べにや無何有(宿情報・感想)

2003/10

加賀・山代温泉の高台に位置しています。
<宿の雰囲気・部屋>
入り口はさりげなく木々が植えられています。係りの方の案内で中に入ると、広いロビーと切り取った絵のようなガラスの向うの景色が目に飛び込んできます。旅館というより瀟洒なホテルを思わせる雰囲気。絞りたてのりんごジュース(ガーガーとジューサーの音がしていた)はほんのりと甘くてとても美味。チェックインを済ませると案内を聞きながら部屋へ。予約したのは2室しかない洋室のうちの一室。ロビーのある本館(宿ではこのような名称では呼んでいませんでしたが)から続いて部屋があり、その奥に一度外へ出て渡り廊下のようなところから次の建物へ。そこは3階建てですが、山の傾斜地のため、渡り廊下の階が2階となります。洋室は入り口だけここにあり、ドアを開けるとすぐに階段(マンションの外階段のような感じ)。上ったところに水屋があり、そこで扉を開けると部屋になります(わかりにくい説明ですいません)。明るめのフローリングにツインベッド、ソファー、クローゼット、DVD+VHSが一体型のテレビが置かれ、大きなガラス窓の向うは広いウッドデッキで、デッキチェア-があります。打ちっぱなしのコンクリートと木の風合いがよくマッチしてます。少々狭い洗面所とトイレ、ガラス戸の向うにシャワールーム(木製の桶と椅子付き)、そのまたガラス戸の向うが円形の部屋付き露天風呂です。部屋からの眺望は大きく育った庭の木々、ですが上の方の階に行くとおそらく温泉街のネオンが見えると思います。洋室からはベランダに出ると木々の間からチラリとネオンが見える程度。
<風呂>
まずは大浴場へ。床暖房の入れられた脱衣所は適度な広さと充実したアメニティー、バスタオル・フェイスタオルもあります。洗い場のカランは・・・5、6個?隣りの人のシャワーがバシバシ飛んでくるくらいに間隔が狭い。内湯はやや熱めで無色無臭、特に何の感動も無し。露天は屋根付きで塀に囲まれていて中は石造り、周囲は木造りです。こちらはぬるめ・・・・同じく感動無し。大浴場出入り口付近に冷えたアルカリイオン水が用意されていて、ガラスのコップでいただけます。やっぱり紙コップより美味しく感じてしまう。
<食事>
洋室は専用のレストランでの食事になりますが、複数の家族での旅行だったため、そちらの宿泊した和室でいただきました。全11品、どのお料理も美味しく季節感もたっぷり、器もおしゃれ・・と言う事無しでした。「懐石」という感じを押し付けず、変化もありバランスもよかった。やはり「味覚の秋」松茸・栗・新米と出されると思わず顔が緩んでしまいます。(詳細は写真でどうぞ)
食後、部屋に戻ると梅シソの海苔巻が夜食として届けられていました。夜は部屋の露天へ。循環ですが湯に浸かれば少しはお湯があふれる・・・って感じ。竹垣で囲まれているので開放感は今一つ。大きさは充分ですが湯舟の中に座れるような段差がないので、肩まで浸かるか淵に腰掛けて足湯状態か、しかできません。湯船の出入りも今一つしにくい。それでもやはり部屋付き露天は手軽で嬉しいものです。バスローブもついていてホテル気分。和室にはジャグジー付きの部屋もあるようです。
秋の夜長は、持参したCDでボサノバを聴きながら、宿の雑誌類(図書室がありますが、それとは別に自由に持ち出し可能な雑誌が沢山あります。「家庭画報」「和楽」「PEN」その他いろいろ・・・)で過ごしました。ちなみに宿には貸し出しのビデオ・DVD・CDなどもあります。無料で希望のアロマオイルサービスも受けられます。ワッフル地を使ったリネン類が気持ちよく、アロマオイルの香りに包まれてとてもよく眠れました。
朝は、またまた部屋露天。そして朝食。これがまた秀逸!デッサンつきの可愛いお品書きまであって感動物です。まずはグレープフルーツジュースと牧場から配達された牛乳から始まり、朝出来たてのお豆腐(豆乳付き)、自家精米のコシヒカリ(それはもう絶品に美味しい!)、加賀棒茶・・・食後はコーヒー(いつもながら・・・超うれしい)。
<全体として>
べにや無何有はホテルと旅館を上手に融合させている感じを受けました。フロント周辺のスタッフには若い方が多く、仲居さんはどちらかというとご年配の方が多かったです。実はチェックインした時は「え?」っと思うことも少々あったのですが、時間が経つにつれて係りの方の温かい対応を感じる事ができました。温泉としては今百歩ですが、ゆったりとした時間を過ごすにはとてもお薦めの宿です。ただ、秋はオンシーズン料金となり、その上土曜日は+5,000円。安い洋室でも38,000円・・・安くあげるにはオフシーズンの月曜から木曜泊なら洋室で28,000円です。(2003/10)


