名月荘(宿情報・感想)

2001/10〜2003/06   

上の山温泉街の高台にある平屋建ての宿。
<立地条件>
小さい木製の杭のようなものに宿名が書いてあるだけ。門をくぐり抜けると大きな炉がきってあり、焚き火のような田舎っぽい匂いがします。そのまま進むと自然な感じの草花の中を通り抜けて正面玄関へ着きます。左奥には別棟のラウンジがあって名月の晩はコンサートが開かれるそうな。玄関を入ると「ここが旅館?」という感じで気のぬくもりを感じる洋風(ん〜ちょっとアジア風?)なロビーがあります。そちらで山葡萄ジュースをいただいてチェックインをします。ロビーの大きな窓からは遠くに蔵王の山々が見渡せて、いい気持ち。
<部屋>
部屋はすべて平屋でロビーを通って二股に分かれている廊下のそれぞれ両側に配されています。遠くに蔵王連峰を見渡せる部屋と庭に面した部屋。初回は蔵王連山を見渡せる方になりましたが、2回目に行ったときは中庭側をリクエスト。山の景色も綺麗ですが部屋の下が道路になるので(といっても部屋の方が高い位置になりますけど)好みは庭側だったのです。中庭といっても自然な感じの木があって、対面になる部屋とはお互いにほとんど見えません。庭の真ん中に小さな小川、その周りに春は雪柳、秋は紅葉を楽しめます。間取りは全室異なっていて、特徴はダイニングルームとテラスが付いていること。ダイニングルームはコーヒーメーカー(もちろん粉もあります。ついでにビンに入った美味しいクッキーまである!)やミニキッチンがあり、テレビも和室と両方に設置。我が家に居るのと同じような感覚でくつろげます。
<大浴場>
さて大浴場ですが、それほど広くありません。洗い場が5つくらい・・・かな。入り口にシャンプー&リンスのボトルが3セットごろごろとおいてあり、「しっとり」とか色々なタイプのものがそろっています。最近よくある「アロエ塩」とか「炭シャンプー」というようなものはいっさいない。湯船は大きい石造り。露天は裏山側で庭に面していて屋根つきの半露天タイプ、小さいですが入るとお湯があふれて大変に気持ちよいです。思わず「ああ〜気持ちいい〜」とつぶやいてしまう・・。大浴場をでるとカウンタータイプの読書コーナーと籐の椅子が置いてある湯上り処があって、冷たいジュースと麦茶、メガネ洗浄器まであるのです。そのスペースは中庭に面していて外に出られるようになっており、木のリラックスチェアに座ると鳥のさえずりと心地よいそよ風・・・ああ・・・至福のとき・・・。
<食事>
夕食は和室で朝食はリビングでいただくのが基本(2回目に行ったときは夕食をダイニングルームで食べたいとリクエストしたらOKでした)。春は山菜、秋は山形名物「いも煮」、そして米沢牛のステーキ(焼き蟹も選べる)、名物の手打ちうどん(3〜4センチくらいの幅広うどんをたっぷりの野菜で煮込んだしょうゆ味のうどん)・・・気取った懐石料理ではありませんが、郷土色豊かで美味しくお腹も心も一杯になります。デザート食べ終わると布団を敷きにきてくれ、その場で枕の好みを聞かれます。通常部屋食だと布団を敷いて頂いている時にいる場所が無くて困ったりしますが、ダイニングにいてふすまを閉めておけば見えないのでとても気楽。食後のコーヒーも部屋で好きなだけ飲めるし。それからロビーの奥に酒蔵(ワインセラー?)があり、生酒やワインをその場で試飲して夕食時に出してもらうこともできるそうです(お酒飲めない私には興味なく・・・)。
朝は洋食をリクエスト。3種類のパンの盛り合わせ、ソーセージの入った野菜たっぷりのスープ、卵料理(選べます)、サラダ(行く度に内容が違う!かぼちゃの薄切り揚げとレタスとか、生のほうれん草とラディッシュとか・・・ドレッシングも毎回違う)、ジュース、フルーツヨーグルトとこれまた朝から盛りだくさん!
<全体として>
部屋の係りの方は皆さん比較的若い感じでテキパキと働いてくださいます。はっきり言ってすごくサービスがいいと感じることはないですが、不満は残りません。残念なのは部屋によっては内風呂に「はずれ」って感じの時があること。いきなり「猫足」タイプのお風呂だったり、風呂場面積のほとんどが湯船って感じで洗い場が小さかったり。何室か檜のお風呂があるそうですが。最近増築した大きい離れタイプの部屋は露天付きだとか。部屋風呂にはあまり期待しないほうがいいと思います。そしてもう一つ残念なのは、廊下の話し声が部屋に聞こえやすいこと。これは木造だから仕方ないのでしょうが、部屋の扉が木製なので尚更なのですが、廊下の話し声が朝の目覚まし状態になってしまいます。そうはいっても「宿楽」一押しのお宿。願わくばもうちょっと近いといいのに。(2001/10他)


