二本の葦束(宿情報・感想)

2005/01

湯布院の街外れにあるお宿。4千坪の敷地に9棟の離れと9種類の風呂が点在しています。自然の山肌に沿って作られたそれらは、周囲の自然と調和し、田舎やのいい雰囲気をかもし出しています。
湯布院の街中から車で5・6分、小さな看板を目当てに行くと、作務衣風の服を身にまとった男性が数名、駐車場の入り口で待ち構えてます。母屋のフロントでチェックイン。太い梁に高い天井、重厚感のある家具など雰囲気一杯。カボスジュースと甘く煮た梅が出されます。荷物は先に部屋に。その後母屋を出て食事処・風呂などの係りの方の丁寧な説明を受けながら部屋へ。
<部屋>
9棟の離れはすべて作りも趣きも違います。今回は2階建ての「洋館」という部屋名。その名の通り、外観は他の離れと違って大正ロマン?ということらしく、ちょっと異質な雰囲気。2階建ての1階はタイル張りの床(床暖房付き)にじゅうたん、ソファーセットに暖炉といった感じ。ガラスドアの向うにテラスのようなものがあってそこを水屋として使っています。ポット・お茶菓子・コーヒーメーカー・緑茶・蕎麦茶、冷蔵庫内はフリードリンクと至れり尽くせり。洗面所はドライヤー・くるくるドライヤー・化粧品・コットンとこれまた充実。トイレまで床暖房入りです。
2階に上がると藁入りの土壁に障子のふすまで、純和風な内装。すでに布団が敷いてあり、低反発性のマットに電気敷き毛布、2枚の羽毛布団とどんな寒がりでも大丈夫なくらい。
ネグリジェタイプのガーゼ地の寝巻きにマフラー、作務衣・ロングポンチョ・綿入りのロングコート・ソックス・フリース靴下、色々持ち歩ける綿の手提げバック、ぞうり、スノーブーツ。もうほんっとにこれでもか〜というくらいに準備されています。お蔭様で快適そのもの!
<風呂>
風呂は「昭和の湯どころ」となずけられた長屋風建物に5つの露天・半露天風呂。山の上にある完全露天の竹林風呂と大露天風呂。2つの蒸し風呂(シャワールーム付き)。どれも入浴中の札を見て空いていれば入れます。9棟の離れの中には風呂付のところもあり、どこかには必ず入れる状態でした。とても全部は入れませんでしたが、入ったところ(4つ)はすべて「飲泉」できる源泉100%の単純泉。少しぬめりがあってお肌しっとりです。
<食事>
夕朝食は「馳走庵」で。新潟の築150年の家を移築いたものだそうで、これまた雰囲気たっぷり。土間でコートを預け、ブーツを脱ぎ・・・個室ではないのでここで初めて宿泊客と顔を会わせる形になります。お料理がこれまたびっくり。野菜中心と聞いていましたがそのボリュームたるや・・・残すのが惜しいほど美味しいのにギブアップ。他のテーブルでも「もう食べられない」という声が聞こえてきます(苦笑)。宿の方に謝ると「殆どの方が残されますから」と。食後はバー「「散人居」へ・・・と思いましたがあまりに満腹で部屋に退散。
朝食は9:30からと決められています。これまたボリュームたっぷり。美味しいのに残しました。
<その他>
3万円を切る値段でこの内容はかなり充実していると思います。接客は殆ど男性で、でしゃばらず痒いところに手が届く・・・そんな感じでとても好感が持てました。唯一残念だったのは近くを通る高速道路の車の音が時々聞こえてくることでしょうか。それでも敷地内はほとんどが土。自然の土・木の匂いと温泉・たっぷりの野菜料理は都会で味わうことの出来ないものばかり。「今度は別の離れに・・」思わずリピートしたくなる宿です。(2005/01)


宿泊した「洋館」。外観はぎょっとしたけど、居心地は良かった。 食事処「馳走庵」。40種類の果実酒が並び、食事時にいただける・・・らしい。飲めない私は試してないので。 24時間入れる5つの風呂「昭和の湯どころ」長屋風に並んだ5つの風呂はすべて作りが違う。すべてにソープ類はあるが、シャワー設備があるのは1つだけ。 山肌の中腹にある「蒸し風呂」。ミストサウナとシャワールームがあり、冷水も用意されていた。このもっと上に大露天がある。
「昭和の湯どころ」の近くに温泉卵が用意されている。食べませんでしたが前を通るたびに確実に減っていた(笑)。 洋館の1階室内。タイル張りの床暖房に暖炉。暖炉の中にテレビを収めている。MDラジカセもある。テレビはBS放送のみ受信。 1階の洗面所。昔風のガラス窓が趣があっていい。 1階の水屋。お煎餅・コーヒー・蕎麦茶・煎茶・冷蔵庫のフリードリンク・冷水とすべて揃ってる
2階の布団。ガーゼ地を使った衣類やリネン類が多く、肌に優しくいい感じ。障子のガラスや廊下の窓もいい味出してる。サッシにはない雰囲気が存在している。 山の高台に位置する「竹林風呂」その名の通り、竹林に囲まれ野趣万点。 奥の茶色い小屋に脱衣カゴがある。湯に浸かるまでは少々寒いけど、入ってしまえば極楽気分!2人サイズ。高速道路に近いため、その音が気になるが・・・。でも鳥の声もするし、まあよしとするか。試した中ではおすすめのお風呂です。 「昭和の湯どころ」の一つ。大きめの石風呂に湯があふれている。半露天。
夕食。野菜の煮付け(ごぼう・人参・大根・里芋・こんにゃく・椎茸)、地鶏の燻製入りサラダ、かんぴょうと山椒の煮付け、山菜の白和えなどなど。
このあと広島産牡蠣と鹿児島黒豚の自家製キムチ鍋。たっぷりの水菜で美味しいけど辛い!と思ったらすかさず「口直しの野菜ジュース」が出てきた。
ヤマメのみそ焼き、大根なます、巻き柿。 ワカサギ・ふきのとう・梅干の天ぷら(写真は二人分)。塩でいただく。どれもうまい!梅干の天ぷらは外はカリッ、中はホックリで思いのほか美味。 ここまでにすでに腹八分どころか十分。そこに豊後牛の炭火焼が(写真は二人分)・・・美味しいけど・・・全部は無理。白いのは自家製チーズ、そのほか下仁田ねぎと青梗菜、もろみみそ。このあとご飯と味噌汁。もちろんご遠慮申し上げました。


宿名 二本の葦束
住所 大分県湯布院町大字川北918-18
電話 0977-84-2664
客室数 9(全室離れ)
チェックアウト 11:00
食事場所 朝夕:食事処
その他
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