明神館(宿情報・感想)

2001/11

奥深い渓谷にある一件宿。松本から車で30分くらいはかかります(送迎バスあり)。ロビーは普通の旅館。部屋は和室のみタイプと和室に洋間(リビングセットとミニキッチン、暖炉つき)のタイプがあります。後者を利用。一面の窓からは正面の山、明るさや開放感は十分にあります。ソファーがゆったりとしていてくつろげる感じがいいですね。
大浴場の設備は普通。大きな湯船が中央にあり、露天はすぐ近くにあります。混浴の露天が渓谷沿いにあるのですが、流石に混浴はちょっと・・・・女性専用タイムがありますがちょうど食事の時間と重なっていて入れませんでした。脱衣所の横にレースのカーテンがありその向こうからなにやら話し声が・・・よくみたらアロマオイルマッサージと書いてあります。こんなこともやってくれるのね。
夕食は個室の食事処です。一品ずつ運ばれてくるお料理はボリュームも味も良い。信州の山の幸が豊富に味わえます。ただ時々次のお料理まで時間が空いてしまうこともありましたが。デザートに出た完熟柿のジャーベットが変わっていて美味しかったですね。部屋に戻ると籠に入った物体が・・・ワオ!小さな焼きおにぎりです。ん〜お腹いっぱいだけど・・・別腹?朝食も同じ場所で。
部屋食でないこともあり、係りの方の入室がないので、自分たちの時間をゆったりと楽しめます。紅葉や新緑・雪の季節はまた別の魅力がありそう。ただ団体客もそれなりにいるようなので、風呂などは時間をずらした方が賢明です。(2001/11)

