妙見 石原荘(宿情報・感想)

2002/2

鹿児島から霧島に向かう途中の妙見温泉にあります。道路から坂を下ったところに入り口。すぐ左手にフロント、右は小さな売店、奥はモダンな作りのロビーで、眼下に渓谷が見えます。一口サイズのフルーツケーキとお茶をいただきながらチェックインの手続き。部屋は渓谷に面した方と道路に面した方があり、もちろん渓谷側がメイン。でもリビングルーム付きの部屋を予約した為、道路側(渓谷沿いの部屋はすべて和室のみで椅子の欲しい私はやむなく道路側)。「海松」と書いて「みる」という部屋です。車の音がうるさかったけど、くつろげる椅子と、広いバス・洗面所、トイレにミニキッチン付きというゆったり設備で、内装も間接照明をたくみに取り入れていたり、玄関の作りが凝っていたりと一応満足です。玄関を入って右が和室の扉、正面が水周りとリビングへつながる扉になっているので、係りの方が食事の支度や布団の上げ下げをしていても、気にすることなく部屋に滞在できます。部屋には浴衣以外にくつろぎ着(ロングパジャマみたいなワンピース)もついています。
温泉はすごいです!大浴場は宿の入り口から下駄を履いて駐車場を抜け、回廊の奥にあります。途中は温泉の試飲(?)まで出来ますが、とっても苦そうな気がして悩んだ挙句やめました・・・。建物にはいるとまず湯上り処、その奥に風呂場があり、豊富な湯量にびっくり。アートな壁面からド〜っとお湯が出ていて湯船からあふれかえっています。窓からは眼下に渓谷。炭酸水素塩泉のにごり湯は湯温もちょうど良くて、なんかすごく効能豊かな気がする。バス・フェイスタオルがあり、シャンプーの質も上等。湯上り処は籐の椅子が置かれレモン入りの冷水が用意されてます。係りのおじさんも感じよい。
露天は30分単位の貸切で、渓谷に突き出す(埋もれる?)ように作られた湯船。こちらにもたっぷりの湯量が注いでいます。3つの湯船があり、小さいものは上がり湯として使うためと思われます。その横には洗い場、下(川)に向かって二段に湯船が作られていて下段の方が温度が低め。露天入り口の階段を下りていくと「下駄を脱いでください」という指示があり、それが使用中を意味するものだそうで。最初は一応人目を気にして(誰も見ていないけど川を挟んで向いに「雅叙園」さんがあるので)いましたが、入ってしまえばにごり湯、こっちのもん!その開放感たるや言葉で表せないくらいです。朝に入りましたが、この宿に泊まったら絶対に入ってください!実は大浴場の奥にもう一つ露天があるそうですが、それを試すだけの時間が無くて残念。宿の方曰く「その露天の泉質は最高です」とのこと。
さて部屋でいただく食事がこれまた美味しいです。食前酒は笹筒に入った日本酒(この日は越の寒中梅)をお子皿のような杯(三々九度のよう)でいただきます。薩摩黒豚・山女魚・季節の山菜、季節感あふれる美味しい地のものがたっぷりと、一品ずつ運ばれてきます。どれも美味しかったけど、お気に入りは黒豚のしゃぶしゃぶ。あっさりとしたスープに黒豚とミズナが煮えていて、ともかくおいしい。器もすごくしゃれていて見た目も楽しい。朝は釜炊きのご飯がそのまま出てきて、オコゲまでちゃんとあって・・・おかずは入らないと思えちゃうくらいに美味しいです。
残念なのは部屋係りの方の知識が乏しかったこと。料理や宿について伺っても即答いただけず、ちょっと残念でした。でも是非とももう一度行きたい!そんな気持ちにさせられる宿です。(2002/2)


<再訪の感想>

2004/05

二年ぶりに行ってきました。今回は渓流側の和室(6畳・8畳に広縁付)です。相変わらずお向かいの雅叙苑さんは気になりますが(渓流の露天風呂が見えてしまう・・・)、緑豊かな季節ゆえ、鳥のさえずりや川の流れの音が心地よいです。部屋は改装を重ねて和の情緒を保っているような感じで、やや不便さを感じる部分もありますが、それも味の一つということで。
石原荘の大浴場はやっぱり最高です。何より湯量が豊富で「源泉かけ流し」とはまさにこのこと。鉄分の臭いのするうっすらと濁った湯。少々熱めでしたが、5分と入っていないのに、湯上り後はしばらくの間、汗が引きません。湯上りどころに用意されたレモン水の美味しいこと!
渓流沿いの露天は以前二段の作りでしたが、下段はなくなりました。脱衣所の床にウッドデッキが出来、棚に籠が設置され、より使いやすくなりました。こちらも自噴する源泉がドバドバと流れ出しています。湯に浸かっていると、ツバメが飛び回り見事な飛行技術を見せてくれました。
食事は初夏を感じさせるメニュー、量も適量で美味しかったです。今回は料理内容を細かに説明してくださり、以前のような不満は残りませんでした。
この季節の楽しみはなんといっても蛍鑑賞。22時過ぎに大浴場へ行く途中、いつもなら照明が点けられる渡り廊下は、蛍のために行灯が灯されています。ふと気がつくと草むらや木に蛍が・・・!都会では味わえない季節の風物詩、感動にしばし足を止めて見入ってしまいました。
布団はムアツ布団と羽毛の夏がけ。心地よい眠りを与えてくれました。浴衣以外に、就寝用のガーゼ素材のパジャマ(?ワンピースタイプ)が用意されていました。女性にはグッドですが、男性は・・・?
前回同様、また来よう!と思わずにはいられないお宿でした。(2004/05)


