真里(宿情報・感想)

2003/09

全室7室の小さなお宿。高松から高速フェリーで30分、バスに乗り換えて30分、決していいアクセスではありませんが、バス停「マルキン前」で降りたとたんにあたりに立ち込める醤油の匂いに疲れも吹き飛びます。
<雰囲気・部屋>
もろみでいぶされた醤油蔵の黒い塀に沿って歩くこと5分、玉砂利の向うに暖簾のかかる入り口が。決して大きくは無いけど渋みのあるいい感じのエントランスです。予約したのは「ひし」の部屋。蔵を改造した離れです。玄関で靴を脱ぎ、スリッパを履いて母屋を過ぎ、離れや風呂場に向かうための玄関で草履に履き替え・・・・やっと「ひし」に到着。蔵ですからやはり少々暗め。フローリングの上にホットカーペットが敷かれ、そこに重厚な大きいテーブル。真中の板を持ち上げると囲炉裏になるみたいです。重厚なのはいいのですが、食事時は足を入れにくいし高さは低いし、ちょっと今一つの使い勝手でした。唯一の窓は一間半くらいの大きさで、外に出ると坪庭、濡縁(?)の上にデッキチェアー、そして一人サイズの露天風呂(雑誌の写真のイメージよりはるかに小さいです)があります。2階に上がるとシングルサイズとセミダブルサイズのベッドが一つずつ。このベッドはリクライニング付き(電動シート)でテレビもあるので、寝るだけというより2階でもくつろげるようになっています。ただベッドのサイドボードがすごく低くて少々使いにくいですけど。枕もとに小さな窓があって、障子を開けると・・・・ただ道路と近隣の家が見えるだけでした。全体に間接照明をふんだんに取り入れていて、無機質な換気扇、配電盤などは布をかぶせ、プラスチックの照明カバーは竹篭で覆うといったように、徹底した見せ方です。
<宿のレンタカー>
さて
お茶と海老せんべい(美味しい。売店に置いているものとは違うそうで、特別に作ってもらっているとか)をいただき、浴衣を選び(三つの柄から選べます)、さて、お待ちかねのドライブです。前もって予約した宿のレンタカー(ワーゲン、ニュービートル)で出かけました。ワーゲンは1時間2000円、ベンツは4000円です。あいにくの空模様でしたけど、二十四の瞳の舞台となった岬の分教場、寒霞渓、醤油蔵(しょうゆソフトアイスクリーム、お薦めです。しょうゆというより大豆の風味)などまわって、2時間。
<風呂>
さてお風呂です。「ひし」からは近くて便利。2つのお風呂は少し作りが違っていてそれぞれの露天も屋根付きと屋根なし、夜9:00〜12:00までは貸切風呂になるので、カップルやグループにはいいですね。お湯は湯船から溢れることなく循環で、すこーし消毒の匂いがするかな・・・でも湯屋の作りは趣があって素敵、ついつい長湯してしまいます。カランはどちらも3つですが、かなり狭いので隣りの人の泡が飛んできます。露天はフタが閉まっていて(冬だけだと思います)、皆さん礼儀正しくて使用後にちゃんとフタをして出ていかれてます。3枚フタですけど結構時間かかる・・・。露天の横に見えないようになっていますがボイラーがあって、時々「ボンッ!」という音で火が付き、重油の臭いがします。仕方ないけど・・・やっぱり残念。
「ひし」の部屋付き露天はお湯がたまるのにえらく時間がかかります・・・・がめげずに試しました。一人でちょうどの大きさ。一応シャンプーリンスなどもありますがそれを使う気にはならず、温まっておしまいです。
<食事>
「ひし」は夕食は部屋食との説明を受けました(雑誌などにはそう書いていませんけど)。海の幸が沢山出ます。もろみとたまり醤油でいただきます。おしょうゆの香りが生かされた煮物などもおいしく、なんといってもそうめん(そうめんになる前の状態だそうでうどんのような太さ)、しこしこで美味しい!(写真をご参照ください) ただ・・・ともかくのどが渇きました。寝る前に冷蔵庫のペットボトル(1本300円なり)をがぶ飲みです。冷水ポットご用意いただけたらな〜。
朝食は母屋へ。これがまた古〜い家屋を改造して使っているのでいい感じです。食事内容は品数も豊富で美味しくいただきました。食事処に横に土間を改造したティールーム?があって囲炉裏を囲んでコーヒーをいただきます(1杯、400円なり)。
<その他>
チェックアウトは女将さん一人でこなしていらっしゃるようで、旅のプランを尋ねる人やら話し込むひとやら、2つのフロントの椅子席はなかなか空きませんでした。それも温かな人柄のせいでしょうか。