<リニューアル後の再訪>

2003/11

2003年5月〜7月にかけてリニューアルが行われ、露天風呂付客室、ベッドルーム+露天の部屋が出来、更に露天風呂の新設、旧大浴場の改装と、色々変わりました。
宿の入り口が変わりましたが、1階の雰囲気はほとんど同じ。ロビー風の椅子席で待たされること5分。お茶も出ずに、これはちょっと長い。数組のお客さんが所在なげに待たされていました。やっと声がかかって係りの方がお部屋に案内してくださいます。予約したのは321号室。新しく出来たベッド+部屋付き露天の4室のうちの1つ。ちなみにこの4室はすべて家具、建具などが違っています。321号室は和風モダンのテイストが強く、和紙風の壁紙に濃いこげ茶色の建具、天井にも同色の廻淵がつけられ、落ち着いた感じです。床は桐で柔らかく足ざわりがとても良いです。入り口を開けると正面が水屋(ミニキッチン)左がトイレ、洗面、シャワールーム。右がベッド&リビングルームという配置。リビングは全面が大きな履きだし窓で、そこからテラスに出ると、ウッドデッキが2組、その向うに屋根付きの露天風呂(シャワールームからも出られる)。正面は山で、眼下には美しい川。思わず深呼吸してしまうような美味しい空気・・・土の匂いというか、癒されます。
係りの方がお部屋でお茶とお菓子を出してくださり、一通りの説明があります(チェックアウト時間や大浴場のタオルについてなど説明不足)。
<風呂>
まずは改装した大浴場へ。土曜日だったこともあり、思ったより男性の団体が多い様子。相変わらず女性グループも多いですが・・・。脱衣所は以前と変わりなし(相変わらずここの脱衣所はすごく温度が高い)。洗い場にカランが13個くらいで湯船が以前より小さくなり、かえって使いやすくなりました。なみなみとお湯があふれています。露天は変わっていなくて、相変わらず湯温が低く、ゴミが沢山浮いていてお湯もあふれていない。足だけ入ってやめました。
一度浴衣を着てその足で「立ち湯」のある新露天風呂へ。雑誌でおなじみの山に向かって壁の無い半露天風のお風呂。大きな湯船の山側4分の一ほどが立ってはいる深さ。緑・滝・川が見えて開放感たっぷり。隣りのおばちゃんが「気持ちいいわね〜」と独り言。やや湯温が高め。洗い場はシャワーブースが4つあり、身体を洗う事も出来ます。ミストサウナもありました。
もう一つ「寝湯」の出来るお風呂も出来ました。タイル張りのようでしたが、ちらっと見に行っただけで入りませんでした。
そして部屋に戻って、懲りもせずにまたまた部屋露天へ。石造りのお風呂で下のほうから熱いお湯がどんどん出ていて、湯船からもお湯があふれて気持ちよい!眺望にも恵まれ、ひんやりとした風が火照った顔にあたり、思わず長風呂してしまう。その後はここのお風呂のみ何回も堪能しました。
<部屋備品>
さて部屋の設備ですが、大きめのシングルベッド、ソファー、ライティングデスク、クローゼット、金庫つきのサイドボードの上に液晶テレビ。照明はほとんど調光付き。CDデッキが欲しいところですが、充分な設備なので文句は言うまい・・・。ただ、洗面ボウルや水屋はデザイン性にこだわるあまり、実用性にかける部分も少々ありますけど。ミニキッチン下の冷蔵庫内のものはフリー。缶ビール5本にジュース類、ノンシュガーの缶コーヒー、スポーツドリンク、サイダーなどなど、料金を気にすることなくいただけます。その他、バスローブもあるし、女性のみにサービスのアメニティ類もあり。ただしバスタオルは一人1枚。(大浴場には豊富にあります)浴衣は2枚です。
<食事>
夕食・朝食ともに新設したダイニングでいただきます。夕食は6時半か7時でセレクト。時間になると部屋に電話がかかります。ダイニングは部屋と同じフローリングにゆったりとテーブルが配されています。音はやや響くかな。席は決まっていないので、窓際が取りたければ早い者勝ち。料理内容は懐石ではないけど、工夫が感じられる内容。お造りがあればビシソワーズがあったり、ややちぐはぐな感じもしますが、味そのものは悪くないようです。メインの肉料理が馬肉のステーキか豚の角煮のセレクトでした。全体に女性向け?
部屋に帰ると夜食におにぎりの用意が・・・以前と同じ籠に入っていましたが、味噌おにぎりでした。
朝食は8時〜10時半のあいだに好きなときに食べに行ってOK。朝風呂を楽しんで9時50分くらいにレストランへ・・・やはり最後のお客さんでした。でも事前に時間が決まっていないのはとても嬉しい。鮭・卵焼き・ざる豆腐・野菜類も出て、玄米入りのご飯。デザートはグレープフルーツ。・・・・コーヒーは出ませんでした・・・。
<その他>
チェックアウトは12時とゆっくりです。
昔ながらの旅館の居住まいをのこしつつ、今風にアレンジしている感じで、宿の気持ちが現れているな〜と。レストランでの対応もよかったし、全体にまとまっていると思います。ただし、1人39000円でこのお料理か・・・と言われるとちょっと苦しい。ひたすらハード面での代金と考えた方が良いようです。私はグルメ派ではないので、美味しい空気と気持ちのいい露天、自然を堪能し、ゆっくりとくつろげたので満足。「くつろぐ」という点でのサービスは充分に提供されていました。
気になることが2つ、1つは321号室の先にアロマテラピー室と寝湯ができる露天への入り口があって、その扉の開け閉めや話し声が部屋に響くこと。23時〜5時はクローズですが、朝6時ごろに女性のグループがワイワイと話しながら歩いていて起されました。もう一つは枕が2つあるのに同じ物で、高さが高い。2つ置くなら低いサイズも置いてくださいまし。ちなみにチェックアウト時にフロントで「いかがでしたか?」と聞かれたので前者について話してみたら「早速改善策をとります」とおっしゃっていましたが・・・・はてさて?
ところで同じ青龍館に連泊をした知人の体験談を聞いた所、二泊目の朝食時間は8時指定され、夕朝食とも本館の古い食事処で内容も今一つだったようです。またフリードリンクの補充も無かったようで、一泊目との違いがかなりあるそうで。連泊をされる方は心して行かれたほうがいいようですよ。(2003/11)