エントランス。むかって右横がすぐに駐車場となる 入り口正面にロビー。玄関のすぐ横にフロントがあり、3段ほど階段を下りた所にこのロビーがある。 洋室。天井のダウンライトは調光器がついていて、便利。大きい窓にはカーテンは無く、白いロールスクリーンのみ。朝は少々明るい。ベッドサイズはシングル。 デッキチェア。室内に専用のマットがあったので、使うときにはそれを敷いた。高い天井には丸い穴が開いている。
部屋付き露天風呂。ご覧のように浴槽内に段差が無いので、湯船に入っているときも、出入りする時も使い勝手が悪い。湯の出口は設置されているだけで実際は浴槽内から循環湯が沸きあがっている。この場所での石鹸は使用禁止。 夕食。
右:蒸し鮑。味がよくしみて美味しい。
左:野菜のおひたし。百合根・菊花・絹さや・金時草・まこも。
この後に栗飯蒸しが出る。小さなせいろに銀杏と栗が添えられたおこわ蒸し。
右:月見豆腐澄し汁。松茸、ずいき入り
左:おつくり。ひらめ・バイ貝
この後に松茸・しめじ・エリンギの炭火焼き。写真を撮ったつもりだったのに・・・松茸を焼くのに忙しくて?
野菜の炊き合わせ:里芋・蕪・カボチャ・タコの煮物など。薄味で上品な味付け。
目鯛山椒焼き。ほっくりとして美味しい。山椒が利いてる。 合鴨つみれ鍋。係りの方が作ってくれます。お醤油ベースの出し汁に、鴨のつみれを落としていき、水菜と焼きねぎを入れてさっと火が通ったら出来上がり。 ピントぼけでます・・すいません。出来上がった合鴨つみれ鍋。 これまたピントが・・・。鍋で出来上がった雑炊。たっぷりと卵が入っておいしい。
アロマオイルサービス。15種類くらいから選べます。一番人気はラベンダーだそうですよ。 「秀逸」の朝食。朝7時に出来上がった湯豆腐。豆乳も用意されていて、好みで湯豆腐にかけて食べられる。
右は炭火であぶられている海苔。
右奥:きのこ海苔(きのこと海苔の佃煮)
真中奥:紙袋に入っているのは温泉卵。温泉浴殿産。
右中央:温泉カレイ、ほおばみそ付き。このカレイを炭火で温めていただく。
1杯目はおかゆ、2杯目からはごはんになる。
食後のコーヒー。ポットサービスなので2杯分くらいあって嬉しい。宿特性のオリジナルブレンド、ブルマンベースだとか。売店で売ってました。


宿名 べにや無何有
住所 石川県加賀市山代温泉55-1-3
電話 0761-77-1340
客室数 16
チェックアウト 11:00
食事場所 洋室のみ朝夕:ダイニング 和室・和洋室は部屋食 
その他 全室露天風呂付
耳寄り

温泉宿楽