「ひし」は27000円(2名利用)、これが高いと思うか安いと思うかは難しいところですね。正直、私は少々高いな・・・と。理由はこの値段でもっといい内容(サービスではなく、設備や食事です)を提供してくれる宿がほかにあるからです。小豆島の味は楽しめます。でも小豆島まで行って、という思いもあるわけで。
「ひし・お・で・も・て・な・す」の7部屋は5月から順次改装に入るそうです。今度は全室風呂付になり、広くなります。「ひし」の部屋はほんの少し手を入れるとのこと。今後の変貌が楽しみです。(2003/03)


「マルキン前」バス停の目の前、マルキン醤油。もろみでいぶされた黒い屋根とあたりに立ち込める醤油の香り。この坂を登ると「真里」があります。 「真里」のエントランス。 「ひし」の間の1階。ホットカーペットに重厚なテーブルが置かれている。奥に見える竹竿はタオルかけ。 「ひし」の洗面所。樽のボウルは味があるけどちょっと水跳ねが多いかも。バスキャップは無いので持参しましょう!
ドライヤーは通常のものとくるくるドライヤーも置いてあります。タオル類も2組、親切ですね
この竹篭にバスタオル・フェイスタオル・タビックス・歯ブラシ・スポンジが入ってます。これをもってお風呂に行きます。 「ひし」の部屋付き露天風呂。屋根の庇の中なので雨でもOK。開放感はなし。風呂栓にチェーンがないので、お湯を捨てる時にずーーーっと持っていないといけなかったんですね・・・・。いい方法があったのかもしれませんが。 「ひし」2階のベッドルーム。枕もとには機織の道具のようなものが。リクライニングのベッドを起すと正面にあるテレビが見やすくなります。でもベッドパットがずれてきちゃって起したり倒したりしているうちにぐちゃぐちゃになっちゃいました。 「ひし」2階の天井。間接照明にするために昔の板戸?を梁に乗せています。
お迎えのお茶。昆布茶とパリッパリの海老せんべい。すごく美味しい! 夕食。食前酒はすもものお酒。ごま豆腐・海鮮のサラダ仕立て・きびなごの南蛮漬け。 渡り蟹。酢醤油でいただきます・ お刺し身の盛り合わせ。めばる・ホタテ・平目・ミル貝・さより・海老(生きていた!)・スティック大根。
サザエのホイル焼き・焼いたこちのもろみと山芋のせ 鯛とごぼう、レンコンのあら煮。菜の花。 親芋のアラレ揚げ、レンコンチップ。小豆島の塩。 そうめん。すこし甘めの出し汁でいただく。よく冷えていてしこしこで、これだけで昼食になる感じ。量はたっぷりある。(写真は二人前)
ジャコ入り菜飯。大根漬けと昆布の佃煮。 イチゴ(色が変ですいません)とサツマイモのアイスクリーム 朝食。温泉卵・野菜の煮付け・しらす干・貝の煮付け・焼き魚・煮豆・つくねいりミニ鍋・サラダ。デザートは夏みかんゼリー。 土間を改装した休憩処。右手に中庭があります。


宿名 もろみの島宿 真里
住所 香川県小豆島醤油蔵通り
電話 0879-82-0086
客室数 7
チェックアウト 10:00
食事場所 夕:個室食事処 朝:個室食事処
その他 希望すれば部屋食可(追加料金)
耳寄り 宿に「ワーゲン ビートル」「ベンツSクラス」のレンタカーあり

温泉宿楽