蔵群(宿情報・感想)

2003/09

「蔵群」全景。雑誌などで見ていなかったら見過ごしてしまうところでした。 「友二」のリビング。右奥がベッドルーム 「友二」ベッドルーム。寝心地はとても良い。奥のカウンターにはアクセサリーケースや便箋などが用意されている。でもここに指輪を入れたら忘れそうで使わなかった。 「友二」部屋風呂。ハーブの袋や炭石鹸が用意されている。窓の向うは一面の緑・・・と言いたいが、目隠しが付いていてちょっと残念。
室内に用意された作務衣、その下にガーゼのパジャマ、タオル、中がビニール張りの布袋。 掘りごたつタイプの食事処 「焼き八寸」炭火の網焼きで穴子・地鶏ささみ・ズッキーニ・蝦夷バイ貝・ししとう・長ねぎをいただく。かなり美味。 前菜。帆立磯焼き、十勝産牛ひれ寿司、雲丹長芋とろろ、など。
刺し身:鮃の薄作り、牡丹海老。蒸し物:タラバガニ南瓜すり流しゆず餡。どちらも美味しい。 中皿:富良野産豚、蕪の重ね、タイ風キャビア添え(ちょっとナンプラーのような香り) 強肴:本マグロとろタタキ、きのこのワサビチリソース。ピリッとしてトロの油と良く合う。きのこは・・・あまりなじみのない味で個人的には今一つ。 洋皿:小樽産八角とバジルの年輪巻き、味噌クリーム。バルサミコ風味トマトコンフィー。八角の骨のから揚げはやや硬め。バジルほ香りが効いて美味しい。
朝食時の椅子席食事処。6人対応らしい。手前に見える黒い釜で炊いたご飯が出る。 朝食。右上の黒い重箱のものはすべて冷めている。中身は鰆の粕漬け、すき焼き風卵とじ、帆立の刺し身、スクランブルエッグ(洋風にバターが効いている)梅干など。それにアロエの入ったサラダ、あぶり焼き海苔、茶碗蒸、牛乳など。


小樽市内から車で15分くらいの朝里川温泉にあります。川を渡ったらメイン街道を右に入り、しばらくすると倉庫のような黒い建物。大きな看板もないので見過ごしてしまいそうです。雑誌やテレビでおなじみのベレー帽(?)をかぶった宿の方(男性)が出迎えてくれます。重厚な木製の自動ドアを2枚通り抜けると、床が石造りのロビー。カッシーナの革張りソファーや、骨董のサイドボードなどがおしゃれです。チェックイン時にはお抹茶とお菓子・・・いきなり「旅館」を感じる。同じくベレー帽のお兄さんに館内の説明を受けながらお部屋へ。途中、これまた雑誌で紹介されまくっているバーカウンターやライブラリーなどを通り抜け、各部屋のドアが並ぶ薄暗い廊下を抜け・・・やっと今夜のお部屋「友二」に到着。

蔵群は朝里川と道路の間の敷地にに目一杯建物があって、ロビーと客室が中庭を囲んだ「ロの字」の作り。部屋はメゾネットタイプと1・2階が別になっているワンフロアタイプで、私は後者のタイプ。ドアを開けると玄関の先にすぐ階段、上るとフローリングに座卓があります。ここがリビングになっていて低めの視線に合わせて大きな窓があり、外は裏山の緑、眼下に朝里川。この他に和室とフローリングにセミダブルのベッドが2つ。この二部屋は中庭向きで、各部屋には小さな窓があるだけです、温泉の引かれた部屋風呂は川向で大きなガラス窓と石造りの深めの浴槽か印象的。
19の部屋はそれぞれ違った作り、違った内装だそうで、すべてが和室という部屋もあるそうな。ベッドルームがあっても畳にお布団を好む人には対応してくれるとのこと。「お兄さん」がサイドボードの中から液晶テレビを取り出して設置してくれる。最初からセットせずに「お好みなら出しますよ」というスタンスらしい。この液晶テレビ、各部屋にジャックがあるのでどの部屋でも自由に見られます・・・が少々小さい。その他に冷蔵庫には缶ビール4缶とミネラルウォーターのペットボトル4本(もちろん料金はかかりません)。それにしても二人で使うにはあまりある広さ。

