無量塔(宿情報・感想)

2002/07

湯布院の街の喧騒から離れ、山を登ったところにあります。「客室」と呼ばれる母屋に隣接する部屋と「別荘」と呼ばれる母屋から離れたところに点在する部屋がそれぞれ4つあります。すべて趣が異なり広さや作りも違います。宿の入り口は障子戸で横には薪が積まれています。中に入るとロビー風に椅子がありますが、全体に古い民家の味が良く出ていてとてもいい感じ。すぐに係りの方がお部屋に案内してくれます。かの有名な「Tan's Bar」を右に見ながら渡り廊下を歩いて部屋に到着。今回は「新」という一番小さいタイプに宿泊。それでも広いリビングと4.5畳の和室、セミダブルベッドが2つ置かれた寝室、4人くらい入れそうな風呂、そしてミニキッチンまでついています。リビングには一面の窓、もちろんサッシなどではなく重厚な木枠で出来ています。和室で係りの方がお茶を入れてくださり、食事の時間などを打ち合わせ。無量塔は大浴場がありませんが、チャックインしたときにはすでに部屋風呂にお湯が満たされていて、いつでも入浴可能。露天風呂は無くても浴室もリビング同様に一面の窓なので、気分は露天・・・?室内は浴衣でそれ以外は作務衣(着心地良い)と決められていて、下駄も用意されています。
<「Tan's Bar」>
まずは周囲を散策、そして「Tan's Bar」でコーヒーをいただきました。コンサートホールと同じ巨大なスピーカーからクラシックが流れる中で、ゆったりとした気持ちになります。湯布院の駅近くにある無量塔の売店「B−speak」のロールケーキは甘さを抑えたしっとりあっさりタイプ。美味しかったですよ。
<食事>
夕食は「別荘」以外は基本的に部屋食。係りの方は部屋の玄関でなく、直接和室に出入りできるようになっていて、そこから料理を運んでくれます。鱧、鮎といった夏の味と新鮮な野菜が素敵な器に盛られて出て来ます。名物の地鶏なべ(味は最高ですが、地鶏は硬い・・・)、鮎梅香焼き、牛の諸味焼き・・・・いわゆる懐石料理の枠にはこだわらず、少量ずつ美味しく食べさせてくれます。
夜の「Tan's Bar」はバータイム、なんですがお酒よりはコーヒー派の私、懲りずにまたまたコーヒーをいただきに行きました。(決して無料だからということではないです!)この時間は照明も暗くなりしっとりとジャズが流れます。すごくいい感じ。
朝食は母屋の食事処「柴扉洞(さいひどう)」へ。いろりのある入り口を抜けて掘りごたつ式の個室です。グレープフルーツジュース、ザル豆腐、温泉卵、根菜の煮物、朝から思わず食が進みます。食後に係りの方から教えていただいたのですが、食事処の中に1部屋だけ洋間があり、リクエストすれば椅子席の食事も可能だそうです。
<「Tan's Bar」その2>
そしてまたまた「Tan's Bar」へ今度はモーニングコーヒーです。それまで他の宿泊客にほとんど会いませんでしたが、ここには4組くらいいらしてました。さわやかなお天気の日でしたのでテラスに出て、鳥の声とスピーカーから流れるクラシックをバックに1杯。ああ・・・気持ちがいい。
街から離れているため気軽に散策などは出来ませんが、緑に囲まれた静かな環境の中、心身ともにリフレッシュできます。最低でも一人42,000円という価格設定ですから決して安くないですが、夫婦の記念日旅行などにはおすすめの宿です。(2002/7)


入り口脇に建つ「無量塔」の石塔 客室「新」の入り口。母屋のロビーから渡り廊下を経て進むとこんな感じで部屋の入り口が見える。 客室「新」の風呂。窓の外は雑木林が広がり、大きな窓を開ければ露天状態。24時間温泉があふれています。 寝室。セミダブルサイズのベッドに綿麻の寝具が気持ちよい。寝室と洗面所・風呂が直結している作り。他にドレッサーとロッカー。
リビングルーム。玄関の正面にあり、革張りの大きなソファーがすごい存在感。右にテレビと暖炉。左奥に見えるのが和室。ソファーに座ると正面が一面の窓で、緑をたっぷり味わえる。 夕食の「向八寸」。鮎すし、鱧、紅鱒のレモン巻きルッコラ菜のサラダなど。 名物「地鶏鍋」。あっさりとしたスープに韮、甘い白ねぎが美味しい。柚子胡椒を少し入れてピリッとしてうまい! 鮎梅香焼き。甘めのしょうゆだれと梅の香りが合わさって、香ばしくて美味しい。
五葷諸味焼き。5種類の香りで燻製にされた牛肉にきゅうり、にんじん、大根のスティックサラダが添えられる。サラダはなぜかリチャードジノリのお皿でしたけど。 朝食のざる豆腐。一人1つはかなりのボリュームです。美味しいから食べましたが。 「Tan's Bar」からテラスに出るとこんな雑木林が広がります。鳥のさえずりが心地よい。 「Tan's Bar」のテラスでいただくモーニングコーヒーです。器はすべてリチャードジノリでした。


宿名 山荘 無量塔
住所 大分県大分郡湯布院町川上1264-2
電話 0977-84-5000
客室数 8
チェックアウト 11:00
食事場所 夕:部屋 朝:個室食事処
その他 宿泊者はTan's Barでコーヒー無料サービス
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