《再訪》
再度行ってまいリました。リフレクソロジーのコーナーも新設されて(体験してください・・夜はぐっすりと眠れますよ)パワーアップしました。「夢」と「裄(ゆき)」の部屋がお薦め。蔵王連峰や中庭は望めませんが裏山と裏庭の木々や花が綺麗で、何より静で落ち着けます。「夢」は広めのリビングと檜風呂付。(2002/5)
《再々訪》
またまた行って参りました。今回は「茜」に宿泊。温泉つきの部屋も増えてどう変わったかなと楽しみに伺いました。一番突き当たりの部屋だったこともあり、静かでくつろげる雰囲気は相変わらずです。ただ「?」と思ったこともいくつかありました。変わったと思ったのはお料理のボリュームがダウンしたこと。もともと多すぎるくらいだったのでちょうど良くなったという感じですが、米沢牛ステーキは半分くらいの量になり、ステーキソースがやや洋風の味付けになったと思います。朝食の洋食は具沢山のコンソメスープからズッキーニのクリームスープに、サラダは海草とレタスのシンプルなサラダ。ドレッシングが二種類付いて来るのですが、沢山のサラダなのに取り皿が一つなのが残念。パンの取り皿が無かったりジャムにスプーンが付いていなかったり・・・。何より、チェックアウト時に部屋を出て行こうとしたら下駄箱に靴が仕舞われたまま(自分で取り出した)。また露天風呂の温度が高く、気持ちよいと感じるより「熱い」という方が先になってしまいました。リピートするようになると、初めての宿泊ならなにも感じないことも「以前はこういうことをしてくれたのに」「これがついてきたのに」となんでも比較してしまいます。マイナスされたことと同等のプラス感がないとリピートしようという気持ちが失せてしまうというのが正直な感想です。初めて訪れた友人は大満足し、帰り際に数ヵ月後の予約をしておりました。さて、私は次はどうしたものか・・・・?(2003/06)


正面に読書室のある離れ。満月の夜の「ムーンライトコンサート」はここで行われる。右が本館になる。 新緑の中庭。雪柳やこでまりが咲く。左の石畳は大浴場の湯上り処から続いていて、デッキチェアが並んでいる。 「裄」の部屋についているデッキチェアとテーブル。鳥の声を聞きながらゆっくりと過ごせる。 家族風呂。洗い場は3つで湯船は4〜5人は入れる大きさ。露天はなし。予約制ではないので入り口の看板を見て空いていればいつでも入れる。
名月荘名物、「特製手打ち饂飩」。
3センチくらいの幅広うどんにごぼう、人参、きのこ類、ねぎ、油揚げなどが入ったしょうゆ仕立てのうどん。料理の最後に出てくる。
うどんの後に白飯あるいはおにぎりと共に出てくる漬物。美味しく浸かった漬物がざっくりと盛られてくる。 朝食は和・洋から選択する。写真は洋食。卵料理は3種類(和食は2種類)から選べる。具沢山のスープと季節のサラダ、フルーツたっぷりヨーグルト。和食はお粥と白飯、食後にごまアイスクリームまでつく。


宿名 名月荘
住所 山形県上山市葉山5-50
電話 023-672-0330
客室数 20
チェックアウト 11:30
食事場所 朝:部屋(和室) 夕:部屋(ダイニングルーム)
その他 朝は和洋食の選択可。貸切家族風呂(予約不要・露天なし)あり
リフレクソロジーのコーナーが新設、20分3000円〜
耳寄り 紅葉や新緑の蔵王・山寺へハイキングがお薦め!

温泉宿楽