新緑の天降門。本館から大浴場に向かう途中にあります。 本館地下1階?の客室「紫」。渓流に面して8畳・6畳の和室に広縁。トイレ・洗面所・ヒノキの内湯(温泉ではない)を設備。冷蔵庫のドリンクが自販機と同じ位の値段。安い! 同じく「紫」。この部屋にテレビ、ポットなど。部屋に用意されていたお湯のみ、いい感じだな〜と思っていたら、売店で1客4200円! 夕食。先付け:黒酢ゼリーがけ。雲丹・おくら・さつまいも・車海老・茄子などにひんやりとしたゼリーが美味。黒酢で有名な福山町も鹿児島ですね。
食前酒:古梅酒
刺身:鯛・縞鯵・鰹・こごみ・たけのこ・春菊・チコリ。ちり酢でいただきます。 椀:鱧の葛打ち。美味しいお出汁に鱧の食感がさえてます。 焼き物:山女魚の笹巻き焼きのあと、進肴:黒豚の東波煮、クレープ包み。東波煮は角煮の皮付きのことを言うそうで、味は角煮と一緒。香菜(パクチと思う)とからし、ねぎなどをクレープに包んでいただきます。もっちりとしたクレープとこってりとした黒豚がとても美味!ボリュームもたっぷりです。右にバラの花のようになっているのがクレープですよ〜。 野菜の炊き合わせのあと、替り鉢:大隈牛ロース焼き、わさび醤油でいただきます。フレンチのようなあしらい。
石原荘朝食 炊きたてご飯
酢の物:イカの芽巻き。にんにくの芽を巻いてレモン酢でさっぱりと。ブルーの器が目にも鮮やか。 最後のご飯はアサリの時雨れ煮がご飯に乗せられ、お好みでお茶漬けもOK。食後はびわとスイカのデザート。
九州の旅館の食事なのにあっさりした味付けで、食後ものどが渇きませんでした。美味しかった〜!
朝食。グレープフルーツジュース、熱々の玉子焼き、地鶏のひき肉団子、野菜の煮物、焼き魚・・・etc。そして例によって炊きたてのご飯、おこげ付!またまたおかわりしちゃいました! 朝食の炊きたてご飯がこのお釜の中に・・・・


<再々訪の感想>

2005/05

またまた行ってしまいました。今回は道路側の和洋室。な、なんとミニキッチンにコーヒーセットが置いてありました!嬉しいですね〜。
全体に特にリニューアルしたところは無かったようですが、湯上り処にレモン水に加えてコーヒーサービスもありました。相変わらず気持ちのよいお風呂ははるばる鹿児島まで来た甲斐があろうというもの。
夕朝食とも食事処でいただきましたが、掘りごたつタイプのお部屋もあると知りました。予約時のリクエストOKのようです。また、枕が高め・低めと2セット用意してありました。
今回はあるお祝いを兼ねて行ったのですが、予約時に一言伝えただけで、夕食の際にご飯を鯛付きのお赤飯に、デザートにチーズケーキを、そして記念のカードまで用意してくださいました。思わぬサービスにとても感激いたしました。(2005/05)

竹筒に入った「越の寒中梅」の食前酒からスタート。刺身・焼き物などのあと、きびなご寿司(写真は4人前)。あっさりとしてとても美味。 冷菜:ながらめ(貝)の香草蒸し。空豆・レンコン・ゆりね・小芋・パプリカなどをかぼちゃのソースでいただく。あっさりとしてヘルシー。 天ぷら:車海老・若鮎・筍・つつじ(花)・その他山菜類(?)。5種類の油で揚げているとか。 大隈牛ロースとビーフ。焼きりんご・ジャガイモのペースト添え。美味しかったけど、黒豚料理が出なくてちょっと残念(豚が好きなもんで)。このあと、ご飯、デザート(メロン&すいか)。


宿名 妙見 石原荘
住所 鹿児島県姶良郡隼人町嘉例川4376
電話 0995-77-2111
客室数 15
チェックアウト 10:00
食事場所 夕:部屋 朝:部屋
その他
耳寄り 売店のチーズケーキ、美味!宿から車で10分くらいにある犬飼の滝は、滝壷まで行かれます(かなりの上り下りがありますが)。マイナスイオンたっぷり?


温泉宿楽