ベッドは快適な眠りを演出してくれますが、枕は高い!かなり高い!低めの枕を用意していただきたいくらい高いです。ちなみに私は低め好みなので座布団にタオルを巻いて枕にしました。
ベッドルームに「作務衣」(奄美伝統大島紬・・とかでお高いものらしい・・・が着心地はかなりグッド)とガーゼの寝巻き(男性はパジャマスタイル、女性はネグリジェスタイル)が用意されていて、早速作務衣に着替えて大浴場へ。バスタオル・フェイルタオル・薄めの手ぬぐい、その他アメニティーも充実しています。カランは4つで広めのブース付き。湯船は石造りで、湯に浸かると一応お湯があふれます・・・が循環湯だと思われるので、温泉っぽい臭いやお湯の感じはまったく無し。耳を澄ますとジャズが流れていて、薄暗い照明もあってかお風呂の中までおしゃれ・・・ただし、一人なら・・・グループの女性が一緒になると音楽なんてどこへやら。露天は大きめの石造りで屋根付き。景色は裏山の緑で気持ちよいですが、お湯があふれることもなく、さほど感動なし。

湯上り処のような場所に冷水機があって、異様に大きな革張りの椅子があります。その横にフレグランスコーナーなるものがサイドボードに置かれていて、20種類くらいでしょうか?香水が並んでいて自由に使えます。これがクセモノ!湯上り処から部屋に続く薄暗い廊下中に香水の臭い(匂いではなく)が立ち込めていて、吐き気を催すくらいです。たまたまどなたかが沢山使われたのかもしれませんが。せっかく石鹸のいい匂いがするのに、どうしてここにフレグランスコーナーなんだろう・・・香水は人に寄って好き嫌いがありますし、これはいかがなものでしょうか?

夕食は18時と19時のセレクト、係りの方が時間になると迎えにきてくれます。が、風呂上りにバーカウンターでカクテルをいただきながら、「お兄さん」と話しこんでいたら時間になってしまい、ここから食事どころへ。食事処は掘りごたつ・椅子・フローリングに座卓の3種類、事前のリクエストも可能で、朝夕の場所も変えてくれます。最初は掘りごたつをリクエスト。個室といっても扉はなく半分くらい目隠しされている感じ。この食事処は厨房が真中にあって各個室がその周りに配されています。したがって個室によって部屋からの眺めも異なります。食事内容は食前酒から始まって、全17種、ですが一つ一つのボリュームは少なめ。懐石風コースですが、チリソースやバルサミコなどを使ったエスニック風のものもあり、変化にとんだ内容で美味しかったと思います。ただ、厨房がすぐ横にある割に運ばれてくるお料理がほとんど少し冷め気味、それと「香の物五点盛」の貧相なこと。(詳細は写真を参照ください)
食後はまたまたバーカウンターで今度はコーヒーをいただきました。「フリードリンク」といわれるとやはりお酒を飲める人はここぞとばかり飲むらしく・・・隣りにいた50代くらいの3人組はカクテルをお代わりしまくりかなり出来上がっていました・・・・かと思えばライブラリーで携帯電話片手にカクテル飲んでいたり・・・ん〜なんだかな〜。コーヒー1杯いただいてそそくさと部屋に引き上げました。ちなみにこのコーヒー、今時珍しく酸味の強い味です。
朝食はラスト9:30で予約、今度は椅子席です。内容は充分でしたが、温かく出されたのはご飯とお味噌汁だけで、重箱の中に用意された焼き魚、すき焼きの卵とじみたいなもの、スクランブルエッグ、茶碗蒸などすべて冷たかった。冷たい肉は食べる気がしませんでした。何のために時間予約しているのか。ちょっとがっかりしました。
宿の「おにいさん」は皆さん感じよくて、女性は厨房で働く人以外では数えるほどでした。季節・週末・部屋タイプに関係なく2人だと一人35000円。これに税金がついて一人36900円であとは何もかかりません。これを安いと思うか高いと思うかは微妙なところ。しかも「小樽」、修善寺や京都とは違うわけで・・・。今回の宿泊内容で東京から交通費を掛けてわざわざ「蔵群」を楽しみに行くかというと・・・・?基本的に1部屋二人利用をベースにしているそうなのですが、それなら居間には座りごこちのよい椅子を二つご用意していただける部屋がタイプがあればな〜。大型の宿が多い北海道の中で、ゆったりとくつろげるおしゃれな宿は貴重な存在だと思います。

宿名 小樽旅亭 蔵群
住所 北海道小樽市朝里川温泉2丁目685
電話 0134-51-5151
客室数 19
チェックアウト 11:00
食事場所 朝夕共個室食事処
その他 オールインクルージブシステム(宿泊料金の中に
飲み物代などがすべて含まれている)
耳寄り


温泉宿楽