老舗旅館のリニューアル後に行ってきました。運営しているのは「きらの里」と同じ会社です。
＜立地条件・雰囲気＞
伊豆央道の修善寺インターを下りて温泉街に向かって走ると最初に見えてくるどっしりとした入り口の宿です。
１０年以上前に泊まって以来の再訪。表から見た感じはまったく変わっていませんが、玄関に足を踏み入れると「お？」という感じ。アジアンテイストの椅子が置かれ、そこでお茶とお菓子で迎えていただけます。道路に面しているのは玄関だけなので、宿の中はとても静か。和風モダンなイメージになった館内は落ち着いたいい感じです。
＜部屋＞
木造２階建ての昔からある建物、また古かった建物を壊して部屋付き露天を付けた離れタイプ、元々大広間だったところを「お一人様」仕様に区切ったところ・・など新旧織り交ぜたまさに「回廊」。
今回は木造２階建てで元は二部屋だったところを１部屋にリニューアルした部屋に泊まりました。中庭に面して純和風の造りにベッドが置かれゆったりと落ち着けます・・・が・・・やはり古い木造、２階の泊り客の音はすざまじく響きます。たまたま元気な女性グループだったこともあるのでしょうが、話し声まで聞こえてしまいます。

＜食事＞
新設された個室（一部個室ではない）の椅子席の食事処で、懐石風のお料理をいただきます。内容もボリュームも女性向き。男性には物足りないかな・・・そんな人のために「きらの里」同様「夜鳴きラーメン」がありますよ〜。
懐石料理のお味は普通においしくいただきました。メイン料理を選択できたり、趣向をこらした内容でした。
朝食は和洋選択できます。洋食はコーンスープ、サラダ、目玉焼き（スクランブル可）、ウインナーやチーズ・温野菜にパン、ジュース、ヨーグルト、コーヒー。それなりに美味しかったですが、やっぱり和食の方が（鯵の干物・山かけ・煮物・温泉卵・塩辛などとヨーグルト・コーヒー）美味しそうに見えましたね。

＜風呂＞
大浴場、貸切風呂２つ、露天、貸切露天２つ。すべて別々の場所にあるので内風呂で温まってそのまま露天・・・というわけにはいきません。内風呂は古くて、特に貸切風呂はカランが壊れていたり、窓の開閉が壊れかけていたり・・・洗い場と湯船が近すぎてとても気を使ってしまいました。
露天は比較的新しいので、設備も整っていて気持ちよいですよ。アルカリ単純泉なのでお肌にも優しい泉質。
ただし週末ともなると50室近くあるために貸切風呂はタイミングが悪いとなかなか入れないとか。

＜全体として＞
古いものを守りつつ、新しくしていくのはとても大変だな〜とつくづく感じました。新設なった食事処や離れはやはり新しいから快適。でも古い建物の「味」はあるけど水周りなどはやはり使いにくい。
そんな中でセパレートタイプの浴衣を用意したり、旅館なのに冷蔵庫はサービスの水とサイダーだけで、自販機や冷水機を館内のあちらこちらに設置したりと、ホテル風な接客を取り入れています。ソフト面も好印象。
なんとなく衰退気味の感じを受ける修善寺温泉にあって、若い人のリピーターを生みそうな感のあるお宿に変身したのではないでしょうか。