸の煮物が挟まって蒸されている。う〜ん、今日のお料理で一番美味しいかも・・・。 炊き合わせ。海老芋、若竹、麩、人参、絹さや(二人分) 進肴。鯛、白子、ごぼう、ねぎなどの味噌仕立て風鍋。(二人分) 焼き物。茄子、穴子の白焼き、雲丹。茄子の皮が硬かったのとちょっと油っぽかったかな。穴子は美味しかった。
蕨の炊き込み御飯と白味噌仕立ての止椀。おかわりもありますありますよ〜といっていきなりミニサイズの炊飯器がボーンとテーブルに置かれた。味はすっごく美味しかったけど、ちょっと興ざめ。 水菓子。ババロアが敷かれた上にシャーベットが2種類。きなこ味と柚子だった・・・と思う。添えのりんごのコンポートも美味しかった。 特注の分厚いマットレスに羽毛布団。足元に毛布が敷かれて、快適な眠りを演出してくれた。 冷水とジャスミンティー。右下の小さなビンに茶葉が入っていて、ベージュのフタがティーポット、とって尽きのグラスは耐熱。癖が無く美味しかった。部屋に備えてあるお茶はほうじ茶・緑茶・そば茶。冷蔵庫にはオロナミンCまであった。
朝食。野菜の煮付け、ごぼうの和え物、出し巻き卵、鮭の粕漬け、湯豆腐、のり(左上の炭火であぶって食べる),海鮮サラダ(たっぷりのグリーン野菜にタコと海老いり)、小豆粥、白飯、味噌汁。個人的に小豆粥が一押しに美味しかった。 部屋風呂。窓の外は遠くに宮島を望む。蓋付きのお風呂なので少しの時間なら冷めにくい。ガラス窓の上の部分はなんと障子だった。 部屋から中庭を写す。遠くに海と宮島。手前は枝垂れ梅、その左手に藤棚があった。5月ごろはきっといい香りがするんだろうな〜。 宮島口駅前の「あなごめし うえの」
1階は穴子飯を、2階は「他人吉」という畳に椅子席の食事処


宿名 庭園の宿 石亭
住所 広島県佐伯郡大野町宮浜温泉3丁目5−27
電話 0829-55-0601
客室数 10(全室離れタイプ)
チェックアウト 10:00
食事場所 朝夕とも部屋食
その他 夕食前に利き酒、朝食前後にコーヒーサービス
耳寄り 宮島観光の際は宮島口のあなごめし「うえの」さんで荷物を預かってくれます。送迎もあり。

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