321号室「二人静」のベッドルーム。ソファーは窓に向かって置かれていて、テレビは見にくい。 321号室の玄関正面にある水屋。玄関周りはゆったりとしている。下部が冷蔵庫(フリードリンク)。茶葉は茎茶とほうじ茶が用意されている。デザインはいいけど、使いにくいボウル。 321号室、洗面所。これまた使いにくいボウル。はねるしやたらと低い。化粧品類はないが、それ以外は充分に揃ったアメニティ。バスローブもあり。左がトイレ、右がシャワールーム。 シャワールームから露天風呂方向を望む。木製の椅子&桶もある。遠くに見えるステンレスの棒はタオルかけ。使いやすい。
321号室の部屋付き露天風呂。湯温もちょうど良く、向こう側にお湯がとうとうとあふれている。 部屋のベランダにあるチェア。同じ物が2組ある。季節がよければ思わず昼寝ができそう。 鍵は一部屋に2つ。1つはサイドボード内の引き出しの鍵付き。男女別々に大浴場に行ったときなどは、2つ鍵があると本当に便利。 夕食。前菜。実は食べても何だかわからないものもありました・・・。おかめの器の中は、葡萄の甘酢?みたいな・・・?
椀物。焼き魚(鯛と思われる)に大根卸し、スライスした栗などが入っている。味は悪くなかった。 お造り。マグロと・・・忘れました。 岩魚の塩焼き。真中の炭からいぶした煙が出てるという演出。どうせならその上に岩魚を乗せてきてほしいな。でも熱々でした。 ジャガイモの冷製スープ。11月でなぜ冷製?さっぱりめの味は美味しかったけど。凝った陶器の入れ物に入ってきて、それを取り分けたのが写真。
揚げた魚にあんかけがのったもの。 けんちん汁風?これで二人分。野菜がたっぷり入って美味しい。やや甘めの醤油ベースの味。 馬ステーキか豚の角煮のセレクトで、こちらは後者。角煮といってもスープで湯がいたという感じでイメージが違った。柔らかく煮えていた。カボチャは不味かった。 笹巻のご飯。中は小さな粟入りご飯のおにぎり。男性にはちょっと足りないのでは・・・?
デザートの柿のソース添えアイスクリーム。 新築した立ち湯のある半露天風呂の入り口。手前が女性、奥が男性。左の青い照明の棚は抗菌スリッパ入れ。でも男性側だけにあって、女性側の壁にはない。共用ということでしょうけど、男風呂の入り口までは行きたくないかも。 青龍館のレストラン。季節がよければテラスも気持ちよさそう。外は緑と川が望める。 新築した「青龍館」の階段付近。空間をおしゃれに演出している。花の中身は今一つ。
朝食。右はレモン・蜂蜜いりの牛乳。冷えていて美味しいけどちょっと甘いかな。ヨーグルトドリンクみたいな感じ。籠のなかは鮭・卵焼き(山芋入り?)ほうれん草など。 自家製のざる豆腐。適量で美味しかった。ご飯は玄米入りのご飯。 ガーリック風味の効いたジャガイモ、サツマイモ、もろみ大根。朝からジャガイモ1/2個は多い。説明に「社長の自宅で栽培している野菜」という前置きがついたけど、「当館で栽培している野菜」と言ってもらいたいな〜。


<リニューアル後の再訪/その2 &アロマエステ体験>

2004/07

お鷹の和室が一部ベッドルームになりました。桐のフローリングにダブルサイズのベッドが2つ、液晶テレビにDVDプレーヤー、リビングは以前と同じですが床はフローリングです。部屋でのんびりとくつろぐには最高です。残念なのは、窓に網戸が無いため、せっかくの美味しい空気を室内に入れられないこと。フランス料理を始めたそうですが、やはり和食をセレクト。満室状況にもよるのかもしれないですが、朝夕とも時間の予約なしに「いつでもどうぞ」というスタイル、時間に縛られること無くこれも好印象。そして朝夕とも食後にデザートとコーヒーが付きました(かなりアメリカンなコーヒーですが・・・)
今回はアロマエステを体験。六本木のお店が出ているようですが、バリ風の建物のベッドで横たわると、窓から心地よい風と川のせせらぎ・・・天然のリラクゼーションもあいまって・・・ZZZ。6種類の香りからその日の気分でオイルをセレクト、60分のリラックスコースで足先から頭まで、ツボを刺激してとても心地よかったです。レディースプランを選ぶと2割引で受けられます。男性もOKだそうですので、是非!(2004/07)

↓再々訪の写真はこちら

リニューアルした「お鷹:ベッドルーム」
両手を伸ばしてもあまるくらいの広々ベッド。向うに見えるのがリビングルーム。
リビングルーム。暖炉・ミニキッチン?は変わっていない。 ベッドの向かい側にある液晶テレビとDVDプレーヤー。 真空管アンプとやらで音がとてもいいらしい・・3枚備え付けのものがあったが、お気に入りを持参する方がいいかと。
夕食後のデザート&コーヒー。梨と自家製と思われる小豆の香り豊かな水羊羹?。個人的にはおかわりしたいくらい気に入った。
夕食は鮎や鯛などを中心にたっぷりの野菜。お肉類はなし。
朝食、自家製豆腐・温泉卵入りサラダ・煮物などなど、デザートは葡萄とキーウイ&コーヒー。渓流に面した外のテラスでいただいた。気分最高!


宿名 扉温泉 明神館
住所 長野県松本市入山辺8967
電話 0263-61-2301
客室数 50
チェックアウト 12:00
食事場所 朝夕:個室ORレストラン 
その他 アロマテラピーあり。
耳寄り 冷蔵庫はフリードリンク

温泉宿楽